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帯状疱疹ワクチンの定期接種がスタート、高齢者対象でも多くの自治体で助成あり

2025.05.21

数年前から、たびたびメディアを賑わせている「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」。

国内での発症率はここ20年余りで2倍近くに増えており、筆者の周囲でも罹患経験者が何人もいる。

対応策の一環として各自治体は、帯状疱疹ワクチンの接種費用の助成制度を導入している。さらに、2025年4月から定期接種化されたことで、より身近な存在となった。

どのような制度なのか、解説したい。

そもそも帯状疱疹とはどんな病気?

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZウイルスとも)が、何らかの理由で増殖することによって起こる病気を指す。

このウイルスは、最近になって誰かから感染したものではない。子どもの頃にかかった水ぼうそうが治癒した後も、生き残ったウイルスが潜伏しており、加齢や免疫力の低下などで再び活性化したのが原因。

たいがいは1本の神経に沿って増殖するため、外からは帯状の発疹として確認できるのが特徴。通常の皮膚炎や虫刺されと異なり、ビリビリした痛みが伴う。

発症してから10日~3週間ほどで治る病気だが、治療としては主に、抗ウイルス薬と消炎鎮痛剤の投薬がなされる。

ウイルスの増殖を抑えるとの同時に、痛みを緩和するのがねらいだ。また、療養期は十分な睡眠をとり、患部は毎日石鹸できれいに洗うことを心掛ける。免疫力を下げてしまうため、ストレスや疲労を遠ざけるのも肝心だ。

定期接種は主に高齢者が対象

帯状疱疹が怖いのは、目に見える症状が治まった後も、痛みが継続する帯状疱疹後神経痛のリスクがあることだ。症状は、「体の奥で何かがうずくような痛み」であることが多く、数か月で消えることもあれば、10年以上続くこともあるという。

この神経痛に悩まされる人の大半は60歳以上。高齢になるほど帯状疱疹にかかりやすくなり、かつ治りが遅くなるため、ワクチンで先手を打って予防することが推奨されている。

2025年度から始まった定期接種も、基本的にシニア層が対象となる。具体的には、今年度に65歳を迎える人(昭和35年4月2日~昭和36年4月1日生まれ)がまず対象となる。

くわえて、2025~2029年度の間に70、75、80、85、90、95、100歳となる人も対象となる。また、60代前半でも、HIVによる免疫機能の障害で日常生活がほとんど不可能な人も含む。

上記に該当する人は公費接種となり、比較的低い自己負担額で接種を受けられる。

効果の高い組換えワクチンは副反応が心配

ところで、帯状疱疹のワクチンは、生ワクチンと組換えワクチン(不活性化ワクチン)の2種類ある。

それぞれ特徴があり、大きな違いもいくつかある。例えば予防効果は、生ワクチンだと接種後1年時点では6割程度。他方、組換えワクチンでは9割以上に跳ね上がる。

「それなら断然、組換えワクチンがいいのでは?」と、筆者は、地元市役所で応対してくれた職員に尋ねたところ、「副反応の可能性が高めなのです」と答えた。

職員からいただいた説明書には、ワクチンごとに発現しうる副反応が表になっている。見ると、疼痛がある割合は生ワクチンが10%以上に対し、組換えワクチンだと70%以上。

ほかにも、筋肉痛、疲労、頭痛、発熱など、生ワクチンでは発現しない症状がいくつかある。また、接種回数は生ワクチンなら1回で済むが、組換えワクチンは(原則2か月以上の間隔を空けて)2回必要となる。接種費用は、医療機関によって若干変わるが、組換えワクチンのほうがずっと高い。

副反応のことを考えると、生ワクチンがよさげに思えたが、そう単純ではない。接種した後で、血小板減少性紫斑病や無菌性髄膜炎などを発症する可能性があるのは、生ワクチンのほうで、そもそもこちらは、「病気や治療によって免疫が低下している方は接種できません」とのこと。

職員は、「他にも留意点がいくつかあるので、どちらのワクチンにするかは、お医者さんと相談してから決めた方が良いでしょう」とアドバイスされた。たしかに、そのとおりだろう。

任意接種の50代には助成金が払われる

前述のとおり、ワクチンの定期接種はシニア層向けだが、もっと若い世代も任意接種として受けられる。

対象となるのは、定期接種対象者の手前の50代。くわえて、50歳未満でも免疫機能が低下しているといった理由により接種可能だ。

そして各自治体は、任意接種で発生した費用に対し助成金制度を設けている。これを利用することで自己負担額を減らせるが、額は自治体によって異なる。筆者の住む市では、生ワクチンが5000円、組換えワクチンは12,000円(1回あたり)の自己負担となっており、それを超えた金額が助成される。お住まいの市町村ではどれぐらいの額になるかは、ホームページや電話で確認するといいだろう。

支払いについては、筆者の済む市では、医療機関で接種を受けた際に全額負担しておき、後で助成金が振り込まれる後払い方式。役所で渡される申請書に住所、氏名、振込先など記入して提出すればOKだ。

ただし、医療機関で予診票の写しか予防接種証明書、それに領収書をもらっておき、それも一緒に出す必要があるので注意しておこう。

参考資料:
・厚生労働省ウェブサイト「帯状疱疹ワクチン」ページ
・『しっかりわかる帯状疱疹』(漆畑修著/池田書店)
・『医者が教える帯状疱疹がやさしくわかる本』(本田まりこ監修/宝島社)

取材・文/鈴木拓也

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