
旅行をする際、最短ルートで目的地に行くのもいいが、のんびりフェリーに乗って旅するのもまた味わい深いものだ。
そこで世界中でフェリーのオンラインチケット販売をするViaferryは、日本でのサービス開始を見据え、一般の回答者1,000名と、フェリー利用経験者100名を対象にした2回のアンケート調査を実施したので、結果をお伝えしよう。
何度もフェリーに乗ったことがある男性は23.8%であるのに対し、女性はわずか5.0%
回答者全体のうち、少なくとも一度はフェリーを利用したことがある人は41%にのぼったが、性別による差が際立っていた。
何度もフェリーを利用したことがあると回答した男性は23.8%(500人中52人)であるのに対し、女性はわずか5.0%(500人中25人)にとどまっている。
一方で、フェリーに乗ったことはないものの興味がある女性は23.2%(500人中116人)で、男性の16.6%を上回っていた。
このギャップは、フェリー未経験ながら関心の高い女性層が一定数いることを示唆しており、マーケティングの工夫によって新たな利用者層の開拓が期待される。
同時に、フェリーを定期的に利用する男性の“ヘビーユーザー”層がすでに存在していることも裏付けられた。
全体として、船酔いと安全性に関する懸念が上位を占めた。特に、女性の32.0%が船酔いを最も懸念しており、男性の20.0%を大きく上回っている。一方で、「特に懸念はない」と回答した男性は36.2%にのぼるのに対し、女性はわずか23.6%にとどまった。
このような結果から、快適性や船の安定性に関する施策の必要性が浮き彫りに。例えば、揺れを軽減する技術の導入や、安全対策に関する情報の明確化などを通じて、特に女性旅行者の不安を和らげることが求められる。
環境に配慮したフェリーを「ぜひ選びたい」または「選ぶ可能性はある」と回答した割合は、男性で合計32.4%、女性で28.8%であった。一方で、男女ともに約40%が「おそらく選ばない」あるいは環境対応が「選択には影響しない」と答えている。
この結果は、環境意識の高い旅行者が一定数いることを示す一方で、より多くの人に訴求するには、環境に関する明確なメッセージや排出削減への具体的な取り組みの「見える化」が必要であることを示している。
フェリー旅行で重視することは「旅の途中の景色・コスパ・快適さと設備」
フェリー利用経験者のうち、83%がレジャー・休暇目的であると回答しており、この傾向は男女でほぼ同じ(男性42名、女性41名)であった。
通勤目的でフェリーを利用しているのは男性のわずか4%、出張などのビジネス目的はわずか1%にとどまり、フェリーが日常的な交通手段というよりも、主に観光やレジャーに利用されている実態が明らかに。
「非常に良い」または「良い」と過去のフェリー体験を評価した男性は88%にのぼるのに対し、女性は65%にとどまった。
一方で、「普通」と答えた女性は31%で、男性のわずか7.7%と大きな差が見られる。この結果は、サービスの質や船内の快適性が、特に女性の期待を十分に満たしていない可能性を示唆している。
フェリー選びの決め手として「コストパフォーマンス」を最重視する男性は42.3%で、女性の22.9%を大きく上回った。一方で、「快適さと設備」を最重視する女性は31.3%に達し、男性の17.3%を上回っている。
この明確な傾向は、価格に敏感な男性旅行者を取り込むには競争力のある料金設定が重要であること、また、座席や客室、船内全体の快適性向上への投資が、女性乗客を引きつけるために不可欠であるようだ。
まとめ
今回の調査により、フェリーチケットサイト「Viaferry」が日本でのサービスを開始する上で参考になる、明確な性別ごとの傾向が明らかになった。
日本の男性は、コスト重視で既存サービスに高い満足度を示す“ヘビーユーザー”として位置づけられる一方で、女性は快適性、安全性、船酔いに特に敏感な、関心は高いものの利用に慎重な層であることが判明。
女性回答者の約半数が今後のフェリー利用について未定であると回答しており、客室のアップグレード、揺れ対策技術、安全対策情報の充実といった改善施策によって、取り込みが期待できるターゲット層となっている。
また、回答者の約3分の1は環境に配慮したフェリーへの関心を示しており、環境への影響やメリットを明確に打ち出す、より強力なサステナビリティメッセージの発信が求められる。
構成/Ara