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ブームの兆し!?コスパも満足度も高い〝ご祝儀1万円婚〟は定着するか

2025.05.03

結婚や結婚式のスタイルが多様化する現代。理想の式を挙げたいという人もいれば、ウェディングフォトだけで十分という人もいるだろう。

その一方で、結婚式自体はしたいけれど、「結婚式=高額」というイメージがあり、ためらってしまう人もいるのではないだろうか。

そんな中、参列者側のご祝儀に対する本音を調査したのは、カジュアルウェディングを展開するタメニー。2024年9月、20~44歳の未婚男女484人に対して実施した調査「ご祝儀費用と結婚式の満足度」によると、結婚式に参加する立場として、ご祝儀の相場である3万円を「高い」と感じる人が64%にのぼった。

そこで同社は、「ご祝儀って1万円くらいがちょうどいい」をコンセプトに、新郎新婦にもゲストにも費用負担の少ない結婚式サービスを打ち出した。

今回はご祝儀や結婚式のトレンドと「ご祝儀1万円婚」について、ウェディング業界20年のタメニー株式会社 ウェディング事業本部の山本さんに話を聞いた。

【取材協力】

タメニー株式会社 ウェディング事業本部 副本部長 山本真也さん

ウェディング業界歴約20年。前職ではウェディングプランナーとしてこれまでに数多くのカップルの「一生に一度」をサポートしてきた。

その経験を活かし、ウェディング事業本部の副本部長として、サービスの品質向上やチームのマネジメントに取り組み、ウェディングフォトスタジオ「studio LUMINOUS(スタジオルミナス)」の立ち上げや、挙式お披露目パーティープロデュース「ラフスタ」の企画・推進に携わる。

ご祝儀3万円の“当たり前”は、いつから始まったのか?

そもそも、なぜご祝儀は3万円が相場となったのだろうか。

山本さんによると、昔の日本の結婚式は自宅で執り行われる「自宅婚」が主流で、新郎新婦やそのご家族が親族をおもてなししており、ご祝儀という習慣は存在しなかった。しかし、バブル期に入り、芸能人の結婚式でゴンドラに乗って登場するような「派手婚」が行われ、注目を集めると、一般の人々の間でも、ホテルや結婚式場で挙式を行うスタイルが広まった。その中で生まれたのがご祝儀という習慣だ。

「ホテルや結婚式場の挙式では、ゲストが招かれるようになり、そのゲストが新郎新婦様やご家族様にお祝いの気持ちを込めて金銭をお渡しする、というかたちで始まったのがご祝儀だと言われています。

もともと金額に決まりはなかったのですが、結婚式の費用が300~400万円と高額になる中で、料理や引き物、演出を合わせると、ゲスト一人当たりの費用は3~4万円にのぼります。さらに、割り切れる数字を避けるという文化的背景もあり、3万円や5万円という金額が自然に定着していきました」

ではすっかり定着したご祝儀は、何がきっかけで「高い」と言われ出したのだろうか。

「昔から、ご祝儀を高いと感じていた人はいたと思います。でも結婚や結婚式自体が、“して当たり前のもの”ではなく、“選択するもの”へと変化し、SNSを通じて結婚式に対する意見も共有されやすくなったことで、徐々にそういった声が広がったのだと思います」

結婚式は新郎新婦にとって一生に一度であり、丁寧なおもてなしに豪華な料理や引き出物のひとつひとつからは、新郎新婦の想いが感じられる。一方で、お祝いしたいという気持ちはあっても、3万円が少し負担に感じてしまう―そんな本音を持つ人も少なくないのかもしれない。

無理のない予算で自分たちらしい結婚式を求めるカップルが増加

一方で、結婚式を挙げたいと考える新郎新婦側は、どのような式を求めているのだろうか。山本さんによれば、「両親や友人に感謝の気持ちを伝えたい」という本質的な想いは変わっていないのだという。ただし、内容や費用に対する考え方に変化があるようだ。

「例えば神前式では、おかつらをするのが常識でしたが、今は洋髪にしたいという方もいるなど、“結婚式の当たり前”が変わってきていますね。また、新生活を見据えて、無理のない範囲で式を挙げたいという方が増えています。

その背景には、昔に比べ親御様からの経済的な援助がなくなってきているという、親御様世代の変化もあります。ご両親に負担をかけるよりも、自分たちが納得できる費用や内容の結婚式を求めるカップルが多い印象です」

ご祝儀文化に一石を投じたサービス「ラフスタ」とは

こうしたニーズを受けて、タメニーは2024年9月「ご祝儀って1万円くらいがちょうどいい」というコンセプトで、新サービス「ラフスタ」をスタートした。

「ラフスタ」では、費用約100万円・ご祝儀1万円程度で、挙式とブッフェ形式のパーティーを開催できる。従来の結婚式で一般的とされた費用350万円前後、ご祝儀3万円以上の常識を打ち破るサービスだ。

費用約100万円で、50~60名規模のゲストを招く結婚式を想定しており、ご祝儀を1人あたり1万円と見込めば、実質の自己負担額は50万~60万円程度に収まりそうだ。

なぜこんなにもリーズナブルな結婚式が叶うのだろうか。以下のような理由があるという。

・コース料理でなくカジュアルなビュッフェ形式を採用
・自社会場を持たず、建設費や設備維持のかからない提携会場を活用
・提携会場のオフシーズンや、直近の日程などの空き枠を利用
・「ラフスタ」以外のサービスを含め、年間千~数千件の披露宴・パーティーを手がけるため、アイテムを安価に仕入れ可能

一方で、新郎新婦にとっては、費用面以外の自分たちのニーズを満たしてくれるのかどうかも気になるところだろう。

「ラフスタ」では、全国600以上挙式・パーティー会場からイメージや予算に合わせて提案可能だ。内容についても、プランナーがカジュアルなゲームからセレモニー風の感動的な演出まで、希望に応じて自由にプランニングしてくれる。

また、高級ホテルと多数提携実績を持つドレスショップ「フォーシス アンド カンパニー」と提携しているので憧れの高品質な衣裳を着ることもできそうだ。

「ラフスタ」挙式会場例

さらに、結婚式といえば豪華なコース料理というイメージが強いが、カジュアルなビュッフェスタイルはどう受け取られているのだろうか。

「はじめは、ビュッフェに抵抗がある新郎新婦がいるのではないかと懸念していました。でも実際相談に来られる新郎新婦様は、ビュッフェに抵抗のない方が多いですね」

さらに前述の同社の調査でも、23%がコース料理を支持する一方で、結婚披露宴の料理の形態について「特にこだわりはない」と考える人が約半数を占めている。

Q.結婚披露宴の料理についてお聞きします。コース料理となるのが一般的ですが、この形態について、正直な思いとしてどうお感じですか?(n=484)

「ラフスタ」初の挙式カップルは「結婚式を挙げるつもりがなかった」

2024年10月、同サービス初の結婚式が行われた。新郎新婦はもともと結婚式に興味がなく、「わざわざ3万円払ってまで来てもらわなくてよいかな」と思っていたという。そんな中、自分たちが主役になりすぎない結婚式ができるという提案に惹かれて「ラフスタ」に興味を持った。

新郎新婦からは「ゲストや親族の会費が安いので気楽な気持ちでできた。みんなの負担が少なくお披露目の場が作れた」、ゲストからは「こんなカジュアルで新郎新婦と話しやすくて距離が近い結婚式は初めて!」と好評だったそうだ。

「ラフスタ」パーティーの様子。ゲストもTシャツにジャケットなどカジュアルな装いだ。

サービス開始から7カ月が経過し、現在の反響はどうだろうか。

「そこまで大々的な広告展開はしていませんが、想定以上のお問い合わせをいただいていて、手応えも十分に感じています。4月から本格的に「ラフスタ」をスタートさせるので、お客様の声を聞きながらサービス内容をブラッシュアップしたいと思います」

「ラフスタ」が目指すのは、結婚式の選択肢を増やすこと

「ラフスタ」という名前には、カジュアル(rough)、笑顔(laugh)といった2つの意味が込められているという。その新サービスに込めた想いを伺った。

「弊社は『よりよい人生をつくる。』を企業理念に掲げ、お客様のニーズに寄り添ったサービスをつくり、価値として届けていきたいと考えています。

「ラフスタ」を開発した背景には、ご祝儀への価値観の変化や、「ナシ婚」と呼ばれる結婚式を挙げない選択が増えていることがあります。

結婚式の新たな選択肢を作ることで、より多くの方が挙式を実現できるようになり、新郎新婦様はもちろん、その周囲の方々にも笑顔や幸せが広がっていくといいなと思っています」

山本さんは、必ずしもお金のかかる結婚式を否定しているわけではない。創意工夫がこらされることは、ゲストの満足度や品質の向上にとって大事だと語る。一方で、高額になればなるほど、結婚式を挙げられるのは限られた人々にとどまってしまう。だからこそ新しい選択肢を作りたいのだという。

満足できる結婚式を迎えるために大切なこととは

最後に、新郎新婦にとって結婚式を心から満足できるものにするために、大切なことは何だろうか。

「結婚式は、ゲストに感謝の気持ちをしっかりと伝えられる、数少ない機会だと思います。豪華な式でもアットホームな少人数の式でも、さまざまな選択肢から、自分たちらしいと思える結婚式をつくりあげていくこと。そこが大事なんじゃないかと思います」

どのような結婚式であっても大切なのは、感謝の気持ちを自分たちらしく表現することだと語る山本さん。結婚式をするかどうか悩む人にとって、その費用感やカジュアルさは、新たな選択肢となるのではないだろうか。

いよいよこれから本格的に「ラフスタ」での結婚式が始まるという。今後結婚式の新たなスタイルがどのように受け入れられ、進化していくのか、その動向に注目したい。

取材・文/宇田川きょうこ

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