
LIXILが総代理店に
台湾発のロボット掃除機ブランド「HOBOT」が、最新モデル「HOBOT-S7 PRO」を日本市場向けに正式投入した。日本国内での販売とサポートは、住宅設備大手のLIXILが総代理店として担い、全国規模での展開が始まっている。
2025年4月2日からHOBOTの総代理店を始めた理由として、LIXILは窓のメーカーとして定期的なメンテナンスの重要性を感じていた。しかし、住む人と自然との心地よい接点を作るための窓掃除が面倒で1年に1回しかできていない、もっと間隔が空いてしまうという声があった。これを解決して、日本の四季折々の綺麗な景色を窓から見てもらいたいという思いから、窓拭きロボットの事業をスタートしたという。自動掃除ロボットHOBOTは日本も含めて世界40カ国以上に販売実績がある台湾のHOBOT Technology Incの製品である。同社は2010年に設立され、最先端技術を投入した製品作りで業界のリーダーとして認知されている。
新型の「HOBOT-S7 PRO」は予想実勢価格約6万円で7月以降発売予定
(Photo H002)
自動運転を開始する「HOBOT-S7 PRO」。これは窓の外側での運転音で、窓の内側ではもう少し小さな音になる
内側から見ると往復運動するクリーニングクロスの動きがよく分かる
毎分600回の往復拭き
「HOBOT-S7 PRO」は、デュアルクリーニングクロスを毎分600往復させ乾拭きと水拭きの両方に対応して、窓のほこりや汚れを効果的に除去できる。専用洗剤の入った水を15μmの細かいミストにしてガラスに水の跡を残さず洗浄する。専用特許のエッジ空気漏れバンパーセンサーELBが窓ガラスの隙間を検知して、より安全で信頼性の高い窓拭きを実行してくれる。これにより、ガラス以外のシームレスミラー、キャビネットなどの拭き掃除にも対応する。落下の危険性は少ないが、長さ4.5mの安全ロープが付属、DC電源コネクタには延長可能な4mのコードが付属する。万一、停電した場合は本体に内蔵した電源システムで20分間は窓への吸着を続け音声アラートを発する。
加えて本機は最初に水平、次に垂直のジグザグルートで窓拭きをするようプログラミングされ、磨き残しのないルートを確保する。40%に拡大された吸引面積と強化された密閉構造により、吸引力は4800Paに達し、本体をしっかりと垂直面に固定できる。ここにも数々の特許技術が使われている。ノイズレベルは掃除機並みで約70dBあるがデバイスに音を誘導して、下から聞くと音を感じにくい設計を採用した。
LIXILが日本市場における総代理店となったことで、家電量販店やオンラインストアに加え、住宅設計の提案段階からHOBOT製品が選択肢に加わる可能性も広がっている。家庭用窓拭きロボットは高所や広面積の窓の清掃において時短家電として注目されている。今後は窓以外の場所への応用や住環境の快適性の向上を視野に入れた展開がみられるだろう。
まずクリーニングクロスを貼り付ける。四隅にある穴は空気漏れを感知するELBのためのもの
デュアル超音波スプレーのノズル部分。最適化されたノズルの配置角度でスポットでミストを出し拡散を最小限に抑える
コードを接続して、電源スイッチを入れて窓ガラスに押し付けると自動的に窓拭きをスタートする
内側からだと2ヵ所で空気を吸って、2ヵ所のキャタピラで窓を拭きながら移動する様子がみられた
専用のリモコンからも操作できる。また専用アプリからも操作、設定変更などができる
「HOBOT-R3」はハイコスパな小型モデルで2基の回転パッドが強力な洗浄力を発生させる
写真・文/ゴン川野