メリバとは、物語の結末が受け手の視点によって、ハッピーエンド・バッドエンドのどちらにも捉えられる結末を意味します。2012年ごろのSNS投稿をきっかけに、広まったとされています。
目次
メリバとはどういう意味?
物語の結末に込められた感情や視点は、受け手によって大きく異なります。最近では、複雑な結末を表す『メリバ』という言葉が注目されています。まずはメリバの基本的な意味と由来から見ていきましょう。
■メリバとは「メリーバッドエンド」の略称
メリバとは、『メリーバッドエンド』という言葉の略称です。『メリー(陽気な、祝福の)』と『バッドエンド(悪い結末)』という、相反する意味を持つ言葉を組み合わせた造語で、物語の結末に対する受け手の解釈が分かれるのが特徴です。
2012年ごろに、言葉の意味を定義付けたSNSの投稿が起源だといわれており、その後ネットスラングとして用いられるようになりました。映画・小説・漫画だけでなく、ゲームのエンディングやアルバムタイトルにも使われています。
■古くから使われている表現方法
『メリバ』という用語そのものは比較的新しいものですが、実は古くからさまざまな創作において使われてきました。
アンデルセンの『人魚姫』のように、主人公の選択や結末が悲劇にも救いにも感じられる物語が、メリバの例として挙げられます。
また、『マッチ売りの少女』『フランダースの犬』といった古典童話の結末も、メリバの要素を持っているといえるでしょう。日本でも落語の心中話などに、悲劇的ながらも愛を全うしたという解釈ができる作品も多く見られます。
メリバの特徴
メリバは、ストーリー展開の手法の一つです。ここでは、主な特徴を二つ挙げて解説します。
■解釈の仕方で結末が変わる
メリバは、物語の登場人物には幸福な結末に見えても、他の登場人物や読者からは悲劇的に映るなど、視点によって受け止め方が異なります。
典型的な例として、現実世界で苦しんでいる主人公が、死後に愛する人と再会するために命を絶つような物語が挙げられます。主人公自身の視点では幸福な結末ですが、読者からすれば悲しい終わり方だと感じられるでしょう。
また、登場人物の価値観が一般的でない場合も、解釈が分かれます。例えば、物語の主人公が意中の相手を束縛して『手に入れる』展開は、そのキャラクターにとっては幸福でも読者には後味の悪い結末です。
メリバの魅力は、単純な善悪・幸不幸では割り切れない、物語の深さと余韻にあります。だからこそ、物語の余韻を楽しみたい読者や、作品について考察したい人々に支持されているのです。
■モヤモヤした感覚が残る
読み終えた後に、はっきりとしない余韻や割り切れない感情が残ることも、メリバ作品にしばしば見られる特徴です。一見ハッピーエンドのように見えても、何かすっきりしない感覚が残る結末となるでしょう。
例えば、主人公は目標を達成したものの、大きな犠牲を伴ったり、問題の根本的な解決に至っていなかったりする場合などです。
このモヤモヤ感を、物語の余韻として楽しめる人もいますが、すっきりした結末を好む人には不満となって残ることもあります。
自分にとっては素晴らしい結末でも、他の人は後味が悪く感じる可能性もあるため、作品を勧める際には相手の好みを知っておくことが大切です。
類似している言葉との違い
物語の結末には、さまざまなパターンがあります。以下で、メリバ以外のエンディングについても知っておきましょう。
■ハッピーエンドとの違い
ハッピーエンドは、物語の登場人物が幸せになり、読者・視聴者も気持ち良く終えられる展開です。物語の要素が全てうまく収束し、爽快感・安心感を与えるのが特徴です。
ストーリーの完結感が強く、子どもやファミリー向けの作品に多く見られます。途中で悲しい展開になっても、最後には幸せに終わるため、安心して見ていられるでしょう。
ただし、よくある展開で結末を予測しやすい面もあるため、考察を好む人は物足りなさを感じるかもしれません。
■バッドエンドとの違い
バッドエンドは、登場人物にとって不幸な出来事で幕を閉じるストーリーを指します。場人物が死亡したり、事件が解決しなかったりと、全体的に不幸な展開で締めくくられるのが特徴です。特にホラー作品などでよく見られ、視聴後は暗い気持ちが残りがちです。
バッドエンドが全体的な不幸を描くのに対し、メリバは視点によって幸福と不幸が入れ替わる複雑さを持っています。解釈の余地が広いからこそ、物語について深く考えさせる力がメリバにはあるのです。
■オープンエンドとの違い
オープンエンドでは、結末がはっきりと描かれず、物語の余白を受け手に委ねる終わり方です。解釈の自由度が高く、作品について考え続ける余地を与えます。受け手によって解釈が違うというところは、メリバと共通する点です。
ただし、メリバは一つの明確な結末に二つの感情が混在するのに対し、オープンエンドは結末自体が曖昧なままで終わります。どちらも考察を促しますが、感情を揺さぶる方向性が異なります。
■トゥルーエンドとの違い
トゥルーエンドは、複数の結末がある作品で、物語の核心・本筋とされるエンディングを意味します。物語全体の核心や伏線が回収され、製作者が意図した『正史』を示す役割を持っています。
メリバとの最大の違いは、トゥルーエンドが必ずしも登場人物や読者にとって幸福とは限らない点です。物語として最も適切な結末を示すことが目的で、単に幸せな結末を提供するわけではありません。
また、トゥルーエンドは物語全体の意味を深く理解させる役割があり、作品の真相を明らかにする点に重きを置いています。
メリバな作品を楽しんでみよう
メリバは『メリーバッドエンド』の略称で、主人公・登場人物が幸福を感じていても、他の視点では不幸・悲劇と受け取られる結末を指します。見る人によって評価が分かれ、余韻や考察の余地が残るのが特徴です。
このような曖昧さを持つ物語は、読み手の価値観や経験によって全く異なる意味を持ち得るため、深い共感や議論を生み出します。さまざまな捉え方ができるメリバ作品で、自分なりの考察を楽しんでみましょう。
構成/編集部







DIME MAGAZINE














