
「Apple Intelligence」の日本語対応が始まりました。最新モデルiPhone 16eでその使い方をチェックしてみましょう。
目次
アップルのAI機能である「Apple Intelligence」は、2025年4月1日(日本時間)に、日本語対応を開始しました。対応製品で、さまざまな新機能が利用できるようになっています。
Apple Intelligenceはデバイス上で作業を行う関係から、端末には高い処理能力が求められますが、廉価モデルとして新たに登場したiPhone 16eでも、利用できるため、多くのユーザーが新機能を試すことができます。
本記事では、そんなApple Intelligenceの機能を、iPhone 16eを使いながら、紹介していきます。
アップルのApple Intelligenceってどんなことができる?
まずは、Apple Intelligenceの概要について、簡単におさらいしておきましょう。
■アップルデバイスの使い方を刷新する(かもしれない)Apple Intelligence
Apple Intelligenceとは、アップルがアップルデバイスにて提供する新しいAI機能の総称。対応するiPhoneやiPad、Macといったさまざまなデバイスで利用できます。
AI機能というと、文章やイラスト生成というイメージが強いかもしれませんが、アシスタント機能の強化や、通知の最適化など、さりげなく便利になる部分も多くあります。
■Apple IntelligenceはChatGPTにもアカウントなしで接続できる
Apple Intelligenceの特徴の1つに、別途アカウントを作成しなくても、Siriや作文ツールから、ChatGPTに接続できる点があります。
いわずと知れた高性能AIに、簡潔にアクセスできるので、活用していくと、いろいろな作業の効率化が図れるでしょう。
■Apple Intelligenceの日本語対応はいつから?
Apple Intelligenceの英語版は、2024年10月ごろから提供されていましたが、日本語対応は長らく待たれている状態でした。満を持して、4月1日(日本時間)より、日本語版の提供も開始し、執筆時点で、対応機種から利用できるようになっています。
■Apple IntelligenceはiPhone 15 ProシリーズやiPhone 16ファミリーに対応
Apple Intelligenceは、iOS 18.4、iPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4で利用できますが、中でも対応機種には制限があります。
iPhoneでいうと、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxや、iPhone 16シリーズの4モデル、新たに登場したiPhone 16eが対象となります。比較的新しく、高性能なチップセットを搭載したモデルでのみ利用できるので、廉価モデルのiPhone 16eが加わったことが、大きな特徴ともいえます。
■Apple Intelligenceを使うための初期設定
対応機種であっても、Apple Intelligenceを使うためには、初期設定が必要になります。デフォルトでオンになっている場合もありますが、起動できない場合は、設定を確認しましょう。
iPhoneの場合は、設定アプリの「Apple IntelligenceとSiri」に進み、「Apple Intelligenceをオンにする」をタップすればOKです。
iPhone 16eでも使えるApple Intelligenceの便利機能の使い方をチェック
それでは、iPhone 16eで使えるApple Intelligenceの便利機能について、具体的に紹介していきます。なお、本記事で紹介する機能は、2025年4月時点で日本語版に対応したものとなります。
■文章の作成、要約、校正が簡単になる作文ツール
Apple Intelligenceの中でも、AI機能のかしこさを感じやすいのが、作文ツールです。名前の通り、文章を作成するだけでなく、長文の要約や校正ができる機能となります。
会議などでメモを箇条書きした際、後から議事録作成のために、内容の要約を求められた際には、Apple Intelligenceアイコンから「要約」をタップ。箇条書きされた内容をまとめ、どのような会議だったのかがわかりやすく確認できるようになります。
Apple Watch Series 10が発表された際の箇条書きメモを要約してみた
校正機能は、先に記した文章に誤用がないのかを確認できます。文章をまとめて書き直してもらったり、「フレンドリー」「プロフェッショナル」「簡潔」といったスタイルに調整することもできます。
結婚式の友人代表スピーチを校正、書き直ししてもらった
「作文」機能を開くと、ChatGPTと接続され、新規文章の作成が可能。簡単に指示を出すだけで、意に沿った内容を書いてくれるので、ビジネスメールや、あいさつの定型文を作成する際に便利です。
■「写真」アプリの強化で画像検索や編集がより便利に
地味に便利になったと感じるのが、写真アプリのアップデートです。多数ある写真、動画を、ナチュラルな日本語で検索できるようになっており、目的の写真が出てくるまでの速度も高速。被写体に名前を設定していれば、名前を入力して、写っている画像を検索することもできます。
また、写真アプリ内で、クリーンアップツールを使えば、写真に写りこんでしまった、不要な対象物の削除が簡単に行えます。こちらも処理スピードが速く、手軽に編集機能が使えて便利でした。
■Siriも自然な日本語での会話ができるように
音声アシスタント機能のSiriも強化されており、〝アシスタント〟としての役割をより高精度にこなせるようになりました。
Siriとの会話は、より日常会話に近い形でできるようになっており、言葉に詰まるシーンや、単語を言い換えるといった状況でも、質問の意図をくみ取ってくれます。
簡単な質問には、オンデバイスで返答してくれるので、レスポンスが早いのも魅力。声が出せない状況では、キーボードで文字入力して質問することもできるので、電車内などでも気軽に使えるようになっています。
また、オンデバイスでは処理できない、高度な質問には、ChatGPTが代わりに回答してくれます。
■オリジナルの画像や絵文字が作成できる
Image Playgroundでは、自分が撮った写真やテキストデータをもとに、独自のイラストが生成できます。生成できるイラストは、「アニメーション」「イラスト」「スケッチ」の3パターンですが、別のタッチも随時追加されていくようです。
同じように、テキストを使って、絵文字の生成ができるジェン文字は、メッセージの文中に追加したり、ステッカー、リアクションとして使うことが可能。イラストは複数パターン生成されるので、気に入ったものを手軽に使うことができます。
■Apple Intelligenceで大切なメールの見落としが激減するかも
Apple Intelligenceで個人的に最も期待しているのが、メール内容や通知の要約機能です。
従来は、メールが届いた際には、新着順に、件名と本文の冒頭が確認できましたが、Apple Intelligenceを利用すると、タイミングごとに、重要度の高いメールが上に表示されるようになります。また、件名の下には、本文の内容を簡潔にまとめた文章が表示されるため、本文を開かなくても、ある程度内容が確認できるようになっています。
メールの優先通知は、例えば飛行機のフライト時間、eチケットが添付されたメールを、搭乗する当日に、前に提示してくれるといったものです。パーソナライズ化されたAI機能であるため、長くメールアプリを使っていくと、どんどんユーザーに合わせて精度が向上していくため、今後さらに便利になっていくことに期待ができます。
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※データは2025年4月上旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦