小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

米中が追加関税を115%引き下げることで合意、米金融市場では株価と長期金利が上昇

2025.05.16

スイスにおいて中国と追加関税を巡る協議を行なったアメリカは、2025年5月12日に共同声明を発表。125%に達した相互関税率を10%まで引き下げ、中国も同様の税率を適用することが明らかになった。

今回の措置は、国内経済への影響を考えたトランプ大統領が妥協したとの報道もあり、今後の両国の動向が注目される。

というわけで三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩 氏から、今回の米中関税引き下げ合意に関する分析リポートが闘茶祈雨したので、概要をお伝えする。

米中両国はスイスで貿易協議を行い、互いに課している追加関税を115%引き下げることで合意

米国と中国は、2025年5月10日と11日にスイスで貿易協議を行ない、互いに課している追加関税を引き下げることで合意したと12日に発表した。

米国は中国に対し、違法薬物対策として20%、相互関税として125%(基本税率10%と上乗せ税率115%)、累計145%の追加関税を課していたが、14日までに相互関税の上乗せ税率115%のうち、当初の24%を90日間停止し、残りの91%を撤廃する。

一方、中国は米国に対し、125%の報復関税を課していたが、同じく14日までに、このうちの24%を90日間停止して10%を維持、残りの91%を撤廃する。

なお、中国は別途米国に対し、液化天然ガス(LNG)や石炭、大豆やとうもろこしなどに最大15%の追加関税を課しているが、これは維持される。

この結果、米国、中国ともに関税の引き下げ幅は115%となる。

■大幅な関税引き下げの合意はサプライズ、米金融市場では株価と長期金利が上昇し米ドル高に

三井住友DSアセットマネジメントは中国政府の考え方として、対中関税の145%から54%への引き下げが交渉の出発点とみていたため、初回の協議で米国が対中関税を30%(違法薬物対策20%、相互関税の基本税率10%)に引き下げたことはサプライズとなった。

ただ、相互関税の上乗せ税率24%は90日間の停止という扱いのため、この分をあわせると関税は54%となり、事前の想定は妥当なものと判断している。

5月12日の米金融市場では、米中の関税引き下げ合意を受け、リスクオン(選好)の反応がみられ、ダウ工業株30種平均は前週末比2.8%上昇、S&P500種株価指数は同3.3%上昇、ナスダック総合株価指数は同4.3%上昇した(図表1)。

また、米国債の利回りが軒並み上昇し、米ドルは対主要通貨でほぼ全面高の展開となり、ドル円はドル高・円安が進行し、一時1ドル=148円64銭水準をつけている。

■依然トランプ関税は多く残り米経済は悪化か、ただ関税修正や利下げの期待が株価の下支えに

今後の焦点は、引き続き米国と主要貿易相手国との関税協議の行方だ。トランプ米大統領は5月12日、中国の習近平国家主席と週末に電話会談する旨の発言をしており、日本も5月中旬以降の3回目の閣僚協議に向け日程の調整を進めているところだ。

主要国の株価指数がこのところ大幅に上昇していることを踏まえると(図表2)、一定程度の関税協議進展の織り込みが進んでいるものと推測される。

ただ、依然としてトランプ関税の多くは残っており、今後、米国経済にどのような影響が出てくるか、消費や雇用などのハードデータも注目される。

実際にハードデータで景気の悪化が確認されれば、株式市場にはネガティブな材料となるが、その場合は、トランプ米政権による柔軟な関税の修正や、米金融当局による利下げへの期待が高まり、株価の下値が支えられることも考えられる。

関連情報
http://www.smd-am.co.jp

構成/清水眞希

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2025年4月16日(水) 発売

DIME最新号は、「名探偵コナン 熱狂の舞台裏」。長野県警全面協力!劇場版最新作の舞台の新聖地とは?長野県警トリオ〟をあしらったトリプルジッパーバッグの付録付!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。