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設立3か月で国内大会を無双?映像制作会社発のeスポーツチーム「EOTO」の裏側に迫る

2025.05.29

大会賞金総額50万ドル、人気FPSゲーム『VALORANT』の女性チームによる世界大会『VALORANT Game Changers』 の日本国内予選で、設立わずか3ヶ月ながら優勝候補の一角にまで上り詰めるチームがある。

「EOTO」だ。多くの謎に包まれた新チームの正体は同名の映像制作会社のサイドビジネス(副業)だというのである。

EOTO代表取締役·永田裕之さんに話を聞いた。

VTuberから縦型ショートドラマまで、時代の最先端にチャレンジする男

映像制作会社EOTO。

テレビ番組のドラマ制作からYouTubeの企画·撮影·動画編集、そして近年は縦型ショートドラマの制作まで行なう映像業界では知らない人はいない実力派企業である。

なんと1年間に手がける動画本数は数百から数千にも及ぶという。

EOTOの代表取締役·永田裕之さんは次のように話す。

「今から10数年前、私が学生の頃は映像制作=テレビの時代でした。

けれど、ここ10年で映像制作の市場は大きく変化しています。YouTuberやVTuberの登場で企画から動画編集まで一括で行なうクリエイターの需要が大きく増加しましたし、動画作成だけでなくライブ配信ができることも求められる。

SNSではショート動画の需要が年々増加し、近年では縦型ショートドラマと呼ばれるSNS映えする短尺動画とドラマ制作を組み合わせたジャンルも登場しました。

いずれも映像制作の最先端であり、非常に面白い。面白いことを好きなだけチャレンジするためには自分の会社が必要だと思ったんです」

そうして2023年、永田さんはEOTOを設立した。

名前の由来は「絵(E)+音(OTO)」。映像制作現場で用いられる用語で、映像編集から音響編集まで行なうことを指している。

EOTOは代表の永田さんを含め従業員数はわずか9名。少数精鋭ながら年々事業は拡大を続け今期は売り上げ1億円を見据えている。

「映像業界の需要は目まぐるしい変化が起こり続けています。今後も面白いと思ってもらえるようなコンテンツを作っていきたいですね」(永田さん)

※永田さんが企画・プロデュースに関わったVTuberの響木アオさん

※EOTOが制作した映像コンテンツ。有名作品がズラリ

映像制作×eスポーツの親和性はバツグン!

※EOTOのeスポーツ事業のロゴ

そんなEOTOが次なるビジネスとして注目しているのが「eスポーツ事業」だ。

2025年3月、『VALORANT Game Changers』部門のeスポーツチームとストリーマー(配信者)チームを立ち上げた。

4月に行なわれた『VALORANT Game Changers』の国内大会では、国内有数の強豪チームに勝利するジャイアントキリングを達成し国内4位の成績を収めており、5~6月に行われる世界大会に向けた国内予選では優勝候補の一角にまで数えられている。結成からわずか3ヶ月。すでに国内女王の座を捉えているというから驚きである。

はじまりは知人から「eスポーツチームを始めませんか?」と声をかけられたことがきっかけだった。

「私は『やります!』と即答しました。

というのも年々、eスポーツ市場は右肩上がりの成長を見せておりビジネスとしての可能性も非常に高い。それにeスポーツの魅力を発信するのは映像技術が欠かせません。選手たちの一瞬のプレイを最大化して視聴者に届けるのはどうしたらいいのか、映像制作者としても大きなチャレンジになると思ったんです。

もちろん、やるからには本気です。チームは世界を目指しています」(永田さん)

これから行なわれる国内予選で2位以上でアジア太平洋(APAC)地域予選に進出でき、APAC予選でも2位以上で世界大会への出場権を得ることができる。まだ世界一位に輝いた日本チームは存在しない。EOTOの活躍に期待したい。

※『VALORANT Game Changers』で活躍するEOTOのeスポーツチーム

引退後はどうなる?eスポーツ選手や配信者のセカンドキャリアの課題

eスポーツ事業を始めてから永田さんは業界の課題にも関心を寄せている。

「eスポーツ界隈では選手はチームに所属していながらも、すぐに移籍や脱退を繰り返す文化があります。もちろん、勝利という結果を求めてのことなのですが、他のスポーツではあまりないことなので衝撃的でした。

『EOTO』でも3月にチームが結成してから、すでに1名の選手変更が行なわれました。私たちも勝利の為に必要な決断でしたが、結成メンバーの一人で、直接お会いして関係を築いていただけに、やはり選手交代の判断は心苦しいものがありました」(永田さん)

チーム運営には、コーチやマネージャー、そして本人の意思による決定が行われることも多いのもeスポーツの特徴だという。

さらにeスポーツのプロシーンでは10代後半~20代前半の選手がトップ選手として活躍をする。にも関わらず彼らの選手生命は2~3年というのが一般的だ。

「この業界を勉強していくと、彼ら彼女らの人生のキャリア形成において引退後の活躍の場が少ないことが印象的でした。EOTOでは所属する選手やストリーマーには映像制作の技術を身につけてもらい、引退後のキャリアについてもお手伝いできれば考えています」(永田さん)

その思いから永田さんは2025年夏頃を目標にeスポーツ選手や配信者のセカンドキャリアに向けたクリエイタースクールの開設を予定している。

「映像の撮影や編集技術を学べるスクールです。それまでゲームプレイや配信に携わっていた方々にとっても身近なジャンルですし、映像制作技術はいつの時代も需要があります。選手や配信者を引退した後も、その業界に身を置いて活躍できるような体制を整えてあげたいと考えています。スクールの生徒は、EOTOの所属の有無に限らず募集する予定です」(永田さん)

今後、EOTOではクリエイティブの世界に興味があるVTuberや配信者を集め、マネジメント事務所を運営することも視野に入れているという。

華々しい面が強調される一方で、セカンドキャリアが軽視されるeスポーツや配信者界隈。EOTOの活動が身を結ぶことを心から願いたい。

取材・文/峯亮佑

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