
最近インスタで日記をつけはじめた私です。Xに比べてインプレッション数が露骨に出るわけでもなく、さらに私のフォロワー数がXは約27万人に対してインスタは約2万人と少ないのでリアクションが荒れにくくて居心地がいいので続けております。よければご登録ください。
皆さん覚えていますか「Clubhouse」
さて、SNSといえば最近「Be Real」が若い人の中で流行っているとはいえ、インスタ、TikTok、Xが中心の世の中です。Facebookは完全におじさんおばさん専用SNSになったイメージですね。最近の10代はXを見ず、さらにはLINEも家族間でしか使わない人もいるらしいですよ。メッセージのやりとりはインスタのDMが主らしいです。時代の移ろいを感じますねえ。
移ろいといえば皆さん覚えていますか「Clubhouse」。コロナ禍で1か月だけ爆発的に流行ったSNSのことを。初期は完全招待制のアプリで、1人もしくは誰かと会話をしているのを野次馬のように他の人も聴けて、さらには主催者の意向によっては話者として引っ張り上げられて参加できるといった音声特化型SNSです。2021年の1月末に著名人を中心に流行し、色んな方々が様々なトピックで井戸端会議だったり、はたまた真剣な討論をしていました。誰が聴いているかもわかるので、意外な人がROM専(古い用語ですね)しているのがわかるのも楽しかったです。かくいう私も漏れなく招待を受けて、久保みねヒャダの3人で試験的にトークしたものです。某大物音楽プロデューサーのトークグループを聴きに行ったら名前を呼ばれて引っ張り上げられそうになって、逃げたのもいい思い出です。
新型コロナが流行してちょうど一年、みんな会話に飢えていたのでしょうか。出演系のお仕事も減っていたのでしょうか。インセンティブが発生しないにもかかわらず無料でトークを配信していた皆様ですが、トークの内容がコタツ記者によって無秩序に再配信されるようになってからピターッと利用者が激減、当時Twitterでスペース機能が早々に追加され、それがほぼClubhouseと同じ役割だったこともあり1か月という短い期間で流行が終了しました。私、今までを思い返してもあらゆるジャンルの事象で1か月しか流行らなかったものなんて聞いたことがない。非常に稀有な経験でした。
Clubhouseが放った光は何だったのか?
当時の肌感ですがmixiと近しいものを感じていました。招待制ってとこですかね。誰から招待されたか、というある意味選民的なシステムに違和感を覚えたものです。そして、ステージとオーディエンスがしっかり分かれている点もムズムズしました。mixiで言えばマイミクか否かは大きかったと思います。イケてる人たちの戯れをオーディエンスとして指を咥えて観ている、そしてステージ上の人も誰かに観させている自覚があるのは私としてはストリップ的な悪趣味にすら感じたものです。たまにステージに上げるあたりもなんだかね。少し卑屈でしょうか。
結果、コロナが落ち着き著名人たちの会話はラジオやポッドキャストによりコンテンツに舞い戻り、スペースやインスタライブでの1人語りがサービス的に実施される昨今です。Clubhouseが放った光を思い出すたび、ユーザーがコンテンツを持ち出し合うSNSというメディアがいかに脆弱であること、時の移ろいと共に新しいメディアに飛び移る軽やかさが必要なことを戒めてくれている気がします。現にTwitterがXになって滅びの音色が聞こえてますし。でも今からTikTokはハマれないよな〜、わからんよ〜。
文/ヒャダイン
ヒャダイン
音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名 前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。様々なアーティストへ楽曲提供を行ない、自身もタレントとして活動。
※「ヒャダインの温故知新アナリティクス」は、雑誌「DIME」で好評連載中。本記事は、DIME6・7月合併号に掲載されたものです。