
ドナルド・トランプ大統領が2度目の就任を果たしてから約100日が経過した。トランプ関税に象徴されるように、社会や経済が大きな屁化を遂げようとしているが、現実をうまく乗りこなしていくためには、この新しいアメリカを検証して、実情を知る必要がある。
大統領支持率や米国の世界的地位など100日間の動静をチャートで振り返る
そんな中、世界最大規模の世論調査会社であるイプソスから〝トランプ2.0の最初の100日〟を考察したリポートが到着した。
このリポートでは、トランプ大統領の最初の100日間を大統領支持率、主な争点、政府の縮小、米国の世界的地位、そして人々が感じている不確実性がこの間にどのように変化したのか、という5つのチャートで振り返っている。
■1:支持率の低下
歴史的に、大統領は就任1日目と100日目の間に支持率が若干低下する傾向がある。実際、トランプ氏は特に無党派層の支持率が低下している。上がるものは必ず下がる。
■2:政治的過激主義 vs. 経済
2024年のアメリカ人にとっての大きな問題は経済、特にインフレと物価高だった。しかし、100日経った現在、アメリカ人全体が政治的過激主義と民主主義への脅威を憂慮するようになっている。
政治的過激主義への懸念が経済を抜き、主要な問題となっているほどだ。この恐怖は何だろうか?それは権威主義への恐怖であり、規範や慣行、法律との衝突によって生じる摩擦への反応でもある。
■3:政府の縮小
連邦政府の規模を縮小するという大枠の考え方は、比較的人気があり、アメリカ人の過半数がこのアイデアを支持している。しかし、そのためにトランプ大統領がとった具体的な手段を支持するアメリカ人ははるかに少ない。
国民は同じトピックについて、微妙に、時には相反する立場をとっている。ニュアンスと理解が、この変化する時代を乗り切る鍵なのだ。
■4:世界的な地位
世界的な地位 トランプ大統領の関税攻防戦の中、世界情勢におけるアメリカの役割に対する認識は、特にアメリカの最大貿易相手国の間で、選挙前と比べて大きく低下している。
2017年、米国は同様の評判の下落を経験した。しかし、今回の落ち込みはより顕著だ。
■5:不確実性
何よりも、トランプ2.0の最初の100日間は「不確実性」によって定義されている。 関税をめぐる不確実性、連邦政府をめぐる不確実性、移民をめぐる不確実性、連邦裁判制度をめぐる不確実性。年齢、所得、党派、都市、学歴、人種や民族に関係なく、アメリカ人はこの不確実性を痛感している。
調査結果について
ドナルド・トランプ大統領の就任から100日が経過してビジネスリーダー、意思決定者、そして議員がこの時代を効果的にリードするために知っておかなければならないのが、この「新しいアメリカ」だ。
しかし、多くの不確実性がある中で、どうリードして行けばよいのか。生活者の声に耳を傾け、決めつけずに現地の状況を知り、そこから効果的な対応策を練ることが重要となる。
新しいアメリカを知るということは、変化する国全体にアンテナを張り、気を配り、機敏に行動するということなのだ。
関連情報
https://www.ipsos.com/ja-jp
構成/清水眞希