証券口座やキャッシュレス決済サービスを裏技的に使う
あまり褒められた方法ではなく、利用対象となる金融機関からすればコストだけがかかるので、利用状況を見られて、口座利用停止になる恐れもあるのだが、手数料の無料回数を気にせず、自分の銀行口座間で資金を無料で安全にほぼリアルタイムで移動する方法がある。
それが、銀行口座と紐づいた証券口座の即時入金サービスを利用する方法と、決済アプリPayPayのPayPay銀行への出金サービスを利用する方法の2パターン。
前者の場合は、
●GMOクリック証券とGMOあおぞら銀行の口座を開設し、証券コネクト口座を設定する
●SBI証券と住信SBIネット銀行の口座を開設し、SBIハイブリッド預金を設定する
が挙げられるだろう。
例えば、GMOクリック証券の口座へ即時入金するサービスを利用し、即時入金に対応する銀行からGMOクリック証券の口座に資金を移動する。即時入金は手数料無料で利用できる。移動した資金を証券コネクト口座に設定した、GMOあおぞらネット銀行の口座に振り替えると、無料で資金が移動できたことになる。あとはGMOあおぞらネット銀行のATM無料回数や振込手数料無料回数を使えばよい。
GMOクリック証券口座に入っている資金をリアルタイムでGMOあおぞらネット銀行と出し入れできる。毎日5:30~6:30と15:30~17:30は利用できない。
SBI証券でも同じように、SBI証券へ即時入金した資金をSBIハイブリッド預金のサービスで住信SBIネット銀行に振り替えることができる。即時で振替ができるのは平日のみの制約があるが無料で資金が移動できる。
決済アプリPayPayはPayPay銀行への出金が無料
同グループの証券口座と銀行口座を接続する方法と同じ形でPayPayもPayPay銀行へ無料で出金ができる。
PayPayのオンラインチャージに対応する銀行からPayPayにチャージし、PayPay銀行へ無料で出金しPayPay銀行で設定されている無料回数を使うもよし、無料回数が無ければPayPay銀行からさらに証券口座に入金し、例えばGMOクリック証券に入金しGMOあおぞらネット銀行に移動する方法も可能だ。
PayPayのオンラインチャージは1000社以上の銀行口座に対応している。
繰り返しになるが、本来の証券会社やPayPayへの入金サービスと銀行口座との連携サービスをズル賢く活用している方法なので、自己責任で使ってもらいたいのと、金融機関にとってはコストしかかからない方法なので、この方式が突然利用不能になる可能性もある点理解しておいてほしい。
現金を使う場面でのコストはできるだけカットしたい
2025年3月31日付で経済産業省が発表したところによると、2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%と、現金を使わない支払場面が多くなっている。
出典:経済産業省
一方、官公庁への手数料納付に使う収入印紙は現金でしか購入できない、学校の教材費などの集金は現金で持っていく方式がまだある、などで現金オンリーの場面は一定数存在する。
同じように支払いが銀行振込しか対応していない場合も、少なくないだろう。
このような場合に備えて、銀行口座の2大コストであるATM手数料と振込手数料をゼロにするには、やはり、ネット銀行をはじめとした銀行の無料回数を上手く活用してほしい。
文/久我吉史