
ランディーズドーナツは創業1952年、ロサンゼルスを中心に20店舗を構えるドーナツ専門店。ユニークな形の建物はロサンゼルスのランドマークになっており、マーベル映画のアイアンマンに登場したことでも有名で、屋根の上の大きなドーナツ型の看板を見たことがある人は多いはずだ。
そのランディーズドーナツの日本一号店が、5月15日、渋谷区代官山町にオープンした。日本でのフランチャイズ展開を行うグリット・インターナショナル(東京都渋谷区)社長の芳賀剛さんに、日本での戦略について聞いてみた。
元ドンキ社員だった経験を活かし、お店での感動やインパクトを重視
――ランディーズドーナツの登場で第5次ドーナツブームの到来と言われています。
芳賀社長(以下芳賀) いろいろなところでそう言われているのは知っていますが、私自身、次のブームをつくるというような感覚はあまりなくて、「ランディーズドーナツ自体の魅力を多くの人に知って欲しい」とか、「ドーナツで感動を体験し、元気になって欲しい」という気持ちの方が強いです。
私は元ドン・キホーテグループの社員で、退職後、不動産関連事業などを行ってきました。お店での感動やインパクトといった課題を長い間、研究して会得し、お客様が求めているものにどうフィットできるかといったことを、ずっと考え続けてきたのです。そんな中で出会ったのが、ランディーズドーナツでした。
ランディーズドーナツとは2023年3月にフランチャイズ関連の事業紹介の展示会で出会い、「これは良い!」と感じてすぐに契約のために渡米しました。即決でした。紹介してくれた方には、オーナーにぜひ会いたいとその場で申し込み、すぐにロスに飛びました。
戦略的にブームをつくったり、今、ブームだからそれに乗ってどうこうするというような感覚ではなく、商品やブランドそのものに魅力を感じ、それをみなさんに伝えたいと思いました。
私自身も、若い頃からずっとアメカジなどアメリカのファッションが大好きで、ランディーズドーナツのアメリカらしいデザインに、心を惹かれました。ですから、ドーナツを売りたいとか、レストラン展開するといった、食品事業をやる感覚ではなく、魅力あるブランドをトータルで展開したい、ブランド事業をする、というような感覚でいます。
ドーナツはもちろん、持ち帰り箱やグッズにも元気な世界観を打ち出し
――それだけランディーズドーナツというブランドに魅力を感じたということですね?
芳賀 今、手元にランディーズドーナツを持ち帰りする箱がありますが、この箱の色とイラストが、前向きで明るいアメリカンスタイルの元気の良さを打ち出しています。この箱を見た人は誰もが「かわいい」と言ってくれて、とてもインパクトがあるんです。
ドーナツの美味しさはもちろんですが、ロゴやイラストが描かれたキャップやボトルドリンクホルダーなどの商品も魅力的なデザインで、ランディーズドーナツのブランドをトータルで打ち出しています。どれも元気で明るく、前向きで、私達が求めている「輝き」があります。
ドーナツというのはある種、独特な食べ物です。イメージすると、米国のオフィスでボスが大きな箱を抱えて、ドーナツをどんと差し入れするような感じでしょうか。みんながワッと集まって好きなドーナツを選び、それぞれが片手にドーナツを持ちながら、自由に意見を交わす。そんなコミュニケーションにピッタリのお菓子です。ケーキやクッキーではできない、人々のつながりを強めてくれる食べ物が、ドーナツなのです。
――ランディーズドーナツはこれまでのドーナツと、どこが違うのでしょうか?
芳賀 ランディーズドーナツはカラフルで大きくて安くて美味しく、アメリカのノリが満載のドーナツで、主に4つのこだわりがあります。
(1)毎日手作りで新鮮なドーナツ
最大にこだわっている点のひとつで、全てのドーナツを店内で毎日手作りします。工場で大量生産したものではありません。各店舗で毎朝ドーナツを作って、新鮮な商品を提供します。
(2)高品質の材料を使用
厳選された素材を使用することで、豊かな風味と食感を実現しています。特にオリジナルのドーナツミックス粉にこだわり、ふっくらとした柔らかさや、リッチな味わいを体験していただけるでしょう。
(3)伝統のレシピ
創業以来受け継がれてきたオリジナルのレシピを大切にしています。創業以来ほとんど変更されていません。特に一番人気の「グレイズドレイズド」は薄くパリッとしたシュガーグレーズが特徴で、バランスの取れた甘さが、長く愛されている理由のひとつとなっています。
(4)独自のドーナツデザイン
ユニークでインパクトのあるデザインにもこだわっています。多種多様なトッピングや、色鮮やかなデコレーションを施し、サイズも通常より大きいドーナツから、可愛い丸型のランディーズラウンズまで、バリエーションも豊富です。味だけでなく視覚的にも楽しめる商品となっています。
まだ詳しい内容は公表できないのですが、日本でも大人気のアメリカ大リーグに関係するような商品なども、開発予定です。この箱をあけたとたん、ワッと歓声があがるような、インパクトがある、とても楽しいドーナツが登場するでしょう。
――大リーグドーナツ!楽しみです!