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知らないと損する!?自動車税をスマホ決済で支払うことの「意外な落とし穴」

2025.05.13

今年も来たぞこの季節が! みんな大好き自動車税納付の5月だぜぃ!

筆者の周りを見渡してみても、あちこちから溜め息が聞こえる。「あぁ、何で日本ってこんなに自動車税高ぇんだチクショウベラボーめ!」という声もする。何とか税額を安くする方法は……と模索してみても、残念ながらそこまで都合の良い話はない。

しかし、2025年の今では自宅にいながらにして自動車税を納付することができる。eLTAX(地方税ポータルシステム)を利用した納税システムが確立し、スマホがあればいつでもどこでも自動車税を支払うことができるようになったのだ。

ただし、このオンライン決済には意外な落とし穴も……。

ギリギリのタイミングで使える「スマホ納付」

2年前の5月末日のことである。筆者は東京の友人Aくんの自宅に宿泊していた。

Aくんと酒を飲み、あれこれ馬鹿話に華を咲かせていた時、ふとAくんが叫び出した。「そういや俺、自動車税払ってない!」。時刻は22時過ぎ。あと1時間足らずで自動車税の納付期限が過ぎてしまう。

しかし、問題はない。Aくんの手元には自動車税の納付書とスマホがある。納付書のバーコードをスマホのカメラにかざせば、PayPayやd払いなどのコード決済を介して即座に納税を済ませることができる(Aくんの場合はau PAYだった)。

こうして何とか滞納の危機を切り抜けたAくん。しかし考えてみれば、Aくんのような状況に陥った人は日本全国に数え切れないほどいたのではないか。「しまった、忘れた!」は誰にもあることで、それを何とかするための手段としてスマホ納付が確立していること、そしてそのような手段を用意した国及び自治体の働きは評価するべきだ。

しかし、たとえば「年内に該当の車を売却する予定」となればどうだろうか?

納税証明書の発行は自治体窓口で

中古車の売買に必要な「自動車税の納税証明書」。これがスマホ納付派にとっては、ちょっとした課題になってしまう。

スマホ納付を実施した場合、手元に残るのはスタンプも何も押されていない納付書だけだからだ。

もちろん、決済アプリの画面には決済の記録はちゃんと残ってはいるが、これは「納税証明」ではない。結局は居住の市区町村の窓口に問い合わせる形で納税証明書を発行してもらうしかない。そして、納税証明書の発行には手数料が発生する。

この手数料の支払いだが、2025年の今ではキャッシュレス決済を利用することができる。

埼玉県では去年2024年の4月から、納税証明書発行にかかる手数料の支払いは原則としてキャッシュレス決済のみになった。埼玉県は「全国で最も急進的なキャッシュレス推進県」として知られていて、県収入証紙は2023年12月に販売を終了している。

ただし、埼玉県の例は全国でも珍しい例であることも付け加えなければならないだろう。収入証紙の廃止に踏み切った都道府県は他にもあるが、それらの全てが窓口での現金納付を完全に断っているわけではない。ちなみに、筆者の地元である静岡県はキャッシュレス決済を充実させながら県収入証紙を残すという判断を選択している。

車検時の納税証明書提出は「原則不要」だが…

なお、車検場の職員が該当の車の自動車税納付状況を確認する際には原則として紙の納税証明書は不要である。

これは自動車税納付確認システム(JNKS)の確立によるもので、簡単に説明すれば車検場の職員がオンラインで納税証明をチェックできるという仕組みだ。軽自動車を対象にした軽JNKSは2023年1月から開始されている。そして、今年4月からは250cc超の二輪車が軽JNKSのデータベースに組み込まれている。

ただし、自動車税のスマホ納付からJNKSにそれが反映されるまで、最大3週間ほどかかってしまうという。タイムラグがあるのだが、その間に車検に臨まなければならない……となるとやはり紙の納税証明書が必要だ。

納税記録と民主主義

残念ながら、現状は「あらゆる場面で完全デジタル化」というわけではないようで、ところどころで昔ながらの手段が要求される状態である。

が、自動車税を中心とした「行政のデジタル化」は着実に進んでいる。

税額についての議論は様々あるが、「手軽に納税できる仕組みの構築」に反対する人はあまりいないだろう。筆者は実際に海外渡航で納付書を持ち込み、渡航先のホテルでスマホ納付を実施したことがある。結論だけを言えば、全く問題なく納付を済ませることができた。

ただ、現状は「できるだけ紙の証明書をもらっておきたい」という気がする。

納税証明書というものがなぜあるかというと、最大の目的は「この人はこの税金をちゃんと払いましたよ」ということを納税者側が記録として残すためだ。万が一の手違いによる二重課税を、この納税証明書が防いでくれる。「二重課税に抗議する手段」を用意するというのは、近代民主主義国には絶対になければならない仕組みである。記録は民主主義を担保している事実を、我々は今一度思い出すべきだ。

これらを踏まえつつ、自分にとってどのような納税の仕方が最適かを考えてみよう。

【画像・参考】
納税証明書(自動車税(種別割)の車検用・鉱区税を除く)-埼玉県
車体課税について-地方税共同機構

文/澤田真一

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