
コロナ禍の時に安心して楽しめるレジャーとして注目を集めたグランピング。2025年現在、その人気はどれほどのものなのだろうか?
RASA JAPANはこのほど、関東在住者254名を対象に「グランピング」に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。
なお、調査対象者は関東1都6県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)に在住する人で、性別や年代のバランスを考慮して選定している。居住地の内訳は、人口比に応じた分布となっており、東京都と神奈川県で約5割を占めている。
行きたいのはどの都県?関東グランピング人気エリアTOP7
関東在住者に「関東地方でグランピングに行きたい都県」を尋ねたところ、「神奈川県」が32.7%でトップとなった。以下「千葉県」(30.7%)、「群馬県」(28.7%)と僅差で続き、「栃木県」(28.3%)、「茨城県」(19.3%)、「埼玉県」(17.3%)、「東京都」(16.5%)の順となった。
「神奈川県」が1位になった背景には、都心からのアクセスの良さに加え、海と山の両方の自然環境を活かした施設が多く、箱根や湘南など温泉やビーチも楽しめる多様性が評価されたと考えられる。神奈川県には「里楽巣 FUJINO」や「藤野倶楽部」など、日比谷花壇が手掛けるような洗練された施設も増えている。
2位の「千葉県」は、東京からのアクセスの良さと、南房総の海岸線に沿った開放的な施設が多いことが魅力。「THE BONDS ビーチSPAリゾート」など、海を眺めながら過ごせる施設が人気を集めている。
3位の「群馬県」は、赤城山や草津温泉などの自然環境の豊かさと、都心から約2時間とアクセスも比較的良好であることが人気の理由だ。たとえば「北軽井沢スウィートグラス」では、景色が一望できるクリアなテントが用意されており、夜になると星空を眺めながら豪華な時間を過ごせる。
興味深いのは、人口集中地域である「東京都」や「埼玉県」が下位であることで、関東在住者は「都会から少し離れた自然の中でのグランピング」を求める傾向が強いことがわかる。
関東ユーザーのグランピング意欲
1年以内にグランピングを計画している人の割合は、「既に予約済み」が10.6%、「検討中」が37.4%、「未定」が30.7%となっている。
「グランピングへの関心の高まり」についても、「すごく高まっている」(16.1%)と「少し高まっている」(39.8%)を合わせると55.9%となっている。
アンケート結果からは、関東在住者のグランピングへの関心が高まっていることがうかがえる。これは、関東地方に多くのグランピング施設があり、アクセスしやすいことも一因と考えられる。また、非日常体験を求める都市部住民のニーズとグランピングの相性の良さも影響しているようだ。
施設選びで重視するポイントは?関東ユーザーのこだわりとは
関東在住者がグランピング施設を選ぶ際に最も重視するポイントは、「施設の清潔さ・快適さ」が24.4%でトップとなった。2位は「価格」(20.9%)、3位は「アクセスの良さ」(15.7%)と続く。
特に注目すべきは、関東在住者は「清潔さ・快適さ」を「価格」よりも優先する傾向が強いことだ。これは、都市部住民特有の「非日常の質」へのこだわりを示していると言えるだろう。
また、「アクセスの良さ」の重視度が高いのは、渋滞や交通手段の制約を強く意識する都市部住民ならではの特徴だ。実際に、多くの関東在住者は「都心から2時間以内でアクセスできる」ことを施設選びの重要な判断材料としているようだ。
予算面では、「10,000円~14,999円」が30.3%で最多、次いで「5,000円~9,999円」(16.1%)、「15,000円~19,999円」(14.2%)となっている。
関東近郊の人気施設
自由回答では、多くの関東在住者が行ってみたいグランピング施設を具体的に挙げている。言及されている施設としては「那須グランピング」「テルマーの湯」「旅館&グランピングリゾート花山水」「マザー牧場」などがあった。
これらの施設に共通するのは、「独自のコンセプト」「施設の質の高さ」「自然環境との調和」の3要素だ。特に関東在住者からは、「日常から離れた特別な空間であること」と「アクセスの良さ」という、一見相反する要素を両立した施設が支持されている。
※本記事は調査対象者の自由記述に基づいたものであり、上記の施設名は参考例だ。順位は保証・評価とは関係ない。
まとめ|関東でグランピングを選ぶ人が重視する3つのこと
今回の関東在住者254人への調査から、関東でグランピングを選ぶ人が特に重視する3つのポイントが明らかになった。
1. 「アクセスと非日常のバランス」
関東在住者は「都心からのアクセスの良さ」を重視しているが、同時に「非日常感」も強く求めている。神奈川県や千葉県など、都心から1~2時間圏内で自然環境の良いエリアが特に人気を集めているのはこのためだ。忙しい都市生活者にとって、移動時間の短縮と非日常体験の質の両立が重要なポイントとなっている。
2. 「清潔感・快適さへのこだわり」
関東在住者は「施設の清潔さ・快適さ」を「価格」よりも重視する傾向がある。これは、都市部の生活水準の高さを反映したものと言えるだろう。「アウトドアだから多少の不便は仕方ない」という妥協ではなく、「自然の中でも快適に過ごしたい」というニーズが強く、このことが予算設定にも表れている。
3. 「家族・カップルで使える雰囲気」
調査では、グランピングに行く同伴者として「子供連れ家族」(34.6%)と「恋人・配偶者」(33.5%)が上位を占めた。
関東のグランピング施設選びでは、家族やカップルで楽しめる環境や、それぞれのニーズに合ったアクティビティが提供されているかが重要な判断基準となっている。特に子供が楽しめるプログラムや、カップルでの特別な体験が用意されている施設への関心が高まっている。
関東在住者の特徴を理解したグランピング施設選びができれば、より満足度の高い体験が実現できるだろう。特に注目の神奈川県や千葉県、群馬県のエリアでは、それぞれの地域特性を活かした施設が多数あり、関東在住者のニーズを的確に捉えた選択肢が広がっている。
<調査概要>
調査期間:2025年5月1日
調査機関(調査主体):RASA JAPAN Inc.
調査対象:関東在住者
有効回答数(サンプル数):254
調査方法(集計方法、算出方法):インターネット調査
出典元:RASA JAPAN
構成/こじへい