
環境活動家で株式会社HOKULEAの代表・森慧太郎さんが主宰するウェルネスイベント『suiren SPRING / SUMMER 2025』が、5月31日に東京・SUNSET PARK CLUBで開催される。住所非公開のルーフトップ施設で行われる同イベントは、都市の屋上でヨガ・アート・音楽・サウナ・プールを楽しめる贅沢なウェルネスフェスティバル。“ととのい”と“ひらき”を体感することができる。
森さんは『suiren SPRING / SUMMER 2025』を開催するまでに、学生コミュニティでのイベント企画や、自治体と連携した環境イベントの開催も行っている。今回は森さんに、イベントを通して社会課題に興味・関心を向けるための仕組みづくりや、今後の展望などを聞いた。
学生コミュニティ『HOKULEA』から環境活動もスタート ゴミ拾いのイメージを変え“クリーンアップに”
森さんは2年間の浪人生活を経て、2018年に青山学院大学地球社会共生学部に入学。浪人時代に「自分は何ものなんだ」と悩んだことから、大学では「“自分は何ものか”を見つける」と決意し、「何かしらしないとけない」と自身にミッションを課した。
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そんな森さんは、大学時代にアルバイトを掛け持ちしながら14個ほどのさまざまな業種のアルバイトを経験し、世界59か国を旅してまわる。コロナ禍に入ると、交流の場がなくなってしまった学生たちが集える場所として学生コミュニティ『HOKULEA』を立ち上げた。『HOKULEA』は1000人規模で集まるコミュニティに成長し、2023年の大学卒業を機に法人化した。
現在はウェルネス視点や環境視点からイベントの企画や開催を行っている森さん。通常では興味を持ちにくい分野でも、“仕組み”を変えることでスポットライトを当て、多くの人の関心と興味を引く。こうした方法は『HOKULEA』での活動を通して身につけていった。
――学生が集まって楽しむイベントから、環境やウェルネスイベントに発展していったのはどういう流れなのでしょうか。
株式会社HOKULEA代表・森慧太郎さん(以下、森)「『HOKULEA』では、定期的にサーフィンイベントを開催したり、登山やキャンプをしたり、都内のクラブを貸し切ってハロウィーンやクリスマスなどのイベントをしていました。僕たちは海が好きだし山が好き。海や山にすごく楽しませてもらっている。また、僕が地球社会共生学部だったこともあり、自然に楽しませてもらっているからこそ 自然に還元というか、環境に良いこともしていきたいと思うようになりました。そこで思い立って、『HOKULEA』のメンバーとビーチクリーンを始めました」
――清掃活動がここから始まったのですね。
森「最初はビーチクリーンから始めましたが、それから僕の活動拠点は渋谷だったので、渋谷でイベントの場所を借りた時にゴミ拾いを始めました。2年半以上、今でも毎週クリーンアップは続けていますが、自身で主催してゴミ拾いを行いながら、さまざまなNPO法人や団体が主宰しているゴミ拾いイベントにも顔を出していました。そこで気がついたのですが、そういう活動をしている団体は年齢が上の世代のコミュニティばかりだったんです。若い子に『今からゴミ拾いやらない?』って聞くと、彼らも『上の世代や、まじめな人がやるものだ』と答えていました」
――イメージが定着してしまっていたのですね。
森「でも僕は、イメージを変えればいいのだと思いました。例えば最近はサウナが流行っていますが、もともとサウナは年配の方がやる娯楽のイメージでしたよね。でも最近は“ととのう”というキーワードで、若い人の流行りになっている。キャンプも野営みたいなイメージから、今はオシャレなイメージになっている。だったら、『ゴミ拾い』というものを僕なりにイメージを変えることができたら 若い人も取り組むようになるし、継続もできるようになるんじゃないかと思いました」
――ゴミ拾いのイメージを変えるために何をしましたか。
森「まず『HOKULEA』の中で環境コミュニティを作りました。大学生が毎週クリーンアップする『クリーンアップコミュニティ』を作って、インスタグラムで発信しました。カメラマンを入れて“クリーンスナップ”みたいな感じで、ゴミ拾いをしている姿のスナップ写真をカッコよく撮りました。それから僕たちは『ゴミ拾い』とは言わずに、あえて『クリーンアップ』という名前を使おうと決めて、イメージを変えていきました」
――見せ方で随分変わりますね!
森「僕はイメージと同時に、『仕組み』が重要と思っているんですね。仕組みをうまく利用すれば、クリーンアップに関心のない方も参加してくれるんじゃないかと。僕が実際に渋谷のいろんな場所でクリーンアップをしていて思うのは、渋谷のゴミの多いエリアはクラブの周りなんですね。クラブカルチャーが好きな子に『クリーンアップしよう』と誘うと、『まあ……いいや』みたいな感じで興味や関心がない。僕はクラブを借りてイベントを開催している側だったので、クラブ好きやパーティー好きな人は集められるわけです。だったら、次のパーティーの参加条件として、『パーティーの前に僕と一緒にクリーンアップしよう』と提案すると、彼らが環境活動にも参加してくれるようになりました。『クリーンアップしないとこのパーティー入れないよ』という仕組みを作ったんです」
――仕組み化することで環境活動に巻き込んでいけたのですね。
森「そうですね。こうした取り組みを『クリーンパーティー』という名前で7回ぐらい行いました。ただクリーンアップをするだけじゃなくて『渋谷をジャックしよう』と思い、皆でドレスコードを決めて、ブラックやホワイトなど統一した格好をして、渋谷のハチ公に集合しました。クリーンアップして、その後はパーティーで楽しむ。ゴミ拾いのイメージを変えるために、こういう流れをパッケージ化しました」
――参加者の反応はいかがでしたか。
森「クリーンアップをしてくれた方の85%ぐらいがアンケートに記入してくれたのですが、そのほとんどがクリーンアップ未経験者でした。それがまず面白いなと。今後も自分でクリーンアップをするかという質問には、『今後自分でするかは分からない』と正直な回答がありました。ただその回答も『今後、ゴミを捨てることはもうやめる』と続いていて、意識が変わっていくのは分かりました。ゴミ問題の根本は、ポイ捨てしている人がいるからなんですよね。ポイ捨てしている人が『ポイ捨てしないようにしよう』と思ってくれたことは、ゴミ問題の根源的な解決の1つになるなと思いましたし、活動の意義をすごく感じました」
学生コミュニティの活動に自治体も共鳴 渋谷区でCity Green Fes.
――渋谷区とは2024年にCity Green Fes.も開催していますね。
森「そうですね。僕たちの活動を商店街の方が見てくださっていて、お声がかかりました。今までゴミ拾いをしていたような世代ではない若い子の集まりで、しかも社交的でエネルギッシュなメンバーがゴミ拾いをしていたので、商店街の人もびっくりしていました。そこで、『渋谷区のKITAYA PARK でイベントをしてほしい』と依頼いただき、若い人も集まる環境イベントをすることになりました。僕なりにエシカルを再定義した楽しいイベントをしようと思って、『エシカル×エンターテインメント』としてCity Green Fes.を開催しました」
――フェスではどんなことをしたのですか?
森「これまで僕がいろんなエシカルのイベントに参加して思ったのは、まじめな方たちがスーツ姿でトークセッションしていて、マルシェがあるようなイベントばかりでした。僕はヨガのイベントを入れたり、DJを呼んで音楽入れたり、あとはパークシネマとして映画を上映したり。マルシェも入れましたし、サステナブルな暮らしなど各分野の著名人やスペシャリストによる衣食住をテーマにしたトークセッションも行いました。とにかく、いろんなコンテンツを入れたかった」
――エシカルに寄り過ぎず、幅広いイベントにしたのですね。
森「ヨガや音楽、マルシェなどのイベントがエシカルの経済圏で行われたら、エシカルに興味のない人も、自然とエシカルに触れることができます。何も知らない人が『何かエシカルってワード、面白いな』と思ってくれるかもしれない。エシカルという名前だけでも持って帰ってもらえればと思いました。それから、僕は参加者も主催者も関係なく“一体感”みたいなものをすごく意識しているので、『イベントの前には皆さんでクリーンアップしましょう』と提案し、主催者も参加者も全員が1回街に出て、渋谷でゴミ拾いをしました」
今後は日本の文化・伝統を発信する活動も「日本はすごく強いもの持っている」
豊富なコンテンツがある『suiren SPRING / SUMMER 2025』
――こうした環境イベントの経験が『suiren SPRING / SUMMER 2025』にも影響しているのでしょうか。
森「イベントの経験としてはもちろん影響していますが、実は『City Green Fes.』と『suiren SPRING / SUMMER 2025』は別ものと考えています。『City Green Fes.』は渋谷と地域密着型のエシカルフェスで、基本的にはどんなお客さんでも参加できるようなイベントです。
『suiren』は、身体と心を整えるマインドフルネス・プラットフォームで、ヨガや瞑想、アート、サウンドヒーリングなど、さまざまなアプローチを通じて“本来の自分”に還るための空間を創造するものです。僕が積極的に動いて指揮をとっていきますが、海外の方にも来てもらいたいとも思っています。洗練されたものとして、1つ1つブランディングをして、そのブランドに価値を感じてくださる方に参加していただく形です」
――確かに、今回の『suiren SPRING / SUMMER 2025』も会場の住所は非公開ですし、誰でも自由に参加する形ではありませんね。
森「『suiren SPRING / SUMMER 2025』はタイの『Wonderfruit Festival』の日本版をイメージしています。住所非公開の都心でゆったりできる場所で、植物やプールもあり、コンテンツとしてはヨガ、瞑想、ランニング、耳つぼやタロットなんかもある。植物由来のプロダクトも用意しています。いわゆる“アーリーアダプター(※新製品やサービスを比較的早い段階で採用する層)”じゃないですけど、そうした内容に関心のある方に合わせて場所や値段も設定しています。その分、プレミアムで贅沢な、非現実的な1日を創出します。
また今回は『SPRING/SUMMER=SS』ですが、今後は『AUTUMN/WINTER=AW』も考えています。AWでは藍染めや金継ぎ、刺し子など、日本の伝統工芸的も取り入れようと思っています。日本のコンテンツをマルシェやワークセッションに入れたいです」
――『suiren』を通して日本の伝統芸能も発信していくのですね。
森「社会事業とは別に、僕は日本人であり日本育ちなので、日本文化や伝統もちゃんと伝えていきたいです。今は海外の人たちがプロデュースして海外の人たちが日本に集まっていることも多く、日本人がプロデュースしていない場合もある。和のカルチャーがすごく流行っているということは、日本はやっぱり本物というか、すごく強いもの持っていると思います。これをあまり世界に発信できていない気もするので、日本人が日本の良さ、強み、風土、文化伝統を、世界に、そして日本にも伝えていこうと思っています」
――今後の展望や目標を教えてください。
森「エシカル、ウェルネス。そして日本文化・伝統というものを、プレイヤーとしてもプロデューサーとしても発信し、創っていきたいです。すごくシンプルな話ですが、『人にプラスを与えるもの』にお金はついてくると思います。むしろ、そこについてこないといけない。なぜか今の世の中は、(課題のある分野に)スポットが当たっていないこともたくさんあって、ちっちゃくまとまっちゃっている感じがするんですね。さらに言うなら(課題を)ネガティブに捉えている人もいる。そういうものをプラスに変えて、かつ大きいものにしていきたい。僕はやります!」
取材・文/コティマム
◎『suiren SPRING / SUMMER 2025』イベント情報◎
開催日時:5月31日(土)9時~21時
場所:SUNSET PARK CLUB (住所非公開ルーフトップ)
○チケット販売サイト(会場の住所や詳細はチケット購入後に案内されます)
【モーニングセッション(9:00~12:30)】
呼吸と身体を整える朝の時間。以下の中から選べます。(RUNとMEDITATIONはどちらかになります)
・YOGA -Beats with Breath(9:00~10:15)
インストラクター:Kenji Kureyama(@kj0629)
・RUN -皇居1周 Morning run(11:00~12:15)
インストラクター:Masami Yamamoto(@masami_macho)
・MEDITATION -MINDFUL SESSION(11:00~12:15)
インストラクター:PARISA(@parisakanno)
【デイ&ナイトセッション(13:00~21:00)】
開放的な屋上空間で、自分の感覚に身をゆだねる時間。
・プール
・テントサウナ
・アイスバス
・ Outdoor: KEEN @keen_japan
・ Outdoor towel: @nomadixco
・ Swimwear: RESELVES @reselves2017
・ Motivation Brand: Life Design Club @lifedesignclub.jp
・ Frankincense: Nu Frankincense @nu_frankincense
・ Tarot: hyrax @hyraxconey78
・ Ear therapy: ear therapy by breal journey @sakiemon_jewelry
・ Water: マイプラスウォーター @mypluswater
・ Energy drink: penta CRAFT NATURAL ENERGY @penta.hme
・ Cocktails: TENCUPS @tencupslounge
・ Ice cream: eclipseco @eclipsefoods_jp
・ Mezcalería : Mezcalería Colibrí メスカレリア コリブリ @mezcaleria_colibri
・Fruits: Bonchi @bonchi_official
・ Hamburger: the Good Vibes @thegoodvibes_vehicle
・ Hair care: SOLAMY(ソラミー) @solamy_official
【チケット】※全チケット1ドリンク付き・事前予約制
● 1セッション券|¥5,500
以下のいずれか1つ
- モーニングセッション(ヨガ・ラン・瞑想のいずれか)
- 午後からの入場(13:00以降のイベントに参加できるパス)
● 2セッション券|¥9,800
以下のいずれか2つの組み合わせ
- モーニングセッションを2つ受講
- モーニング1つ+午後からの入場
※自由な組み合わせOKのお得なセット
● プレミアムチケット|¥14,800
モーニング2セッション+午後からの入場+ノベルティ(豪華賞品付き)
■スポンサー: KEEN
【SUNSET PARK CLUB】 @sunsetpark_club
東京の中心にありながら、喧騒を忘れさせるプライベートなルーフトップオアシス。
住所非公開・会員制の特別な空間で、五感を解放し、深いリラクゼーションへと誘います。
プール・サウナ・焚火など、充実したコンテンツを楽しみながら、ここでしか味わえない特別な体験をお届けします。
【suiren】 @suiren_jp
身体と心を整える、マインドフルネス・プラットフォーム。
ヨガ、瞑想、アート、サウンドヒーリングなど、多様なアプローチを通じて、本来の自分に還るための空間を創造します。