
自動車事故は他人事ではない。いつ自分の身に起こるかわからない自動車事故だが、事故が起こったあとどのように行動すればいいか把握できているだろうか。
セレクトラ・ジャパンの運営するお金に関する情報を提供するメディア「スマートマネーライフ」は、2025年4月、自動車事故の経験がある全国の男女613名を対象に「自動車事故で悔しかったこと」に関するアンケートを実施。
また、その中で保険に関する後悔について回答した100名を対象に、「事故と保険」に関する追加調査も行ったので、詳細をお伝えしよう。
事故経験者の後悔トップ3は「運転への意識」「保険の備え方」「事故後の対応」
自動車事故を経験した回答者から寄せられた「こうしておけばよかった」のリアルな声をスマートマネーライフ編集部が分析。6つのカテゴリにまとめたので、ランキング形式で発表した。
第1位:運転への意識 37.7%(231名)
「慎重に運転すべきだった」「睡眠をしっかり取っておけばよかった」「自信を持ちすぎていた」など、基本的な運転行動の見直しを求める声が圧倒的であった。油断や疲れによる判断ミスへの反省が目立つ。
・バックの際、後方確認を片側のみ行ってしまった故の事故なので、もう少し思慮深く対応するべきだった。 26歳男性 宮城県
・慣れている道だからと油断しない。 38歳男性 愛知県
・夜中に不慣れな道を運転しなければ良かった。 51歳男性 東京都
・自分の運転を過信しない 58歳女性 愛知県
第2位:自動車保険の備え方 25.9%(159名)
「任意保険には必ず入るべき」「弁護士費用特約をつけておけばよかった」「補償内容をもっと手厚くすべきだった」といった声が多く、自動車保険の補償内容をよく理解して契約することの大切さが浮き彫りになった。
・小さいことでも弁護士特約に入ってたら使うべきと思った 48歳男性 千葉県
・自損の車両保険に入っておければ良い。 52歳男性 長野県
・保険の補償内容は自分である程度把握しておいた方がよい。 46歳男性 神奈川県
第3位:事故後の行動 21.5%(132名)
「解決を急ぎすぎた」「妥協するべきではなかった」など、事故直後の判断に関する後悔が多数。保険会社に任せる部分と、自ら主張すべき部分のバランスが重要といえる。
・事故にあった時の対応方法をもっと知っとくべきだった 39歳男性 福岡県
・相手から無理難題を言われたようだが、保険屋にお任せしていたので穏便に済んだ。自分でやろうとしないでよかった。 64歳男性 埼玉県
・保険会社にお任せせず、しっかりと自分が納得するまで交渉する 62歳男性 奈良県
第4位:車の装備 8.6%(53名)
ほとんどがドライブレコーダーに関するものであった。「装着していなかった」「後方や駐車中の記録ができなかった」と、証拠が残せなかったことへの後悔が目立つ。
・24時間360度撮影のドラレコを付ければ良かった。 52歳女性 神奈川県
・ドラレコを監視モードにしておけばよかったと思った 51歳男性 島根県
第5位:初動対応の大切さ 5.5%(34名)
「すぐに警察を呼べばよかった」「現場写真を撮っておけばよかった」など、事故発生直後の対応に関する後悔。落ち着いて行動し、関係機関へ速やかに連絡することの重要性が再確認された。
・相手の事情より、さっさと警察呼んでればよかった。 65歳女性 千葉県
・車を移動させる前に現場写真を撮っておきたかった 66歳男性 福島県
自動車保険はどう選ぶべき?
「自動車保険の備え方」は、事故後の後悔を減らすための重要なポイントだ。
そこでスマートマネーライフ編集部では「今後に生かしたい教訓」として自動車保険について言及した100名に対し、補償内容や保険会社の選び方についてさらに詳しく調査を実施。
実際に使われた補償として「車両保険」や「対物・対人賠償」が多く挙げられていた。「弁護士費用特約」も、事故後に後悔しないための重要な備えとして注目されている。
また、保険会社選びでは「事故時の対応が丁寧で早いこと」が最も重視される傾向にあった。
事故の内容は「追突事故」が最も多く、続いて「右折・左折時の衝突」という結果に。
追突事故が多いことから、自動車保険では「対物賠償」「車両保険」「対人賠償」の補償が多く利用されている。
これに続いて、相手車両の修理費が賠償限度額を超えた場合に備える「対物超過費用特約」や、修理期間中の代車費用を補償する「レンタカー特約」も実際に使った補償として目立つ。
これらの特約は、契約時に意識的に付帯しておくことで、実際の事故時に役立つ補償となる。
一方、「弁護士費用特約」は、実際に使用した人は少なかったものの、後悔の声として多く挙がっており、「付帯しておけばよかった」と感じる補償の代表例となっている。
保険に対しての悔しい思いをより細かく分析すると「保険会社への対応」についての不満が多く、保険契約については「車両保険」への不満が目立つ。
保険会社への不満に対するより細かい調査では「相手方との交渉が不十分だった」「対応が遅かった」といった声が目立った。こうした交渉力や対応力は、契約時点で判断するのが難しいのが実情となっている。
いざというときに備え、納得がいかない場合は担当者の変更を依頼する、弁護士費用特約を活用するなど、自分の立場を守る手段も把握しておくことが重要だ。
保険会社には、万一の際にすぐ相談できて、迅速に対応してくれる体制が求められる。そのため、保険会社の口コミやレビューをチェックする際は、「事故時の対応の速さと丁寧さ」に注目することで、効率的に比較・検討することができる。
自動車保険で後悔を防ぐには?─スマートマネーライフ編集部が100名アンケートからポイントを解説
実際に自動車事故を経験した100名の回答をもとに、「入っていてよかった」「入っておけばよかった」と感じた補償や、保険会社への評価で共通して挙がったポイントを整理します。
任意保険の基本補償に加え、見直すべき補償内容や保険会社選びの視点として参考にしてください。
■車両保険には加入すべき。保険金額設定は慎重に。新車の場合は「車両新価特約」も付けると安心
事故後、「車両保険に入っておけばよかった」と感じた人は少なくありません。補償範囲は自損事故もカバーできる一般条件を推奨します。
特に相手のいない事故や、相手が保険に入っていない場合、修理費が全額自己負担になるリスクがあります。保険金額の設定は中古車市場もよく見ながら「現実的にいくら必要か」よく見極めましょう。
また、補償金額は車の時価額が基準となるため、新車を購入したばかりの方は「車両新価特約(新車特約)」の付帯がおすすめ。
修理をしてしまうと事故車になって価値が大きく下がることが想定されますので、十分な補償を受けられるよう備えておくことで、いざという時の後悔を防げます。
■弁護士費用特約はトラブル時に強力な味方になるので加入を推奨
事故後の交渉やトラブル対応で「弁護士費用特約があればよかった」と感じた人は多く見られました。保険契約への不満で多かった「車両保険」の評価額に関する交渉などでも力を発揮します。
相手との話し合いがこじれたり、保険会社の対応に納得できなかった場合でも、専門家に相談できる環境があることは大きな安心につながります。
保険料への影響が少ない割に得られるメリットが大きいため、特に自動車事故の対応に不安がある方には付帯を強くおすすめします。小さなトラブルでも使える心強い特約です。
■保険会社のレビューは「事故時のサポート対応が丁寧で早いこと」を重視する
事故後に保険会社への不満として多かったのは、「対応が遅い」「事務的で冷たかった」「こちらの主張をうまく代弁してくれなかった」といった声でした。一方で、「丁寧で迅速な対応に救われた」と感謝する声も。
保険会社選びでは補償内容だけでなく、実際の事故対応に関する口コミやレビューのチェックも重要です。
とくに“困ったときにすぐ相談できる体制”があるかどうかは、契約時の判断材料としてしっかり確認しましょう。
調査概要
調査期間:2025年4月17日~4月18日
調査対象:
・スクリーニング調査3,000名の内、設問5にコメントを寄せた613名
・自動車保険に関する後悔があった100名
調査方法:インターネット調査
調査機関:アイブリッジ株式会社
引用元
https://smart-moneylife.jp/car/accident-survey
構成/Ara