都心のオアシスでウェルネスの祭典「suiren SPRING/SUMMER 2025」開催、世界59か国を旅した若き起業家が提案する〝身近なウェルネス〟とは?
2025.05.23
都心で忙しく働いていると、深いリラクゼーションや自然との繫がりを忘れがちになる。ウェルネスな生活が「自分とは程遠いこと」と思っている人も多いが、実はウェルネスはもっと身近に体験できるのかもしれない。
環境活動家で株式会社HOKULEAの代表・森慧太郎さんが主宰するウェルネスイベント『suiren SPRING / SUMMER 2025』が、5月31日に東京・SUNSET PARK CLUBで開催される。住所非公開のルーフトップ施設で行われる同イベントは、都市の屋上でヨガ・アート・音楽・サウナ・プールを自由に楽しみながら、“ととのい”と“ひらき”を体感する1日限りのウェルネスフェスティバル。今回は森さんに『suiren SPRING / SUMMER 2025』の魅力や、同イベントに込めた思い、イベントを開催するまでの歩みを聞いた。
浪人時代に悩んだ「自分は何ものなんだ」 大学では『HOKULEA』を立ち上げ
森さんは2年間の浪人生活を経て、2018年に青山学院大学地球社会共生学部に入学。両親の影響でアウトドアや自然との触れ合いが好きだったことから、入学後にサーフィンを始めた。大学にはサーフィン部がなかったためライフセービング部に入部し、福島・いわき市の浜で活動するように。さらにアルバイトを掛け持ちしながら資金を貯め、世界59か国を旅してまわった。こうした活動から得た経験が、のちの株式会社HOKULEAとなる学生コミュニティ『HOKULEA』の立ち上げにつながっていく。森さんが精力的に大学生活を過ごしたのは、浪人期間の2年間が影響しているという。
株式会社HOKULEA代表・森慧太郎さん(以下、森)「浪人2年目の時に、『自分は何ものなんだ』と悩む時期がありました。中学、高校も、友達と一緒にいたから楽しかったけど、『自分がいてもいなくても、変わらないんじゃないか』みたいな、そういう問いが自分の中にあって。そこで僕は『大学に入ったら、“自分は何ものか”を見つける”と決めました。ひとつのジャーニーというか、(人生の)旅をしなきゃいけないんだなと思ったんですね。それからせっかく生きているんだったら、やっぱり『何かしらしないとけない』という、そういう役割なのかミッションを、勝手に自分に課しました」
この浪人時代に決めたミッションをきっかけに、森さんはさまざまな業界や世界を知る“ジャーニー”に出る。
森「ライフセービング部も『社会に貢献できるかもしれない』と思いましたし、それと同時に、僕は何も知らないからこそ、まずはいろんなものを見て、聞いて、世界を知らないといけないと思いました。例えばバイトは当時、14、5個ぐらいして、掛け持ちしながらいろんな業界を見ました。バーテンダー、飲食業、アパレル、キャッチ、引っ越し業、家庭教師、ジム、イベントスタッフ。あとは鰻屋さん。とにかくたくさん業界を見ました。『世界も知らないと』と思い、20歳から定期的に1人旅を始めました。気づけば59か国行っていましたね」
大学3年生の時に新型コロナウイルスが猛威をふるった。授業はオンラインとなり、人と接することができなくなってしまう。森さんは、コロナ禍で入学を迎えた新入生たちが外に出られず、友達を作る場もないことを知る。
森「青山学院大学地球社会共生学部は絶対に留学に行かなければいけなくて、当時僕はタイに行っていました。本当は6か月滞在の予定が、コロナで3か月しかいられなくて帰国したんですよ。コロナですごく時代が移り変わるような感覚もありました。その頃から『結局、みんな何が欲しかったのかな』『何を欲しているのかな』と考えるようになりました。コミュニケーションは別にオンライン上でもできるじゃないですか。でもみんな、飲み会をしたがっていて、『人と会いたい』という思いがある。
僕が大学1、2年生の時はいろいろな場所に行けたのに、新入生たちは出られない。僕がそういう方たちに向けて、集まって楽しめるような場を作りたいなと思ったんです。サーフィンは他の人たちからも『やりたい』という声を聞いていて、でもやれるような場がなかった。そのサーフィンを軸として交流できるような場を作りたいなと思ったんですね。そこから学生コミュニティの『HOKULEA』を立ち上げました」
HOKULEAはハワイ語で「喜びの星」という意味を持つ。さらに「HOKULEA号」というカヌーの名前でもある。
森「HOKULEA号は自然の力だけで進むんです。星を見て、風を見て進んでいく。自然と一緒になって突き進んでいく、自然と繋がって動いてくというのがいいなと思って。僕は喜びを提供するために『交流の場』を作りたかったので、コミュニティを『HOKULEA』と名づけました」
2020年に立ち上がった『HOKULEA』は、定期的にサーフィンイベントを行い学生が集まるように。翌21年には会費で運営する会員制に発展し、大学を縛らずに多くの学生が集まるようになった。イベントも山登りやキャンプなど種類が増えていき、都内のクラブを貸し切ってのハロウィーン、クリスマス、成人式、卒業式も開催するように。早稲田、慶応、上智など幅広い学生が1000人規模で集まるコミュニティに成長した。その後、ビーチクリーンやクリーンアップ(ゴミ拾い)など環境コミュニティも作られ、自治体を巻き込んでのクリーンフェスなども開催された。森さんは大学卒業と同時に『HOKULEA』を法人化し、現在は環境やウェルネスイベントを開催している。
タイで出会った『Wonderfruit Festival』から刺激「男性も女性も関係なく楽しめる」
学生時代からさまざまな業界や世界を渡り歩き、数多くのイベントを立ち上げてきた森さん。今回初開催となる『suiren SPRING / SUMMER 2025』も、これまでに見てきた世界から影響を受けている。
森「活動に一番影響を与えた国や旅は、ウェルネスで言うとインドですね。それからタイ。特にタイで見た『Wonderfruit Festival』という野外音楽イベントは『suiren SPRING / SUMMER 2025』のモデルになっています。僕は2024年の冬に行ったのですが、『Wonderfruit Festival』はパタヤの近くで毎年冬に行われるフェスで、今年で10回目。ウェルネス、ネイチャー、サウンドという3つをコンセプトにしていて、『世界一サステイナブルなフェス』と言われています。ヨーロッパやアメリカなど世界中から人が集まるイベントです」
『Wonderfruit Festival』では、音楽やアート、ウェルネス、ワークショップなどのテーマで、世界中から集まったアーティストたちによるワークショップや展示販売が行われる。サスティナビリティを大切にしており、会場やステージ、建築物、アート・インスタレーション、販売ブースには現地で調達した竹を使用。プラスチックカップは使用せず再生紙を使用した紙カップが提供され、フードブースで使用する容器は、自然に還元される生物分解性の素材を使用している。
『Wonderfruit Festival』から刺激を受けて『suiren SPRING / SUMMER 2025』を企画
森「僕はそのエシカル環境に興味を持って行きましたが、ハッとさせられたのは、男性も女性も関係なく楽しめること。日本は『ウェルネス』というとキレイにまとまっていて、『美しくキレイに』というイメージですよね。女性を意識したものが多いというか。でもこのフェスでは、男性も女性も関係なくヨガや瞑想、アートセッション、ワークセッションをして、サウンドを聞いている。すごくエネルギッシュさを感じたんです。男性の僕でもすごく楽しくてカッコイイと思えました。だから、男性視点でカッコよく見せられるようなウェルネスの業界も作ることができるんじゃないかと、このフェスを見た時に刺激を受けました」
“概念的な自然”を取り入れることは都心でも可能 ウェルネスは「意外と近くにある」
『suiren SPRING / SUMMER 2025』が開催されるSUNSET PARK CLUB
『Wonderfruit Festival』にインスパイアされた森さんは、身体と心を整えるマインドフルネス・プラットフォーム『suiren』を立ち上げた。『suiren』ではヨガ・瞑想・アート・サウンドヒーリングなど、さまざまなアプローチを通じて、“本来の自分”に還るための空間を創造する。『suiren=水蓮』について森さんは、「都心の場でオアシスみたいなもの。水っぽいイメージを考えた」と語る。
森「インドの方から聞きましたが、水蓮はいろいろな花びらの上に柱頭がある。『蓮は1枚の花びらが重なり合ってできるからこそ華やかになるんだよ』と聞いて、インドや仏教、ヒンドゥー教でも水蓮は価値のあるものになっているようです。あとは日本の名前を使いたかった。僕は『Wonderfruit Festival』みたいなイベントを日本でやりたいと思ったので、日本の名前で、お花で、オアシスみたいな要素がある『水蓮』という名前にしました」
『suiren』で開催される初のイベント『suiren SPRING / SUMMER 2025』。都心の屋上でヨガや瞑想、ランニング、プール、耳つぼなどさまざまなコンテンツを楽しむことができる。
森「ヨガだけじゃなくて瞑想も、アートも、サウンドも、いろんなワークセッションも入れたいっていう、いろいろな花びらのような多角的なコンテンツを入れた上で、自然と繋がっているイベントにしたい。自分の本質を見抜けるみたいな、そういう多角的な体験コンテンツで、悟りを切り開くようなイメージがあります。『どこ行こうかな』と、いろんな所でいっぱいコンテンツがやっている祭典にしていきたい。それが『suiren』のイメージです。
参加してくださる皆さんには、『ウェルネスってこんなにカジュアルでいいんだよ』『これもウェルネスなんだよ』って知ってもらいたくて。特に男性はウェルネスから距離がある人もいると思うので。実はサウナもウェルネスだし、プールもウェルネス。深呼吸して『これ気持ちいいな、楽しいな』って思っているこの時間もまたウェルネスなんじゃないのかって。 まず『カジュアルなんだよ』『意外と近くにあるんだよ』というのを知ってもらいたいです。
都心で開催する理由は、やっぱり疲れている方が多いじゃないですか。疲れている人は“概念的な自然”を失ってしまっている。実際に自然がある場所に行くのが分かりやすいですが、瞑想で“概念的な自然”を取り込むことはできます。瞑想することで“繋がっている感覚”を持つことができて、自然本来のことを感じ取る。これは都心でもできますよね。なので、すごく忙しく生きている方や都心に住んでいる方にぜひ来ていただいて、都会のオアシスを感じて貰いたいです」
記事後編では、森さんが『HOKULEA』を通して行った環境イベントや『suiren SPRING / SUMMER 2025』の今後の展望などを紹介する。
取材・文/コティマム 撮影/
◎『suiren SPRING / SUMMER 2025』イベント情報◎
開催日時:5月31日(土)9時~21時
場所:SUNSET PARK CLUB (住所非公開ルーフトップ)
○チケット販売サイト(会場の住所や詳細はチケット購入後に案内されます)
【モーニングセッション(9:00~12:30)】
呼吸と身体を整える朝の時間。以下の中から選べます。(RUNとMEDITATIONはどちらかになります)
・YOGA -Beats with Breath(9:00~10:15)
インストラクター:Kenji Kureyama(@kj0629)
・RUN -皇居1周 Morning run(11:00~12:15)
インストラクター:Masami Yamamoto(@masami_macho)
・MEDITATION -MINDFUL SESSION(11:00~12:15)
インストラクター:PARISA(@parisakanno)
【デイ&ナイトセッション(13:00~21:00)】
開放的な屋上空間で、自分の感覚に身をゆだねる時間。
・プール
・テントサウナ
・アイスバス
・ Outdoor: KEEN @keen_japan
・ Outdoor towel: @nomadixco
・ Swimwear: RESELVES @reselves2017
・ Motivation Brand: Life Design Club @lifedesignclub.jp
・ Frankincense: Nu Frankincense @nu_frankincense
・ Tarot: hyrax @hyraxconey78
・ Ear therapy: ear therapy by breal journey @sakiemon_jewelry
・ Water: マイプラスウォーター @mypluswater
・ Energy drink: penta CRAFT NATURAL ENERGY @penta.hme
・ Cocktails: TENCUPS @tencupslounge
・ Ice cream: eclipseco @eclipsefoods_jp
・ Mezcalería : Mezcalería Colibrí メスカレリア コリブリ @mezcaleria_colibri
・Fruits: Bonchi @bonchi_official
・ Hamburger: the Good Vibes @thegoodvibes_vehicle
・ Hair care: SOLAMY(ソラミー) @solamy_official
【チケット】※全チケット1ドリンク付き・事前予約制
● 1セッション券|¥5,500
以下のいずれか1つ
- モーニングセッション(ヨガ・ラン・瞑想のいずれか)
- 午後からの入場(13:00以降のイベントに参加できるパス)
● 2セッション券|¥9,800
以下のいずれか2つの組み合わせ
- モーニングセッションを2つ受講
- モーニング1つ+午後からの入場
※自由な組み合わせOKのお得なセット
● プレミアムチケット|¥14,800
モーニング2セッション+午後からの入場+ノベルティ(豪華賞品付き)
■スポンサー: KEEN
【SUNSET PARK CLUB】 @sunsetpark_club
東京の中心にありながら、喧騒を忘れさせるプライベートなルーフトップオアシス。
住所非公開・会員制の特別な空間で、五感を解放し、深いリラクゼーションへと誘います。
プール・サウナ・焚火など、充実したコンテンツを楽しみながら、ここでしか味わえない特別な体験をお届けします。
【suiren】 @suiren_jp
身体と心を整える、マインドフルネス・プラットフォーム。
ヨガ、瞑想、アート、サウンドヒーリングなど、多様なアプローチを通じて、本来の自分に還るための空間を創造します。