
職場で「すぐバレる嘘」をつく人の心理には、自分をよく見せたい、気にかけてほしい、責任を回避したい、自分の立場を守りたいなどがあります。対処法としては、話を冷静に受け止め、時系列を確認し、情報を共有・記録し、冷静に距離を取ることが重要です。
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職場で、「え、それ明らかに嘘じゃない?」と驚いたことはありませんか? すぐにバレる嘘をつく人を見ると、どうしてそんなこと言うの?と思ってしまいますよね。その裏には自信のなさや焦り、立場を守ろうとする気持ちが潜んでいることもあります。
この記事では、職場でよく見かける”バレる嘘”の心理と特徴、そして巻き込まれずに対応するためのヒントを、心理カウンセラーの視点からお届けします。
すぐバレる嘘をつく人の心理|なぜそんな嘘をついてしまうのか?
一見意味のないように見える「すぐバレる嘘」。でもその裏側には、本人なりの理由や目的があります。ここでは、職場でよく見られる嘘の背景心理を掘り下げます。
(1)自分をよく見せたい気持ちが先行してしまう
実力以上に「できる人」「頼れる人」と思われたい、そう感じたとき、つい背伸びをした嘘が出てしまうことがあります。たとえば、「あの案件、もう大丈夫です!」と言ってしまうなど、報告や状況を盛ってしまうのは、よく見られたい欲求が強いサインです。
(2)気にかけてほしい
「大丈夫?」と言われたい気持ちから、「最近、体調が悪くて…」「上司に嫌われているんです」などの嘘が出ることも。本人は本気で心配してもらいたいと思っていても、事実と違う話をすれば、周囲との信頼関係は崩れてしまいます。
(3)責任を回避したい
失敗やミスを隠すために、「まだやってます」や「連絡しました」などの嘘をつくケースもあります。これは「叱られたくない」「責任を取りたくない」という防衛反応であり、その場しのぎのクセがついてしまっている状態とも言えます。
(4)自分の立場を守りたい
周囲からの評価や自分の立場が揺らいでいると感じているとき、人は不安から嘘をつくことがあります。嘘をつくことで、今の自分を守ろうとするのです。問題なのは、内容に一貫性がなくなり、周りから信頼できない人と見なされてしまうことです。
すぐバレる嘘をつく人の共通点|“矛盾”と“準備不足”がバレる決定打
見た目や仕草よりも、話の中身を丁寧に聞くことで、嘘かどうかは見えてきます。特に、準備不足な嘘には、いくつかの共通パターンがあります。
(1)話の時系列にズレがある
「朝には伝えたよ」と言いながら、他の話では「午後に報告した」と矛盾する……こうした細かいズレは、嘘を整合させきれない典型的なサインです。すぐバレる嘘には、このようなつなぎ目の甘さが現れやすいです。
(2)曖昧な言い回しが多い
「まぁいろいろあって…」「なんとなくうまくいってなくて…」など、詳細を避けるような表現が増えてきたら要注意です。具体的な質問にすぐ答えられないとき、情報の裏付けがない可能性が高くなります。
(3)内容に対して説明が長すぎる
短く答えられる内容なのに、やたら言い訳や前置きが多い場合、話の筋を整えようと必死なこともあります。「本当のことを言うとマズい」と感じていると、余計な説明で正当化しようとする傾向が出てくることも。
嘘に振り回されないための対処法|職場でできる現実的な工夫とは?
職場にすぐバレる嘘をつく人がいると、チームの信頼関係や業務の進行にも影響が出てしまいます。巻き込まれず、かといって対立も避けながら、自分の立場と心を守るにはどうすればいいのでしょうか。実際の現場で役立つ具体的な工夫をご紹介します。
(1)話を真に受けすぎず、情報として受け止める
「えっ、本当にそうなの?」とすぐ信じ込まず、「一つの話」として冷静に受け止める姿勢が大切です。特に、他人の悪口や責任転嫁の話は要注意。感情的に反応しすぎず、裏取りや第三者の視点を持つよう意識すると、冷静な判断ができます。
(2)会話では時系列を掘り下げてみる
「それって、最初に誰に相談した?」「いつごろの話だった?」など、具体的な流れを確認すると、整合性のズレが見えやすくなります。すぐバレる嘘は、話の流れや順序に弱点が出やすいので、事実ベースで淡々と聞く姿勢が有効です。
(3) 一人で抱え込まず、共有・記録して可視化する
自分だけが知っている状態を作らず、事実ややり取りは上司やチームに共有しましょう。特に業務報告や指示の伝達は、メールやチャットで「文字に残す」ことがとても大切です。
言った・言わないのトラブルを防ぎ、後から見返せる証拠として自分を守ってくれます。記録を習慣化することで、曖昧な発言に振り回されるリスクも下げられます。
(4)冷静に距離を取る
「またこの人か…」と感情が動いてしまうと、こちらが疲れてしまいます。深追いせず、「そうなんですね」「了解です」とさらっと流すだけでも、ストレスを減らせます。業務上必要な範囲だけという線引きを意識して関わると、自分のメンタルを守ることができます。
嘘に疲れないために、優しさと境界線のバランスを
すぐバレる嘘をつく人には、たいてい「自分を守りたい」「認めてほしい」といった理由があります。とはいえ、すべてを受け止めて理解しようと頑張りすぎると、こちらが疲れてしまうことも。
「相手にも理由があるかもしれない」と想像力を持ちつつも、「それでも私はここまで」と線を引く力も必要です。消耗してしまわないように、バランスの良い関わり方を見つけていきましょう。
文/高見 綾
心理カウンセラー|“質上げ女子”のお悩み相談。カウンセラー養成コースで豊富な臨床経験を積み、心の世界で学んだことを現実に活かすアプローチに高い評価をいただく。相談数4千超。著書は『ゆずらない力』(すばる舎)。
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