
物価高でダイソーやキャンドゥなどの100均をつい利用してしまう人は多いはずです。そこで注目したいのは「100均銘柄」。世間の人がよく利用している100均なら、きっと売上もよく、投資先としてもいいと思えるからです。
ダイソーは非上場!「100均優待」として唯一使えるのは…
ただし、いわゆる100均で、株主優待があるのはキャンドゥ(2698)(株価3,555円、最低投資額35万5,500円)のみ。実はダイソーは非上場で、セリア(2782)(株価2,889円、最低投資額28万8,
※株価は2025年5月7日時点
【100均優待】
キャンドゥ(2698)……株主優待あり
ダイソー……非上場
セリア(2782)……上場しているが株主優待はない
パルグループホールディングス(2726)……3COINS(スリーコインズ)を展開する。株主優待は宿泊施設割引
長い目で見ると“100均には底堅い人気”があるのでは
「100均」の業界に注目したい理由は、日本の現状では、物価高なのに収入は上がっていかないことにあります。そのため、今でも人気な100均は、今後、もっと利用する人を集めるのではないかという予想が立てられます。また、もし円高になれば材料を輸入する小売業は安く仕入れることができ、原価率が低くなるという有利なシナリオになってくる点にも注目です。
実際、キャンドゥやパルグループホールディングスは現時点でも増収増益で、詳しく説明をすると、キャンドゥの2025年2月期決算では売上高833億8,000万円となり、前年同期比では3.8%増。また、営業利益においては8億4,900万円(同249.7%増)。
パルグループホールディングスの決算も増収増益で、2025年2月期は売上高2,078.25億円で前年比7.9%増、そして営業利益は236.56億円で、前期比は27.1%増でした。
”100均で利用できる”株主優待はどれだけ?
キャンドゥの優待は正統派「100均優待」ですが、実は「100均で“使える”株主優待」は他にも存在します。
まず、王道のキャンドゥから紹介します。株主優待は100株で1枚100円+税相当分20枚分の優待券綴りを年に1度、8月権利でもらえます。300株では3年未満40枚、3年以上なら60枚といったように保有株数が増えると枚数も増えます。100均の商品を株主優待でまかないたいのなら、まずは100株、次に300株、その次は500株、1,000株といったように買い増していく方法がありますが、節約の達人としては「違う株主優待銘柄を保有することでもらえる優待を使い、100均を利用できる」とも提案したいところです。
なぜなら、キャンドゥ株では100株では20枚分もらえるのに300株では3年未満だと40枚しかもらえないからで、最小単元が一番お得なように思えるからです。そしてキャンドゥの理論株価は「割高」です。理論株価とは、現在の株価水準が割高か割安かを判断するもので購入タイミングの判断材料になります。割高水準で買ってしまうと、その後、株価が下がってしまうケースもあるため、リスク分散としても、他の銘柄の優待を使って100均商品が買えるなら知っておきたいと思う人も多いことでしょう。
やまや(9994)(株価2,861円、最低投資額28万6,100円)では、店内にダイソー商品が売っていた店舗を発見。これは全国すべてのやまやの全店舗ではないようですが、2024年11月末には47店舗にダイソーを併設するなど少しずつ増えているようです。つまり、店舗を選べばダイソー商品が買え、筆者も株主優待券でダイソー商品を買えることを確認。この時は、おつまみとダイソーのフリーザーバッグを購入。おつまみ3点で、ちょうどあと少しで1,000円を超える額で、500円分2枚、1,000円分の株主優待券を使いたかったので、端数調整として100均商品を選べてよかったです。
また、ファーマライズホールディングス(2796)(株価486円、最低投資額4万8,600円)の株主優待を使える「薬のヒグチ」でも店内にキャンドゥ商品を扱う店舗があり、先日、新宿都庁近くのパークタワー店に行ってきました。そして、ダイソー商品にも株主優待券が使えることを実証。「薬のヒグチ」にはキャンドゥ商品を扱っていない店舗もあるようですが、扱っている店舗であればウェットティッシュなどの日用品が安く調達できるというわけです。
株主優待はいくつかの商品から選べ、薬のヒグチで使える商品券は100株保有で2,500円分がもらえます。権利は11月。ただし継続保有1年以上の条件がついています。
そして、コンビニエンスストアでも100均商品を買えることをご存じでしょうか。筆者は稲畑産業(8098)(株価3,100円、最低投資額31万円)の株主優待でもらったQUOカードを使ってセブン-イレブンでダイソー商品を買ったことがあります。そうです、セブン-イレブンではダイソー商品を扱っていて、セブン-イレブンではQUOカードが使えるため「QUOカードで100均商品を買える」というわけです。QUOカードを株主優待にしている銘柄は稲畑産業以外にもたくさんあるので、他銘柄でもらったQUOカードでも100均商品が買えます。
セブン-イレブンではQUOカード以外にも使える株主優待があり、それは、セブン&アイ・ホールディングス(3382)(株価2,194円、最低投資額21万9,400円)の株主優待でもらえる商品券です。
このようにどんどん数珠つなぎになっていく「応用ワザ」を知っているならば、「手元にある株主優待券で100均商品を買いたい」と思えばこれらの方法を取ることができ、生活費を大きく削減できます。
文/谷口久美子