
X(旧Twitter)で、株主優待を利用して毎日の食事風景をアップする「とんかつ(@ton_ka_to)さん」に、優待生活の極意や憧れのFIRE生活について、赤裸々にインタビュー敢行!
これまで投資経験がない人へのアドバイスとしては、「まずは普段利用する身近な企業の株を1銘柄買って、企業のニュースを追ってみること」、「勤めている会社に従業員持ち株制度があれば興味を持って挑戦してみること」が大事ということ、そして、「株主優待を使える気に入っているお店」や「ついつい貯めてしまう株主優待券」まで有益な言葉をいただけました。
東京在住「株主優待で毎日食べ歩く」50代男性、とんかつさんにインタビュー!
――まず、とんかつさん、どのくらいの銘柄をお持ちですか?それは優待株ばかりですか?
改めて数えてみたら170銘柄くらいでしたね。いわゆる優待がない高配当株はあまりなくて1/4ほど。全体の3/4が「優待株」でした。
優待クロス取引もしているので、年間に受け取っている株主優待の数はもっとあります。
――@ DIME読者が憧れるFIRE生活をされていますね!
いやいや……。
Xのプロフィールに「毎日食べ歩く無職」と書いているように、自分自身ではFIREとは言っていなくて「早期リタイア」のつもりでいます。FIREとは「Financial Independence, Retire Early」ですが、Financial Independence(経済的自立)ができているのか……。
配当金は年間100万円ほど。しかし、株主優待を使って食費を大幅に削減できていますよ。
株価は右肩上がりなので資産は増えていくものの、将来的にもらえる年金もあてにしています。大変なら資産の切り崩しですね。
憧れるFIREの暮らしぶり
――FIRE生活はいかがですか?Xのポストを見ると、朝、起きるのが遅いイメージですが。
はい、バレてますね。朝10時くらいに起きて、それから、どこにお昼ごはんを食べに行こうか迷います。
――優雅な生活!「南の島のハメハメハ大王」の歌詞、「朝日の後に起きてきて」みたいですね!
そうかも(笑)。
https://x.com/ton_ka_to/status/1858386534787060035
クリエイト・レストランツ・ホールディングスの株主優待が使える「町鮨 とろたく」で
昼食メニューの決め方は、今だと5月末に有効期限が来るクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)の株主優待券を使わなくちゃと思ったり、あと、基本、ミーハーなので新店舗や期間限定メニューは気になる方なので、あらかじめチェックしておいて、気になっていたお店に行ったり。
前日になんとなく決めていても、(自転車移動のため)当日の天候と相談して「今日はここに行こう」って気分で決めることも。お昼の時間が来てしまって近場で済ませようっていうこともたくさん。
――そうなんですね、Xのポストでは、新店舗も網羅されていてアクティブな印象です。お気に入りのお店をこっそり教えてくれませんか?
うーん(少し考え込む)。
https://x.com/ton_ka_to/status/1865661930138165517
チムニーの「66カフェ 飯田橋店」で
チムニー(3178)の株主優待券が使える「66カフェ 飯田橋店」はよかったかな。オムライスが有名で、一番お気に入りのメニューは「ミックスフライプレート」1,080円です。
――チムニーは100株で年間6,000円の株主優待券がもらえ、500円単位で使えるので、この食事は80円の支払いになるわけですね。
そうそう。そして、サラダも添えられているから野菜も食べられます。そして、クラブオフのクーポンで、右のキャラメルカフェオレが無料になりました。
――さすが、とんかつさん!しっかりお得ワザも使われています!
気になる経歴を深掘り調査
――毎日、桐谷さんのように外出されて食べていると、株取引にあてるトレードの時間が気になるんですが……。
株価は全然見ていなくて、トレードもしていないですよ。証券会社にログインするのもXで他の人が株安で騒いでいる時くらい。何か気になった銘柄があれば買おうかなくらいです。
あと優待クロス取引のために口座にログインすることもあるけれど、これも毎日じゃないです。
――毎日トレードしていると思っていたのでとても意外でした!!気になっていることを聞きたいんですが、とんかつさんはいつごろから株式投資をはじめたんでしょうか。
2000年くらいからだから、投資歴は25年くらい?ちょうどITバブルの頃で、私はSE(システムエンジニア)として勤務していて、自分が働いている会社で従業員持ち株制度の募集があったことがきっかけ。
自分が勤める会社の株を保有して、そこから興味を持って、自分自身で証券会社の口座も開設して売買に挑戦しました。やはり、株を買うと気になるから、そこからニュースを見たりする。決算も読んだりする。株主優待株に限らず、現物で株を保有することで興味のある分野を調べてみたりするようになるね。
――あ!ちょうどよかった。@ DIMEの読者層が30代~50代のビジネスパーソンと言われているんですが、投資初心者に「株式投資をしたい」って話をされたら、どうやってアドバイスしますか?
やはり、まずは「少額からでいい」から「現物ではじめる」こと。いきなりレバレッジをかけて勝負する信用取引ではなくて、現物取引で、経済に触れて、その企業の関連ニュースを見てみることがいいんじゃないですかね(※レバレッジをかけた信用取引では手元資金の何倍もの額の取引ができるため、リスクが大きくなり、借入金の返済が必要になることもある)。
優待株に限らず、「家の近くにあるお店で食べてみたらおいしかった、じゃあ、このお店を運営している企業は上場しているかな、株が買えるのかなと調べること」。それだけでも投資家に一歩近づけるわけです。そして、その企業が株主優待を取り入れていれば、もらった株主優待を使って食費が節約できます。
株主優待を使う生活をしていると、使い勝手のよいお気に入りの株も出てきて、例えば、イオンモール(8905)の株主優待はイオン内で使えるギフトカードで使いやすかったですよね(イオンモール株はイオンと株式交換予定、2025年2月権利まではイオンギフトカードがもらえていた)。
https://x.com/ton_ka_to/status/1667832897246728192
コーナンの株主優待券
あとは、コーナン(7516)やジョイフル本田(3191)の株主優待は有効期限がないから、貯めておけるからいいなとか。でも、ずっと貯まっちゃって使う機会がないけれど……。
最近の株主優待でつい気になるのは、新設で、「上場維持のため」などの理由で高額QUOカードやデジタルギフトがもらえるもの。魅力的だけれど、1度も実施せずに優待廃止にする企業もあって、失敗もいくつか。でも、株主優待がもらえたら、義務感であってもこれまで行ったことがない新規店にも挑戦できるから、やはり株主優待はいいですよね。
こう言いながら、今回のZoomミーティングでは、コシダカホールディングス(2157)の株主優待を使い、なんとカラオケボックスの「まねきねこ」を使用していたとんかつさんでした。
文/谷口久美子