
推しのぬいぐるみと一緒に旅行したり撮影したりする「ぬい活」が流行し、子供のおもちゃという価値観から「推しメン」「癒しの存在」「最高の親友」という存在にたどり着いた感のあるぬいぐるみ。
今、さらに進化を遂げ、単なる「カワイイ」を超えた『機能性ぬいぐるみ』として大人たちの日々の疲れを癒す存在になっている。
猫背矯正にエクササイズ効果も!
たとえばこちらは、「猫背なあなたを支えるぬいぐるみ ふんばるず」。
机とお腹の間にぬいぐるみを挟むことで、ついつい前のめりになってしまう姿勢をサポートし、自然と背筋が伸びるというスグレモノ。
キュートな動物タイプの他、「ちいかわ」や「ムーミン」コラボのアイテムを始め、1.4倍のビッグサイズも。さらには電子レンジで繰り返し温められるビーズ袋が入った「ふんばるずウォーマー」も登場し、機能的でありながら机から落ちないようにふんばる姿にも癒される人気アイテムだ。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000406.000026206.html
そしてこちらは、太ももの間に挟んでエクササイズができる『MUGYUUUS(むぎゅーず)』。
デスクワークが多い方も気軽に内転筋や骨盤底筋を鍛えることができる、ぬいぐるみ兼かわいいトレーニングアイテム。
重量420gと程よい重さが長続きできるちょいトレをサポート。座りっぱなしで運動不足が気になっている方も癒やされながらトレーニングに励むことができる。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000432.000026206.html
こちらもトレーニングができるぬいぐるみ「ブーブーのおしりにぎり」。ウォーターボールが入っているぬいぐるみをにぎにぎすることで、手や指先の運動、ストレス解消になるという。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000091.000091783.html
そしてこんなアイテムもある。
赤ちゃんや幼いペットの短い期間にしか体験できない幸せなしぐさを再現した、世界初の甘噛みロボット「甘噛みハムハム」。
口元に指を入れると、ハムハムしたり、カミカミしたり、さまざまな動きで甘噛みをするという。魅惑の心地よさをいつでも味わえるロボットぬいぐるみとして話題になっている。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000220.000015618.html
ぬいぐるみは今や愛でるだけのものではなく、ストレス発散のアイテムでもあり、仕事中にこっそり筋トレできる機能性さえも持ち合わせているのだ。
ずっしり重い2kg、〝生きた動物〟のような機能性ぬいぐるみが登場
さらに今年、ペットを飼いたいけど飼えない方のために誕生した『生きた動物』のような機能性ぬいぐるみが登場した。
本物の生き物のようにずっしり重い2kgのぬいぐるみ『omonui おもぬい』。
フワフワで軽いイメージのぬいぐるみに2kgの重さを与えることで、愛するペットに抱きつかれているような感覚を味わえるという。
これまでなかった重みのあるぬいぐるみはなぜ生まれたのか?今回、開発した株式会社プレーリードッグの大石さんに話を聞いた。
――2kgのぬいぐるみを開発しようと思ったきっかけを教えてください
「もともと動物好きなのに動物アレルギーで、尚且つぬいぐるみが好きだったことがきっかけです。動物と暮らしたいけれど体質的に合わず、もどかしい思いがあったんです」
「もちろん、ぬいぐるみも心を満たしてくれる素敵なアイテムですが、動物と比べるとやはり物としての側面を感じてしまいますし、AIを搭載したペットロボットは高価格帯でロボット特有の硬さも気になる。そんな時、ふと自分が学生時代に行なっていた布と重りを使った実験を思い出しました」
――布と重りの実験とは?
「視覚的な重さのイメージ(大きさや素材感)と実際に手に持った重さの認識の違いがどのような感覚の差を生むのか?といった実験です。これを応用することで、今までにない、より生き物の感覚に近いぬいぐるみができるかもしれないと思い開発を始めました」
――重さが2kgになった理由は?
「社内で行った実験で決定したのですが、1kgは軽すぎて持った時の「重っ!」という驚きがなく、逆に3kgは重すぎてずっと抱っこしていると疲れてしまいます。抱えた瞬間の重さへの驚きと、ずっと一緒にいても苦しくならないちょうどいいバランスを探った結果が2kgという重さでした」
さらに、様々なぬいぐるみの重さを調べて検証し、重量にまつわる人間の心理や感情の変化に関する論文を参考に企画を進めていったという。
ところで2kgといえば2リットルのペットボトルと同じ重さだが、ぬいぐるみの中には実際のところ何が入っているのか?
「実はそこが『omonui』にとって最も重要なポイントになるため公開はしていないんですが、綿と重りの量をグラム単位で調整し、絶妙な重量感を実現しています。安全性については問題のない素材ですのでどうか安心してご使用ください」
重さと表情にこだわることで生まれたかつてないコミュニケーション
『omonui』のコンセプトは、「大人のために開発した大人が欲しい癒しのパートナー」。
ストレス社会に生きる大人たちにこそリラックス効果を感じてもらいたいという。
――開発でこだわった点を教えてください
「特にこだわったのは「重さのバランス」と「表情」です。最初は1箇所にまとめて重りを入れていましたがバランスが悪く、重たい布の塊のような印象になっていました。そこから重りを全身に細かく分散させ、バランス良く重さが出るように試行錯誤しました」
「その結果、ぬいぐるみ自身が体重をこちら側に預け、まるで本物の動物が甘えているかのようなコミュニケーションを味わえる、今までにないぬいぐるみを作ることができました」
「また、表情はあえて特定の感情が出ないように意識してデザインしています。笑顔が印象的なぬいぐるみも巷には多いですが、今回目指したのはお互いのコミュニケーションを生むこと。そこであえて人間側がomonuiの感情を想像しやすい「隙」を生むことを意識しました」
動物ならではの可愛さと、ぬいぐるみならではの魅力。双方の絶妙なバランスこそ、大人が手にしやすいデザインの真骨頂だ。
実際に購入した方からは「夫も可愛がってくれてすっかり家族の一員になりました!」「想像以上の存在感に癒されています」と感激のメッセージが相次いだという。
さらにはこんなエピソードも。
「展示会でomonuiを体験いただいた方なんですが、最初抱っこするまでは「ぬいぐるみはちょっと…」と仰られていたんですが、抱っこした瞬間に目を見開いて驚かれ微笑んでくださいました」
「そのまま赤ちゃんを抱くようにポンポンしたり、あやしてくださって。改めてomonuiで表現したかったお互いのコミュニケーションが生まれているなと感じました」
クラファンから誕生した新感覚ぬいぐるみの新シリーズとは?
生き物のようにずっしり重い2kgのぬいぐるみ『omonui』は、クラウドファンディングで1365%のサポートを受けて商品化された。その実績からも多くの人に支持されていることが分かる。
現在、公式ストアでは「あひる・パンダ・柴犬」の3種類が販売されているが、もちろん社員にもomonuiユーザーがいるという。
「社内でも好評で実際にお迎えして家で一緒に過ごしている方も多くいます。パンダはシリーズの中でも抱き心地が特に好評で、ソファーで一緒に寝ると心地よい重さでぐっすり眠れるようです」
「あひるは市販のハンカチとリボンを組み合わせて頭巾のようなアレンジをすると、針や糸を使わずにオリジナルのおしゃれが楽しめます。ぜひお気に入りのハンカチで試してみてくださいね」
「そして柴犬はデスクワークの際に膝に乗せて、仕事中の癒しにしている社員もいます。柴犬を実際に飼っている社員は、愛犬とomonuiのツーショットを撮ったり、名前をつけて可愛がっています。色々な楽しみ方で、あなただけのomonuiとの過ごし方を見つけていただけると嬉しいです」
ぬいぐるみの概念を覆すような機能性ぬいぐるみ「omonui」。
今後、新たなシリーズの登場はあるのか?
「現在は3種類ですが、コメントで猫シリーズを販売して欲しいとのお声は多くいただきました。今後、ラインナップを増やす際にはそういったお声も反映して企画開発していけたらと思っています」
取材協力
株式会社プレーリードッグ
プレーリードッグ公式ストア
文/太田ポーシャ