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NEXCO中日本がETCのシステム障害で迷走!?利用者を大混乱させた「珍対応」の結末

2025.05.13

4月6日にNEXCO中日本管内で発生した「ETCシステム障害」は、今に至るまで我が国の交通に大きな影を落としている。

料金所のETCゲートでの決済ができず、そこで車が停滞してしまうという現象が発生したのだ。これに起因する渋滞、そして事故も起きている。にもかかわらず、NEXCO中日本の対応は稚拙と言わざるを得なかった。

最大の問題は「料金の後日払い」である。これは5月2日まで、該当期間を走行していた車両に対して「Webでの支払い」を要求していたが、2日以降は一転して支払いを求めない方針に変わった。

しかし、ここでもまた問題が。「既に料金を支払った人はどうする?」という問題である。

チラシで後日払いを呼びかける

ETCが使えなくなった!

これは、料金所に差しかかったばかりの人にとっては重大なトラブルである。ETCゲートの前での立ち往生を余儀なくされ、係員の対応を待たなければならないからだ。

中には自己解決しようとして料金所の隙間を窺ったり、そこを目指そうと車を後進させる人もいるが、この行為は非常に危険。衝突事故につながる可能性が大きい行為である。

NEXCO中日本はこの対応に手間取った上、あるチラシを配ったことがさらなる非難を浴びてしまった。

後日払いを案内する内容のチラシである。

なぜ、ETCシステム障害が原因の長時間の停滞を余儀なくされたにもかかわらず、料金を要求するのか? この問いに関するNEXCO中日本の答えは、「高速道路の料金は利用の対価であり、所要時間を保証するものではない」だった。5月2日までは。

その方針が180度変わり、該当期間を走っていた車両(のドライバー)に対して料金を求めないという決定を打ち出した。既に料金を支払った人に対しても、還元や払い戻しを行うとしている。

支払い方法で異なる「還元の形」

この「還元や払い戻し」だが、支払い方法やマイレージサービスの登録状況などで方法が大きく異なる。

NEXCO中日本は、以下の6パターンで区切っている。ここでは還元方法も併記する。

(1)ETCクレジットカードまたはETCパーソナルカードをご利用でマイレージサービス登録済みの利用者-ETC マイレージサービスの還元額を付与
(2)ETCクレジットカードまたはETCパーソナルカードをご利用でマイレージサービス登録未了の利用者-カード会社または高速道路会社からの今後の請求分を減額することで還元
(3)ETCコーポレートカード利用者-高速道路会社からの今後の請求分を減額することで還元
(4)クレジットカード利用者-クオカードを送付することで還元
(5)現金利用者-クオカードを送付することで還元
(6)WEBサイト上等で支払手続き申し出を行った利用者、料金を支払っていない利用者-本来請求させていただくご利用料金と還元する額を同額とし、以後の請求はしない。

(1)から(3)、(6)のパターンに当てはまる利用者に関しては、NEXCO中日本に改めて申し出る必要はないとしている。しかし、(4)と(5)に関しては「当社WEBサイトに申請画面を用意しますので、WEBサイトより、申請に必要な情報を入力いただき申請をお願いします」と説明している。

クオカードで還元だって!?

さて、筆者個人が気になっているのは「クオカードでの還元」である。

現金やクレカで支払った高速料金をクオカードで……というのは、「還元」というよりも「お詫びのギフト」という感じがどうしてもしてしまう。そもそも、クオカードが使える店というのはどれだけあるのだろうか?

改めて調べてみると、クオカード対応店は全国約6万店舗。コンビニではセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、デイリーヤマザキなど計11の店で利用可能。だが、クオカードといえばやはり「書店のカード」というイメージが強い。紀伊國屋書店、三省堂書店、ジュンク堂書店、有隣堂、そして渋谷のランドマーク的存在になっている大盛堂書店でも利用できる。

言い換えれば、クオカードの「持ち幅」はこのあたり……ということだ。ENEOSで利用できる点は確かにありがたいが、正直使える店はそう多くないと感じてしまう。筆者としては、アマギフのほうが嬉しいのだが……。

国交省から厳重注意

この記事を執筆している最中、NEXCO中日本は国土交通省から厳重注意を言い渡された。国交大臣の中野洋昌氏が、NEXCO中日本社長の縄田正氏に対して「利用者への早急の対応」と「対策マニュアルの策定」を要求した。

なぜ、NEXCO中日本が一貫性に欠けた対応を行ったのか。それはつまるところ「NEXCO中日本が大規模システム障害の可能性を今まで想定していなかった」からではないか。

「絶対にシステム障害が発生しないキャッシュレス決済」というのは、まず存在しないと言い切ってもいいだろう。それが単純なヒューマンエラーかそうではないかはともかく、最先端テクノロジーは常にエラーやバグと隣り合わせ。それを事業者側が考慮していなかった……ということであれば、あまりに粗雑なシステム管理と言わざるを得ない。

今後、NEXCO各社がどのような対策マニュアルを提示するのかを我々はよく注意する必要がある。

【参考】
NEXCO中日本
4月6日ETCシステム障害時のご利用料金について-NEXCO中日本
クオカード

文/澤田真一

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