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三省堂経堂店の店長が語る、母校・神戸海星女子学院での6年間と白いリボンが映える制服

2025.05.22

2025年3月21日に出版した『イラストでたどる女子高生制服100年図鑑』。全国の書店およびオンライン書店にて好評発売中だ。中でも三省堂書店経堂店は、中面のイラストを使った特製のミニパネルを展示している唯一の書店で、店長を務める田口やよいさんは、本の中で取り上げている神戸海星女子学院中学校・高等学校(以下、神戸海星女子学院)の卒業生である。同校に通っていた当時の印象に残っているエピソードとともに、制服にまつわる思い出について話を聞いた。

※ミニパネルの展示に関する詳細は以下の記事をチェック!

話題の新刊「イラストでたどる女子高生制服100年図鑑」の特別パネル展示を三省堂書店経堂店で開催中

女子中高生の学生服を中心に、制服の歴史を紹介する『イラストでたどる女子高生制服100年図鑑』が、2025年3月21日より、全国の書店およびインターネット書店で、...

美しい景観に惹かれて神戸海星女子学院を志望

――本の中でも紹介しているように、神戸海星女子学院は神戸市灘区の高台にあり、屋上に設置されているマリア像は「灘百選」にも選ばれているなど、眺望の素晴らしい学校のようですね。

田口 坂道を上ったところにある校舎から神戸の海が見渡せるのは、本当に素敵なんです。もともとは塾の先生に勧められた学校のひとつでしたが、マリア像の飾られている学校の雰囲気もとてもカッコイイと思い、志望することにしました。

「景色や雰囲気の良さで学校を選んでいいのかな?」なんて考えることもありましたが、今にして思えば神戸の海が見える学校に通えたことは、本当に特別なことであり、とても幸せでした。高台に建っている校舎が見たくて、帰省する際に阪急神戸線の電車に乗ると、いつも母校を必ず探しちゃうんですよね。

マリア像を頂く本校校舎はローマカトリックからの寄附を中心に1952年に竣工。2013年、景観の継承、耐震性の確保、教育の充実を目的とした改修計画が完了し、外観・内装とも新しく生まれ変わった。白い外壁はより立体的となって、各教室は以前の木の優しさを残し、色調を統一している。

宗教の学びや留学生との交流など貴重な経験を積んだ6年間

――神戸海星女子学院は、いわゆる〝お嬢様学校〟というイメージを持たれることが多いそうですが、生徒たちはどのような雰囲気でしたか?

田口 学校行事で特に印象に残っている体育祭や球技大会では、みんながとにかく全力で(笑)。本気になって勝負に挑むんです。思春期だけど「一生懸命に取り組むのがカッコ悪い」なんて思う生徒は全然いませんでした。

――在校時に所属していた部活動はありましたか?

田口 中高6年間はバスケ部に所属していました。練習の日々は、在校中の1番の思い出ですね。中高が一緒に練習をする時間もあったんですけど、高校生の先輩たちが本当にカッコよくて憧れました。

在校時にお世話になった先生も、バスケ部の顧問を含めて本当に好きな人ばかりでしたね。生きるための指針のようなものをはじめ、何もかもを教わったように思います。先生たちは、ひとりひとりの生徒たちに向き合い、好きなことを見つけて取り組んでいる自分たちのことを温かく見守ってくれていました。そのことは、周りの同級生たちもきっと感じていたんじゃないですかね。

――そういった先生たちの姿勢は、勉学の面においても、生徒たちにいい影響を与えていたのではないでしょうか。

田口 確かにそうですね。大学受験の勉強を強制されるような空気は一切なかったんですけど、生徒たちが自発的に意欲を高め、勉強にも熱心に取り組んでいました。偏差値の高い大学を自ら目標に掲げている生徒も多くて、当時は「私も頑張らなきゃ!」と刺激を受けていたことを覚えています。

――神戸海星女子学院では、キリスト教的な価値観に基づく教育の一環として、どのようなことが行なわれているのでしょうか。

田口 お祈りをする時間や、授業の中で宗教を教わる時間があります。クリスマスのミサも含めて、宗教に触れられる機会は多かったです。奉仕活動も盛んで、修学旅行の時にも行程に組まれていました。文化祭の時はキャンディレイ(アメの首飾り)を作って販売し、全額を寄付するんですけど、すごく可愛くて。中学1年の時から購入していました。

神戸海星女子学院に通っていた頃の田口さん。後述のように在校時はカーディガンを着用することが多かったよう。

――神戸海星女子学院では今、フランスやオーストラリアなど海外へ留学する機会も多いそうですが、田口さんが在学している時はいかがでしたか。

田口 当時も、希望した生徒は交換留学でオーストラリアなどの学校に通うことができました。交換留学で海外から来る生徒もいて、体育祭で一緒に綱引きをしたのを覚えています! 神戸海星女子学院だからこその経験でしたね。交換留学の制度を設けていることも関係していると思いますが、英語教育には熱心な校風で、文法はもちろん、実用的な英会話も教わることができました。

ジャケットとリボンが特徴的な冬服が特にお気に入りだった

――神戸海星女子学院の場合、冬服はジャケットを着用し、夏服は吊りスカートが印象的な装いで、どちらも素敵ですよね。

田口 両方とも大好きでした! シンプルに見えるデザインながら「ボタンがひとつ」「後ろの襟がない」という珍しいジャケットに、白い大きなリボンが映える冬服は特に可愛い! ブラウスの襟元に付けられているリボンを上手に結べた日は、気分よく過ごすことができましたね。学校指定のカーディガンは紺と白の2色があって「ここぞ!」という日には知的でスマートに見える紺を無意識に選んでいたのを覚えています。

 あとは、学校指定のロングコートがカッコいい! 神戸海星女子学院の最寄りにある阪急神戸線の電車は通学で利用されることが多く、いろんな学校の生徒と一緒になるんですが、海星のロングコートを着ていることをとても誇らしく感じていました。「カッコいいでしょ!」って(笑)。「海」「波」「飛沫」「星」という4つをモチーフにした菱形の校章もカッコいいし、プリーツの少ない吊りスカートを含めて、各アイテムとも本当に素敵で個性的なんですよ。

田口さんが「誇らしかった」と語る、神戸海星女子学院のダブルブレストのロングコート。

書籍『イラストでたどる~』で魅力に感じたのは博物館の設定と読み応えある文章

――今お話にあがった制服の特徴は『イラストでたどる女子高生制服100年図鑑』でも、めばちさんのイラストとともに紹介しています。田口さんの母校をはじめ、様々な学校の制服を取り上げている内容をご覧になった感想をお聞かせください。

田口 何といっても「架空の制服博物館」という設定がおもしろいと思いました。目次には「架空の制服博物館」の見取り図があるので「こういう風に館内を歩きながら見ている」というイメージをつかみやすかったです。それと読み応えがすごくあります! 思わず手に取りたくなる可愛いイラストだけじゃなく、制服の歴史が詳しく書いてあり、知らないことがたくさんありました。当時の学生の心理を詳しく分析している、昭和の〝変形学生服〟や平成の〝着崩し〟についての記述も興味深かったです。

神戸海星女子学院を紹介している第2章では、トルソーに着せた各校の制服を、個々にショーケースで展示しているイメージになっている。

序章から第2章までは1階、第3章は階段の途中、第4章と第5章は2階に展示していることを想定。それぞれの展示イメージに変化を持たせている。

――本の中では、田口さんの母校である神戸海星女子学院のように70年以上も基本的なデザインが変わらない制服だけでなく「生徒が自由にコーディネートできる」「男女の隔たりを設けていない」といった新しい制服も紹介しています。

田口 本を読むと、多様性を考慮した制服はどれもオシャレだと感じますし、生徒と一緒に作られたという制服もいいなぁと。昔ながらの神戸海星女子学院の制服も含めて、いろんな制服を着てみたくなります。ちなみに、この本で感心させられた点のひとつが、第1章の着用イラスト。伝統的な制服の歴史を感じることができるよう、あえてモノトーンで描かれているイラストに「手が込んでいて最高!」と思いました。

ミニパネルの展示の効果もあって本を手に取る女性や父娘の姿も

――4月上旬よりミニパネルの展示を実施していただいていますが、反響はいかがでしょうか。

田口 レジ前の話題書コーナーと、学習参考書売り場の学校案内コーナーで、ミニパネルを展示していて、アートイラスト技法のコーナーにも本を置いているのですが、やっぱり一番動く(=購入いただきやすい)のは、レジ前の話題書のコーナーです。

 同コーナーでは、本を手に取っていただいているのは、おそらく本の中で紹介されている学校の卒業生と思われる人を含めた大人の女性の方がほとんど。楽しそうに本を眺めながら、女性のお客様同士で談笑しているところをお見受けしました。本の中で紹介されている学校の卒業生としては、やっぱり〝たまらない〟内容ですからね。一方、学校案内コーナーでは、受験を控えているご家庭と思われる父娘のお客様が、本を手に取って話をしていることもありました。読んでほしいお客様には「しっかり届いている」のではないでしょうか。

――ありがとうございます。このようなミニパネルの展示を企画していただいたのは、どのような経緯があったのでしょうか。

田口 弊店に本が届いた時、神戸海星女子学院の制服姿のイラストが目に入って〝飛び付いた〟のがきっかけです(笑)。私と同様に、この本で紹介されている学校の卒業生がもうひとり、弊店のスタッフにはおりまして「ぜひ何かやりたい!」と盛り上がり、小学館さんに相談させていただきました。

レジ前の話題書コーナー

学習参考書売り場の学校案内コーナー

アートイラスト技法のコーナー

学習参考書売り場の学校案内コーナーでは、受験生に向けたメッセージや卒業生ならではのおすすめポイントを記したポップも展示。

三省堂書店経堂店では〝新鮮〟な企画を常に展開中!

――こちらとしても非常にありがたいお話で、ミニパネルの展示について確認を取った各学校様にも、非常によろこんでいただいてました。貴店では、このほかにもスタッフの方が発案したオリジナルの展示に力を入れているそうですね。

田口 弊店は住宅街にある店舗なので、地元のお客様が頻繁に足を運んでいただくことから〝新鮮さ〟のある展示を実施したいと常々考えています。近隣に住まれているのは教育熱心な方も多く、児童書、学習や受験の参考書、実用書の各コーナーに力を入れているのはそのためです。勉学などへの向上心が高いお客様に満足していただける本を見つけて、何か新しい打ち出しをしていかなければと考えています。

 中でも、弊店の14周年を機に実施している『14歳の本棚』という展示には力を入れています。「いまの14歳」と「かつての14歳」が本を通じてつながって、世代を超えた読書の楽しさを共有できる場を目指しています。

 2025年の5月末までにはなってしまいますが、近くに寄られた際には『イラストでたどる女子高生制服100年図鑑』のミニパネル展示とともに、ぜひご覧いただきたいです。

『14歳の本棚』のコンセプトは「誰にも聞けないことは、本に聞けばいい」。「悩み、考え、成長していく14歳の時期に、読書を通じて知識や感情を学ぶきっかけを提供したい」という思いから企画が立ち上がったそうだ。

三省堂書店経堂店
東京都世田谷区経堂2-1-33 経堂コルティ2階
https://www.books-sanseido.co.jp/shop/kyodo/

取材・文・撮影/田尻健二郎 イラスト/めばち


『イラストでたどる女子高生制服100年図鑑』好評発売中!

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 大正時代から令和時代まで、100年あまりに及ぶ学生服の変遷をたどる書籍「女子高生制服100年図鑑」が発売中。全国42校を例に挙げながら、イラストおよび写真で紹介している。

制服のイラストは、書籍・広告のほか『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』といったアニメのEDイラストなども手がけてきたイラストレーターめばちさんが、計129点を本書のために描き下ろし。めばちさん特有のふんわりとしたやさしいタッチの絵で、制服の歴史をたどるという構成も話題。

学校および制服の選定には、170年の歴史を誇る老舗学生服メーカー菅公学生服に協力を仰ぎ、制服研究の第一人者として知られている森伸之氏による監修のもと、新旧105着の制服を紹介している。

■関連情報
https://www.shogakukan.co.jp/books/09311585

■公式Instagram
https://www.instagram.com/100years_school_girl_uniform/

【訂正のお詫び】
『イラストでたどる女子高生制服100年図鑑』P127の撮影協力の記述に誤りがありました。正しくは「東京菅公学生服」になります。関係各位にはお詫びするとともに訂正いたします。

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