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クレカとコード決済の王者が提携、OliveとPayPayが描く金融サービスの未来とは?

2025.05.18

2025年5月15日、三井住友カードとソフトバンクがデジタル分野において包括的業務提携を行なうことを発表した。この提携には2つの柱があり、その1つは三井住友カードとソフトバンクの提携。そしてもう1つが三井住友カードとPayPayの提携になる。

「PayPay」とSMBCグループ(三井住友フィナンシャルグループ)の「Olive」が連携。

三井住友カード×ソフトバンクで革新的な顧客サービスが実現

三井住友カードは、三井住友銀行と共に提供する総合金融サービス「Olive」のアカウント数が、サービス開始から約2年で570万を達成するなど、今、一番勢いのあるカード会社。年間500万会員が増え、2024年の買物取扱高は39兆円。加盟店で利用されている決済端末「stera terminal」は47万台を突破する。

それらサービスの軸となる「Olive」はクレカ、銀行、証券の機能を備えるが、サービスを非金融にも拡大。その第一弾として3月31日に旅行予約サイト「Vトリップ」をスタートさせた。また個人だけでなく法人にも拡大し、5月26日には法人総合金融サービス「Trunk(トランク)」を開始する予定だ。

ここ数年の三井住友カードの躍進。

そんな「Olive」や「Trunk」の会員に向けて、ソフトバンクがヘルスケアサービスの提供を促したことが、今回の提携のきっかけ。非金融サービスを拡大させたい三井住友カードと、デジタルサービスを幅広くカバーするソフトバンクがうまくかみ合ったというワケだ。

三井住友カードとソフトバンク子会社のヘルスケアテクノロジー社は共同で「ヘルスケアポータル」を立ち上げ、「Olive」や三井住友カードのネットサービス「Vpass(ブイパス)」会員向けにサービスを提供。24時間365日、チャットで健康医療相談ができ、最短5分でオンライン診療などが利用できるようになる。

非金融サービス第二弾として「ヘルスケアポータル」を立ち上げ。

今後はモビリティサービスやデジタル保険など、ソフトバンクの多様なデジタルサービスを積極的に取り入れていくことで、「Olive」の非金融サービスを充実させたい考えだ。

この提携はデータ戦略、AI活用などにも及ぶ。データ戦略では三井住友カードの決済データとソフトバンクの人流統計データなどから、新たな顧客分析ツールを三井住友カードの加盟店向けに提供。マーケティング支援をより強化する。

またAI活用では、ソフトバンク傘下のGen-AX(ジェナックス)の生成AI技術を活用して、カード会員などからの電話に直接音声応答するAIオペレーターを導入。三井住友カードには年間約600万の電話問い合わせがあるそうだが、その過半数をAIオペレーターが対応するように、3年をかけて移行していく予定だ。

顧客の電話問い合わせにAIオペレーターが直接音声で対応。

AI活用は「Olive」にも及び、多機能なサービス展開になる分、会員が必要な情報にスムーズにたどり着けるよう、生成AIを活用してアプリをパーソナライズ化する。例えば、ローンの返済や資産運用、旅行の提案など、いろいろなサポートをAIが行なう。このようなAI活用により、「Olive」を未来型のスーパーアプリにしていきたいという。

AI活用により、未来型のスーパーアプリ「AI-Olive」を構築。

三井住友カード×PayPayが連立してキャッシュレスをけん引

「PayPay」のユーザーは今や6900万人(2025年5月時点)。三井住友カードと提携することで、3つの取り組みが行なわれる。1つ目が「PayPay」での三井住友カードの優遇。2つ目が「Olive」での「PayPay」の優遇。そして3つ目がVポイントとPayPayポイントの相互交換だ。

「Olive」と「PayPay」の取り組み。

「PayPay」では、「PayPayカード」「PayPayカード ゴールド」以外の他社クレカの利用において、今夏以降、利用料の負担を依頼する可能性があるなど、新しい方式に移行する予定。ただ、三井住友カード発行のクレカ(ANAカード、Amazonカードなど提携カードも含む)においては、今後も利用料なしで利用できるなど優遇される。

「PayPayカード」以外のクレカの中で三井住友カードを優遇。

PayPay残高を出金する場合、PayPay銀行以外の銀行口座では100円の手数料が必要になるが、三井住友銀行口座は手数料無料。「Olive」アプリでPayPayの残高確認やチャージ、出金ができるようになり、「フレキシブルペイ」の支払いモードに新たにPayPay残高による支払い方法が追加される。これはPayPay残高をバーチャルVisaプリペイドを通して支払い可能にするもので、「Olive」から決済することでPayPayが世界中のVisa加盟店で利用できるようになる。

「Olive」アプリで「PayPay」のチャージや出金などの操作ができる。

「Olive」の「フレキシブルペイ」の支払いモードにPayPay残高が加わる。

最後のVポイントとPayPayポイントの相互交換では、PayPayユーザー6900万人と三井住友カード会員3900万人の利用者数から考えて、国内最大規模のポイント連合になる。Vポイントの最大の特徴は世界中のVisa加盟店で使えること。相互交換可能になることで、PayPayポイントも世界中のVisa加盟店で使えるようになり、Vポイントは1000万か所以上のPayPay加盟店でも利用できるようになる。

VポイントとPayPayポイントがどこでも貯めて、どこでも使えるポイントに。

コード決済とクレカのNo.1同士が連携。

キャッシュレス決済は三井住友カードとPayPayでOK!

今回の三井住友カードとソフトバンクの提携では、三井住友カードは「Olive」の非金融サービスを拡充し、最先端のAI活用ができるようになり、ソフトバンクは自社サービスの利用者を拡大し、AIオペレーターなどのAIサービスを3900万人という会員基盤で社会実装することができる。

また、三井住友カードと「PayPay」の提携では、「Olive」と「PayPay」が連携し、スムーズに利用できるようになる。これからのキャッシュレス決済は、三井住友カードと「PayPay」があれば大丈夫といった世界観の実現を目指す。

三井住友カードとソフトバンクの包括業務提携の全体像。

三井住友カードと「PayPay」の相乗効果が期待される。

今回の「三井住友カードとソフトバンク、デジタル分野における包括的な業務提携に関する共同記者会見」では、様々な取り組みが発表されたが、それぞれ今年度中に順次、サービスが開始される予定。

キャッシュレス決済比率は2024年に42.8%と、政府の目標である40%を達成。だが諸外国の比率に追いつくべく、将来的には80%の決済比率を目指す。まだまだ伸びしろが大きいので、今回のようにクレカとコード決済が連合するという驚きの展開はあり得るだろう。「Olive」と「PayPay」はもちろん、他社サービスの動きにも注目しておきたい。

共同記者会見に登壇した、(左より)PayPay 代表取締役 社長執行役員CEO 中山一郎氏、ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮川潤一氏、三井住友フィナンシャルグループ 取締役 執行役社長 グループCEO 中島 達氏、三井住友カード 代表取締役 社長執行役員 CEO 大西幸彦氏。

文/綿谷禎子

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