夢女子とは、現実では叶わない関係性を、アニメや漫画などのキャラクターや、時には実在の著名人を相手に想像する女性を指します。自身を物語の中に投影し、その世界観を楽しむのが特徴です。
目次
夢女子とは?
『夢女子』は、サブカルチャーの世界で独特の位置を占める存在です。まずは、夢女子の意味や言葉の由来について解説します。
■キャラクターやアイドルに恋する女性ファン
『夢女子』とは、主にアニメ・漫画などの二次元キャラクターに恋する女性ファンを指す言葉です。この言葉は、1990年代に流行した『夢小説』に由来しているといわれています。
好きなキャラクターと自分が、恋愛したり交流したりする物語を楽しむ文化から生まれました。物語を想像する対象となるのは、アニメ・漫画などのキャラクターだけに限りません。アイドル・俳優・YouTuberなど、三次元の人物になる場合もあります。
中には、歴史上の人物に対して憧れたり、感情移入したりといったケースも少なくありません。また、相手との関係性についても、恋愛だけでなく、友情や家族関係など多様なつながりを空想する点も、夢女子文化の大きな特徴です。
夢女子のシーン別使い方
夢女子という言葉は、日常生活やオンライン上など、さまざまなシーンや状況で使われます。ここでは、具体的な使用例を見ていきましょう。
■自分に対しての使い方
『夢女子』は、自分自身のことを表現するときに使える言葉です。例えば、「私、夢女子なんだ」と自己紹介したり、「私は夢女子だから職場の男性は対象外なんだよね」と自分の恋愛観を説明したりする際に使うことがあります。
また、『アラサー夢女子』という言い方をしたり、「夢女子だから、リアルな恋愛には縁がない」とやや自虐的に使ったりすることもあるようです。
ただし、『夢女子』という言葉の意味を知らない相手や、架空の人物への恋愛感情に理解を示さない人もいるので、使用する場面は選ぶ必要があります。そのため、同じ趣味を持つ人との会話や、親しい友人との間で使うのが無難でしょう。
自分を『夢女子』と呼ぶことで、同じ趣味を持つコミュニティーとのつながりを見つけやすくなるというメリットもあります。
■他人に対しての使い方
『夢女子』は、他者に対しても使用できます。「あの人は夢女子で、自分で物語も書いているよ」「あの子とは夢女子友達なんだ」というように使うのが一般的です。しかし、他人を『夢女子』と呼ぶ際には注意が必要です。
中には、「夢女子であることを知られたくない」「そう呼ばれると恥ずかしい」と感じる人もいます。夢女子という言葉には、時に否定的なイメージが付きまとうこともあるため、相手の気持ちへの配慮が必要です。
お互いが夢女子であることを認識していたり、相手が公に表明していたりするなら問題ありませんが、そうでない場合は慎重に使うべきでしょう。
■SNSでの使い方
『夢女子』というワードは、SNSやネット掲示板でも頻繁に見られる言葉です。実生活で同じ趣味を持つ人との出会いが少ないため、オンラインで仲間を見つけたいというニーズから生まれています。
SNS上では、『#夢女子』などのハッシュタグを通じて、同じ趣味を持つ仲間と交流したり、自作の物語・イラストを発表したりする場としても活用されています。
また、フォローしている人から、最新グッズの発売情報をいち早くキャッチするための情報源にもなっているようです。
夢女子と他のファン層との違い
『推し』『腐女子』『リアコ』など、他のファン層と混同されがちですが、実はそれぞれに明確な違いが存在します。以下で、それぞれの違いについて確認しておきましょう。
■「推し」との違い
『推し』とは、自分が好きで応援しているアイドル・キャラクターを指す言葉です。もともとは、『~を推す』という動詞が、時代とともに名詞化されたのが由来です。応援のスタイルは人それぞれで、グッズ収集やライブ参加などを通して、その存在を楽しみます。
夢女子との違いは、対象に対して客観的に応援するか、主観的な関係性を楽しむかです。『推し』が対象を外から応援する立場なのに対し、夢女子は物語の中に自分自身を投影し、キャラクターとの親密な関係性を構築します。
また、推しの対象となるのは人物・キャラクターにとどまらず、特定の商品などになることがあるのも大きな違いでしょう。
■「腐女子」との違い
『腐女子』とは、主に男性同士の恋愛(BL)を好み、キャラクターの関係性を楽しむ女性を意味する言葉です。もともとある『婦女子』という言葉をもじったのが由来で、当事者となる女性たちが自虐的に使うようになったといわれています。
夢女子同様、リアルな男性よりアニメ・漫画の中の登場人物に興味を持ち、さまざまな妄想をするのが特徴です。
しかし、妄想の主体と対象が異なります。腐女子はキャラクター同士の恋愛に萌え、夢女子は自分とキャラクターの関係に心躍らせるのです。
■「リアコ」との違い
『リアコ』とは、『リアルに恋している』を略した言葉です。現実には手が届かない二次元のキャラクター・アイドルなどに対し、本気の恋愛感情を抱いている状態を指します。
夢女子は、架空のキャラクターとの恋愛を『夢』『妄想』として楽しむものの、エンターテイメントとして割り切っており、現実と区別できているのが特徴です。一方、リアコは対象に対して『現実の恋愛』に近い感情を抱きます。
そのため、対象が恋愛スキャンダルを起こすと、大きなショックを受けることもあります。また、リアコの対象は常に現実的に恋愛関係になるのが難しい相手であり、身近な人は含まれません。
夢女子の具体的な特徴
最後に、夢女子の主な特徴を三つ挙げて解説します。特徴を知ることで、夢女子とはどのような存在なのか、より深く理解できるでしょう。
■キャラクターとの恋愛を妄想する
夢女子の最も特徴的な行動は、好きなキャラクターとの恋愛を妄想することです。「もし、告白されたらどうしよう」「一緒にデートするならどこがいいだろう」といった、現実にはありえない状況を思い描きます。
思い描くシチュエーションも、さまざまです。キャラクターにヤキモチを焼かれたり、自分が傷ついたときに優しく慰めてくれたりと、多岐にわたります。
同じ学校の先輩・後輩や戦闘中に助け合う仲間、自分に一目惚れする相手など、相手との関係性の設定も自由自在です。
さらに、こうした妄想を『夢小説』として形にする人もいます。好きなキャラクターと自分を投影した、主人公(夢主)との物語を読んだり書いたりすることで、現実世界では叶わない自分だけの妄想をより楽しむのです。
■同じキャラクターが好きな人を拒否しがち
夢女子の特徴として、『同担拒否』と呼ばれる現象があります。これは、同じキャラクターが好きな人との関わりを拒絶する傾向を指します。
このような行動を取る理由は、夢女子にとって推しのキャラクターは特別な存在で、強い独占欲・所有欲を抱くことが多いためです。
友人と同じ人を好きになったときのような複雑な感情が生じ、他の人も同じキャラクターを好きだと知ると、『恋のライバル』として相手を見てしまうのです。
もちろん、同じ推しを持つ人と「○○君ってこういうところがいいよね」と共感し合って楽しめる夢女子もいます。しかし、キャラクターに本気に近い恋をしている場合、他者の存在が妄想世界を脅かすと感じてしまうこともあるでしょう。
■情報収集が得意でフットワークが軽い
夢女子は、推しに関するあらゆる情報を逃さないよう、常にアンテナを張っています。公式サイトでの新商品発表やイベント情報はもちろん、SNSを駆使した収集活動にも手を抜きません。
この情報収集能力の高さは、実際の行動力にも直結します。推しに関連するイベントには、たとえ遠方でもためらわず足を運ぶのが夢女子の特徴です。
半日以上かかる場所へも、「推しのためなら」という一心で出かける人もいます。フットワークの軽さと情報収集能力は、夢女子が推しとの距離を少しでも縮めようとする強い思いの表れといえるでしょう。
夢女子の意味や特徴を知ろう
夢女子とは、好きな二次元のキャラクターに対して、強い思い入れを持つ女性を指します。現実には叶わないシチュエーションを妄想し、自分だけの世界を楽しむのが特徴です。
似たような表現として、『推し』『腐女子』『リアコ』などがありますが、それぞれには明確な違いがあります。言葉の意味や行動の特徴などを知り、サブカルチャーやオタク文化についての理解を深めてみましょう。
構成/編集部







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