
車体にキャラクターのデザインやイベントの告知、広告を施すためにフィルムを貼り付けたラッピング車両。バスやタクシー、在来線など、多くの公共交通機関で〝当たり前〟だが、その新幹線版が話題となっている。
ラッピング新幹線
これまでエヴァ新幹線(山陽新幹線)、ポケモンラッピング新幹線(東北・山形新幹線)、など、様々な新幹線で運行されてきたが、なぜこのタイミングで話題なのか。それは東海道新幹線初の特別塗装「Wonderful Dreams Shinkansen」が登場したからだ。
「東海道新幹線は、ほかの新幹線と比べて利用者が圧倒的に多い。そのため『たくさんの乗客がスピーディーに移動する』ということを目指して進化を続けてきました。そんな路線で遊び心のある車両を作ったのは驚きです」(鉄道ライター・小林拓矢さん)
とはいえ、この車両が使われるのは「ひかり」「こだま」が中心。
「『のぞみ』は、予約状況などによって臨時列車をフレキシブルに運行できるような体制を整えています。ラッピング車両を『のぞみ』に使うと、混雑状況によって車両の運用が変わるので、予約した新幹線がラッピング車両で運転されるという保証ができない。ラッピング新幹線は、乗って楽しむ、見て楽しむもの。ならば、運行ダイヤが固定されている『ひかり』『こだま』に使ったほうがいいと判断したのではないでしょうか。『こだま』は多くの駅で『のぞみ』に追い越されるため4〜5分停車するので、ホームで撮影するのにちょうどいいのです」(小林さん)
さらに4月12日から山陽新幹線に「ONE PIECE新幹線」が登場。こちらは4月デビューの「せとうちブルー号」、5月に登場の「トニートニー・チョッパー号」、7月から運行の「モンキー・D・ルフィ号」と3本のラッピング新幹線を運行予定だ。
SNSでの拡散により、国内だけでなく、海外でも親近感を持ってもらえる効果も期待できるラッピング新幹線は、今後も各JRの新幹線で続々登場する勢いだ。
【DIMEの読み】
東海道新幹線は、そもそも乗客が多いのに加え、インバウンドも増加。そこで「ひかり」や「こだま」で人気アニメとコラボした特別編成を運行することで観光客の分散化を図る可能性が高まりそうだ。
JR東海|Wonderful Dreams Shinkansen
東京ディズニーリゾートとコラボした特別編成
2月から9月中旬まで運行予定の特別塗装新幹線。東京ディズニーシーの新テーマポート「ファンタジースプリングス」のフローズンキングダム、ラプンツェルの森、ピーターパンのネバーランドをイメージしたデザインとなっている。
1号車と16号車には、アナ、エルサ、ピーターパン、ラプンツェルの姿が。
ヘッドカバーも特別仕様。グリーン車とテレワーク用の7号車は通常カバーなのでご注意を。
この新幹線で東京ディズニーリゾートへ行くツアーに参加するとオリジナルグッズがもらえる。
JR西日本|ONE PIECE新幹線
〝偉大なる鉄路(グランドライン)〟を走る新幹線が登場!
エヴァ、ハローキティに次ぐ山陽新幹線の第3弾となるキャラクター車両。これまでは500系の1編成をラッピングしていたが、今回は700系を3編成ラッピング。現在は「せとうちブルー号」が新大阪〜博多間、岡山〜博多間の「こだま」として運行中。
取材・文/渡辺雅史 編集/寺田剛治
写真提供/JR東海 ©Disney、JR西日本 ©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション