
OM SYSTEM「OM-3」は傑作一眼レフOLYMPUS「OM-1」のデザインを継承して生まれた最新モデルでフラッグシップの「OM-1 Mark II」と同等のセンサーと画像処理エンジンを搭載して重さ496gを実現している。これがOM-1なら599gになってしまうのだ。OM-1より、軽いのに撮影可能コマ数は上回っている。そしてPEN-FにはなかったIP53の防塵防滴仕様へと進化を遂げた。
U500gのボディに高性能を凝縮
ボディカラーはシルバーのみというこだわりで、これは銀塩のOM-1がシルバーボディのみだったからに違いない。実機を持ってみるまでグリップをなくしてカメラのホールディングが悪くなるのではと懸念していた。しかし、好感触だった。グリップがあると90%は、しっかり握れるが、あとの10%でどこかしっくりこない気分になる。グリップなしだと100%違和感がない。晴れ晴れとした気持ちになれる。インターフェイスはNikonのように忠実に過去のカメラを再現せず、現代のミラーレスのままでなので違和感なく使える。むしろセルフタイマーの位置に新設されたクリエイティブダイヤルが表現の幅を広げてくれるのだ。今回はそのデザインの秘密にも迫ってみたい。
デザイン検討用のモックアップでかなり初期のモデル。まだペンタプリズム周りのデザインが曲線的で現代のOMシリーズに近いことが分かる
かなり完成に近づいたモックアップ。文字の書体やシルバーの色合いなどが実機と違うのだが、比較しないと分からないレベルだ
上が銀塩フィルムカメラのOM-1で、下がミラーレスのOM-3のモックアップ。縦横の比率が異なることが分かる。銀塩カメラの方がカッコイイのだ
上から見ると再現度より操作性が優先されたことが分かる。ホットシューは着脱式にして欲しかった
色とモノクロにこだわった調整機能
「OM-3」には、新たに進化したカラーおよびモノクロプロファイル機能が搭載された。カラープロファイルコントロールでは、12色の彩度を11段階で、シェーディング、ハイライト&シャドウなどを被写体や撮影意図に応じて直感的に選択可能。もともと準備された4つのプリセットをベースに微調整後、保存して使える。
一方、モノクロプロファイルコントロールでは、銀塩写真のような粒状感や階調表現を細かくコントロールできる設定が用意され、フィルムライクな質感を楽しめる。こちらも4つのプリセットがあり、撮影中に電子ビューファインダーで仕上がりを確認できる点も大きな魅力だ。これらのプロファイルはカスタマイズしてから、ユーザーの表現スタイルに合わせた常用設定として保存・再利用ができる。この他にもカラークリエーターとアートフィルターも搭載。OM-3は、撮影者の創造性をダイレクトに引き出すツールとして、画作りの自由度を大きく広げてくれるのだ。
液晶モニターは3.0型の2軸可動式のタッチパネルで約162万ドッド
クリエイティブダイヤルでカラーやモノクロ、アートフィルターなどの切換が素早くおこなえる
新設された静止画/動画/S&Qダイヤルでスローモーション動画とクイックモーション動画の選択が容易になった
軍艦部右側はお馴染みのモードダイヤルにツインダイヤルで迷わず操作できる
新しくなった17mmF1.8 IIも登場。さらに25mmF1.8 IIも加わった
25mmF1.8 IIを装着したOM-3。どの交換レンズも違和感なく見える
写真・文/ゴン川野