
「週末はお出かけもいいんだけど、連休明けで疲れちゃったし家でゆっくりしたい気分だなぁ」なんていう方にオススメしたいのが、レゴです。
子どもの頃に、多くの人が遊んで慣れ親しんだブロック型のおもちゃ『LEGO(レゴ)』。自分で組み合わせてオリジナル作品を作るイメージが強いですが、実は近年、プラモデル感覚で遊べるセットが人気を集めているのです。
今回はライダーである筆者が気になっていた、イタリアの人気メーカー『Vespa(ベスパ)』のバイクのセットに挑戦してみました!
手軽に挑戦、ベスパのレゴ
デンマーク発祥のおもちゃ『LEGO(レゴ)』といえば、さまざまな形のブロックを組み合わせて作品を作る知育玩具。1962年に日本へ上陸し、以降子どもから大人まで幅広い年代から人気を集めています。
その中でも近年話題となっているのが、映画やゲームのモチーフ、植物、動物、乗り物といった作品をプラモデル感覚で組み立てられるセット作品。1ピースずつ組み立てる作業がパズルのようで面白いのはもちろん、完成後はクオリティの高い作品を飾って楽しむこともできるのです。
今回挑戦するのは、そんなレゴセットの中の『ミニ ベスパ(税込1480円)』。
対象年齢9歳以上で118ピース構成と比較的簡単で、筆者のように初めてレゴを触るビギナーにオススメの作品です。なによりも、適度なデフォルメとレゴらしいおもちゃ感が魅力的。ベスパオーナーのみならず、全バイク乗りに作ってもらいたい作品なのです。
レゴのホスピタリティに驚き!
開封すると、透明な袋の中に赤・黒・グレーなどのパーツがどっさりと詰まっています。
そのひとつひとつを見てみると、「これは本当にレゴなの?」と思っちゃうほどに、見たことがない形のブロックがたくさん入っていることに気が付きました。
直方体のものだけでなく、台形だったり丸っこかったり平べったかったり。凹凸を利用して組み上げるという点においてはレゴらしさがあるのですが、一般的なブロック型パーツだけでなく、ベスパ専用のオリジナルパーツがたくさん採用されている様子でした。
制作前に筆者が心配していたのが、取扱説明書を読めるかどうかという点です。というのも、パッケージや説明書の表紙には日本語表記が見当たらないのです。英語、苦手なんだよなぁ…。
ところがどっこい。実際に説明書を開いた筆者の口からは、思わず「すっ、すごい!」と声が出ました。ご覧ください、この非常にわかりやすく簡潔な説明書を!
説明書には文章が一切記載されず、すべてイラストで完結しています。パーツの形や位置関係がわかりやすく、どんな国・どんな年齢のユーザーでも遊べるよう配慮されていることが感じられますね。レゴのホスピタリティに驚かされました。
先述した通り、今回のベスパセットに入っているパーツの数は118ピース。レゴ作品としてはパーツ数が少ないのですが、初めての方にとってその数は膨大です。開封してすぐの状態でいきなり組み立てようとすると頭がこんがらがってしまうため、まずはパーツを整理しましょう。
すべてのパーツを一旦袋から出し、形や色ごとにグルーピングをすれば準備は完了しました。いざ、組み立て開始です!
適度なデフォルメが可愛すぎる!
組み立ての基本は、手持ちのパーツに対して1工程につき1~4個ほどのパーツを足していく作業。シンプルでわかりやすい説明書のおかげで次のパーツの形や色がわかりやすく、想像以上にスムーズに組み立てが進みます。
はじめはバイクのどの部分作っているのか見当もつかないのですが、ひとつ、またひとつとパーツを重ねるうちに、車両のフォルムが浮かび上がってきました。デフォルメされながらもバイクパーツの形はなるべく正確に再現されているため、作りながら想像をかきたてられるのが面白いところです。
あっという間に、大きなブロックの塊ができました!
ライダーには伝わるかもしれませんが、これはバイクのリア部分。左上にある黒いパーツがシートで、右下にある灰色のパーツがスイングアームです。
スイングアームとは、車体にリアタイヤを取り付けるためのパーツ。そしてタイヤは、バイクのパーツの中でも最も「バイクらしさ」を表すアイテムのひとつです。
ベスパのセットでは、樹脂製のホイールとゴム製のタイヤのパーツが用意されています。質感はリアルですが、フォルムが丸っこく適度なデフォルメが可愛すぎる…!
おまけにシャフトに取り付けたタイヤは、本物さながらに回転させられるのです。
今回のミニベスパセットは飾って観賞するための作品なので、本来であればタイヤは回転する必要がありません。しかしライダーの視点から見ると、タイヤが動くだけで一気に好感度が上がってしまうのだから不思議ですよね。
──さて、多くのプラモデルがそうであるように、レゴにおいてもフロントとリアは別々に組み立て、最後に合体をさせる構造です。フロント部分を組み立てた様子が、こちら。
ベスパの丸みを帯びた特徴的な形のレッグシールドが再現されていて、完成前から抜群の存在感。足回りにはボトムリンク式サスペンションのフォルムも再現されており、クラシカルな雰囲気が漂っています。
リアとフロントの両方が出来上がったら、ここからは大迫力の見せ場、合体です。フロントの内側中心部に太い棒(ジョイントバーと呼ぶべきでしょうか?)を取り付け、リア側に向かって差し込みます
フロントとリアの合体はこれまでとは違い、不可逆な一発勝負の作業です。意外にキツくてうまくはまらず、バーを折ってしまうのではないかとヒヤヒヤしながら押し込みましたが…何度も力を込めているうちにパチンと奥まで入り切りました。
手のひらに汗を感じながらもホッと一息。最後はリアタイヤやフットボード、ヘッドライトなどをとりつければ…『ミニ ベスパ』のレゴが完成です!
所要時間は約1時間と、まさに入門編といった難易度。数多くのパーツを試行錯誤しながら組み合わせることで、達成感と適度な脳の疲労を味わうことができました。
なによりも、完成したベスパのレゴに大満足です。ツヤツヤとした樹脂の光沢感がいい意味でおもちゃっぽく、デフォルメされたベスパのデザインとベストマッチ。丸っこく角のないフォルムと合わさって、なんとも言えない愛くるしさがありました。
後ろ側から見た時に見えるブロックのホールは、ちょっとした無骨感とレゴらしさを演出しています。手のひらサイズですが、アイコニックなデザインで存在感が感じられて大満足でした。
ベスパといえば、不朽の名作『ローマの休日』にも登場する車両です。ベスパのオーナーやバイク好きでなくても、インテリアとしてこのミニベスパを作ってもよいかもしれませんね。
またレゴにはミニベスパ以外にも、ヤマハ『MT-10 SP』やDucati『Panigale V4 S』といったバイクの作品がラインナップされています。難易度はミニベスパが一番簡単な入門者向けで、上級者向けにもなると1000以上のピースを使った大作ができるようです。5月のおうち時間に、是非皆さんも挑戦してみてくださいね!
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.