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がん発見の〝第二の目〟となるか?AIが示した中間期乳がん検出の実力

2025.05.29

AIは中間期乳がんの検出に有用?

人工知能(AI)は、訓練を受けた放射線科医でも見逃してしまうような乳がんを検出できる可能性のあることが、新たな研究で示された。研究グループは、マンモグラフィー検査にAIを組み込むことで、年1回の定期検診の合間に発生する中間期がん(interval breast cancer;IBC)の発生率を下げられる可能性があるとしている。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デビッド・ゲフィン医学部放射線学分野のTiffany Yu氏らによるこの研究結果は、「Journal of the National Cancer Institute」に4月18日掲載された。

Yu氏はUCLAのニュースリリースで、「がんの早期発見は、患者にとって大きな違いを生む。がんを早期に見つけることができれば、より積極的な治療を必要としなくなり、より良好な転帰を得る可能性も高まる」と話す。

この研究では、2010年から2019年にかけて行われた18万4,935件のマンモグラフィー検査データを分析して、検査で陰性と判定されてから12カ月以内にIBCと診断された148症例を特定。これらの症例について、AIが「異常」として認識できるかを検証した。

3人以上の放射線科医がIBC症例を、1)陰性判定の画像にがんが描出されていたにもかかわらず見逃されたか誤って解釈された「見逃し」、2)熟練の放射線科医なら検知可能だった可能性のある微細な兆候があった「対応可能な最小の兆候あり」、3)肉眼では確認できない微細な兆候があった「対応不可な最小の兆候あり」、4)前回の画像には異常が認められず、今回の画像で初めて異常が確認された「真のIBC」、5)マンモグラフィー画像では異常が認められないが、超音波やMRIなどの他の検査で発見された「オカルトがん」、6)がんはすでに存在していた可能性があるが、不適切なポジショニングなどの技術的要因により描出されなかった「技術的なエラー」、に分類した。深層学習を用いたAIは、各画像に1~10のリスクスコアを付与した(8点以上を「異常あり」と定義)。その上で、放射線科医による分類とAIによるスコア、マーキング、患者とがんの特徴との関連を評価した。

放射線科医による分類では、148症例のうち26%(38例)が「対応可能な最小の兆候あり」、24%(36例)が「オカルトがん」、22%(33例)が「対応不可の最小の兆候あり」、17%(25例)が「見逃し」、6%(9例)が「真のIBC」、5%(7例)が「技術的エラー」と判定された。

AIは、乳房インプラントやファイル変換の問題から対象外とされた17件を除く131件のデータを解析した。その結果、AIは「見逃し」の90%(19/21例)、「対応可能な最小の兆候あり」の89%(32/36例)、「対応不可の最小の兆候あり」の72%(23/32例)、「オカルトがん」の69%(20/29例)、「真のIBC」の50%(4/8例)、「技術的エラー」の40%(2/5例)を「異常あり」としてフラグを立てた。この結果から、AIは、スクリーニング時に画像上である程度兆候の現れていたIBCに対する検出率は高い一方で、画像上に兆候の現れていなかったIBCの検出率は相対的に低いことが示唆された。

こうした結果を受けて、論文の上席著者であるUCLAデビッド・ゲフィン医学部放射線科分野のHannah Milch氏は、「大変興味深い結果が得られた一方で、AIの不正確さや、リアルワールドの環境でさらに調査する必要がある問題も数多く見出された。例えば、マンモグラフィー画像では確認できないにもかかわらず、AIはスクリーニング時の画像からオカルトがんの69%を特定した。しかし、AIが疑わしいとマークした画像上の特定領域を精査すると、実際に本物のがんをマークしていたのはわずか22%に過ぎず、AIの精度はそれほど高くないことが判明した」とUCLAのニュースリリースで述べている。

研究グループは、乳がんのスクリーニング検査においてAIを最も効果的に活用する方法を見つけるには、さらに大規模な研究が必要だと指摘している。Yu氏は、「AIは完璧ではないため単独で使用すべきではないが、将来性はある」との見方を示し、「特に、早期発見が最も難しい種類のがんにおいて、AIは放射線科医の貴重な第二の目として役立つ可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2025年5月14日)

Copyright (C) 2025 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://academic.oup.com/jnci/advance-article/doi/10.1093/jnci/djaf103/8116029

Press Release
https://newsroom.ucla.edu/releases/ai-early-detection-breast-cancers-ucla-study

構成/DIME編集部

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