
今年還暦を迎える1965年生まれの男女。人生の折り返し地点を過ぎ、老後の生活や終活について考え始める人も多いと思われるが、現状、彼らはどれくらいの貯金をしているのだろうか?
PGF生命はこのほど、今年還暦を迎える1965年生まれの男女「還暦人(かんれきびと)」を対象に「2025年の還暦人に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、有効サンプル2,000名の集計結果を公開した。ここでは「還暦人のマネー」に関する調査結果を抜粋し、紹介する。
現段階の貯蓄額 「100万円未満」は30%、調査開始以来最も高い水準に
全回答者(2,000名)に、現段階の貯蓄金額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)を聞いたところ、「100万円未満」(30.0%)に最も多くの回答が集まったほか、「100~300万円未満」(15.8%)や「500~1,000万円未満」(11.8%)、「1,000~1,500万円未満」(9.8%)、「3,000~5,000万円未満」「1億円以上」(いずれも7.0%)などに回答が分散し、平均は2,460万円、中央値は475万円となった。また、「500万円未満」の割合は50.0%、「2,000万円以上」の割合は26.5%となった。
過去の調査結果と比較すると、貯蓄金額の平均は、2023年以降の減少傾向が続き、2023年3,454万円→2024年2,782万円→2025年2,460万円と、2024年の調査から322万円の減少がみられ、2025年は調査開始以来の最低額となった。
また、現段階の貯蓄金額が「100万円未満」の割合についてみると、2025年は30.0%と調査開始以来最も高い水準に達した。一方、「3,000万円以上」の割合は、2018年の初回調査から25%前後を推移していたものの、2024年以降は2024年18.0%、2025年19.7%と2年連続で20%未満にとどまった。物価上昇により貯蓄を取り崩さざるを得ないケースや、2024年開始の新NISA制度を活用した「貯蓄から投資へ」の動きの影響が生じているのかもしれない。
友人・知人などの交友関係にお金を使っている」6割
交際費について質問した。
友人・知人などの交友関係にお金を使っているかを聞いたところ、「使っている」は59.3%、「使っていない」は40.7%となり、4割の人は交友関係にお金を使っていないことがわかった。
男女別にみると、友人・知人などの交友関係にお金を使っている人の割合は、男性では57.9%、女性では60.8%となった。
居住エリア別にみると、友人・知人などの交友関係にお金を使っている人の割合は、関東(64.3%)で最も高くなった。
交友関係にお金を使っている人(1,187名)に、交友関係に使っているお金はひと月あたりどのくらいかを聞いたところ、「5,000円~10,000円未満」(28.4%)、「10,000円~20,000円未満」(31.9%)に回答が集中し、平均金額は11,469円となった。
男女別にみると、男性では平均が14,474円、女性では平均が8,606円となり、女性と比べて男性のほうが5,868円高くなった。
趣味のために使っている金額は平均17,864円/月、昨年調査から1,665円減少
次に、趣味のための支出について質問した。
趣味のためにお金を使っているかを聞いたところ、「使っている」は68.5%、「使っていない」は31.5%となった。男女別にみると、趣味のためにお金を使っている人の割合は、男性では73.0%と、女性(64.0%)と比べて9.0ポイント高くなった。
趣味のためにお金を使っている人(1,370名)に、趣味のために使っているお金はひと月あたりどのくらいかを聞いたところ、「10,000円~20,000円未満」(30.0%)に最も多くの回答が集まったほか、「5,000円~10,000円未満」(18.9%)や「20,000円~30,000円未満」(13.8%)にも回答が集まり、平均は17,864円となった。
過去の調査結果と比較すると、平均は2023年20,621円→2024年19,529円→2025年17,864円と減少傾向が続き、2024年からは1,665円減少した。物価高騰による生活費の増加に伴って、娯楽費に支出する余裕が減少しているのではないだろうか。
「推し活としてお金をかけていることがある」女性では2割強
続いて、“推し活”について質問した。
まず、全回答者(2,000名)に、推し活としてお金をかけていることがあるかを聞いたところ、「ある」は15.9%、「ない」は84.2%となった。男女別にみると、推し活としてお金をかけていることがある人の割合は、女性では21.8%と、男性(9.9%)と比べて11.9ポイント高くなった。
推し活としてお金をかけていることがある人(318名)に、最もお金をかけている推し活の内容と、その推し活に一年間にかけている金額を聞いたところ、かけている金額の平均は、「スポーツ観戦をする」が168,217円で最も高くなり、大相撲観戦に1,500,000円かけているといった回答もみられた。
次いで「観劇をする」が88,235円、「コンサート・ライブに行く」が86,464円、「スポーツチーム・選手を応援する」が68,188円、「グッズを買う」が42,000円、「CD・DVDを購入する」が20,500円となった。
また、推し活が生きがいになっているかを聞いたところ、「なっている」は63.2%、「なっていない」は36.8%となった。男女別にみると、推し活が生きがいとなっている人の割合は、女性では68.9%と、男性(50.5%)と比べて18.4ポイント高くなった。
還暦人の7割半が“キャッシュレス派”、関東エリアでは男女ともに約8割
普段の買い物の決済方法について質問した。
全回答者(2,000名)に、買い物では現金決済よりキャッシュレス決済をすることが多いかを聞いたところ、「多い」は73.7%、「多くはない」は26.4%となり、大多数がキャッシュレス派となった。電子マネーやコード決済といった、スマートフォンで利用できる決済手段などの普及により、その利便性や手軽さからキャッシュレス決済を選択している人は多いのではないだろうか。
男女・居住エリア別にみると、現金決済よりキャッシュレス決済をすることが多い人の割合は、男女ともに関東(男性78.6%、女性78.8%)で最も高くなった。一方、男性では北海道・東北(66.3%)、女性では九州・沖縄(58.7%)が最も低くなった。
<調査概要>
◆調査タイトル :2025年の還暦人(かんれきびと)に関する調査
◆調査対象 :ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする
1965年生まれの男女
◆調査期間 :2025年3月19日~3月21日
◆調査方法 :インターネット調査
◆調査地域 :全国
◆有効回答数 :2,000サンプル ※有効回答から抽出
(有効回答から性別区分が均等になるように抽出)
◆調査協力会社 :ネットエイジア株式会社
出典元:PGF生命調べ
構成/こじへい