
NTTファイナンスを名乗る業者からの詐欺電話が相次いでいる。数年前から続く手口だが細部が異なるなど巧妙化しているため、見分け方と電話してしまった場合の対処法をまとめた。
目次
NTTファイナンスを名乗る電話がスマートフォンや自宅の電話にかかってくるケースが増加している。これらのほとんどは詐欺電話であることを警察やNTTファイナンス、各自治体などが周知しているが、「怪しい」と思いつつも具体的な大手企業の名前を出されることで話を聞いてしまう人は少なくないだろう。
本記事では、NTTファイナンスを名乗る詐欺について、主な手口や詐欺として利用される媒体について解説すると共に、もしも詐欺電話に応じてしまった場合にどうすればよいかの対処法も紹介する。
NTTファイナンスを名乗る詐欺が増加中。電話を受けたときの連絡先と特徴は?
NTTファイナンスを名乗る詐欺は、2023年頃から増えはじめている。NTTファイナンスのデータによれば、NTTファイナンスのお客様相談センターに寄せられた不審な電話の問い合わせ件数は毎月1,500件以上、2024年9月から2025年1月にかけては毎月2,000件から3,000件と高い数値で推移している。
本物そっくりの自動音声ガイダンスに要注意!「偽NTTファイナンス」のオペレーターと話してみた
5月6日、「NTTファイナンス」を名乗る自動音声の電話が筆者のスマホにかかってきた。 有料サイトの料金が1年間も未納で、近々筆者に対して法的措置を取るという。 ...
■NTTファイナンス詐欺の特徴1:主な内容は「利用停止」や「料金未納」などの脅迫
詐欺電話の主な内容は、回線を突然利用停止にするというものや、未納料金があるので法的措置を取るなどと言い、金銭を要求するものだ。現金以外にも電子マネーやプリペイドカードで支払わせようとするケースもある。
■NTTファイナンス詐欺の特徴2:電話は「音声ガイダンス」「国際電話」からが主流
詐欺電話は、自動音声ガイダンスによるもの。通話ボタンをタップすると自動でメッセージが流れる。
国際電話からかかってくるケースが多く、NTTファイナンス公式サイトでは「+18●●」などで始まる電話番号からの着信は詐欺を疑ってほしいとアナウンスしている。
■NTTファイナンスの公式サイトでも詐欺への警告を掲載
不審な電話の増加を受けて、NTTファイナンスでは公式サイト上に詐欺への警告を掲載中だ。
NTTファイナンスお客様相談センターのフリーダイヤルも公開しているので、不審な電話を受けたらとりあえず問い合わせてみるのも一つの方法だろう。
・NTTファイナンスお客様相談センター:0800-333-6661
ゼロ ハチ ゼロ ゼロ から始まるフリーダイヤル(通話料無料)
受付時間:午前9時~午後5時(土日・祝日・年末年始を除く)
※参考:NTTファイナンスを名乗る架空料金請求詐欺にご注意ください! | NTTファイナンス株式会社
NTTファイナンスを名乗る詐欺の手口は?
NTTファイナンスを名乗る詐欺には複数のパターンがある。警察の情報と違うからと信じてしまわないよう、バリエーションを把握しておこう。
■NTTファイナンス詐欺の手口1:スマートフォン・自宅への電話や留守番電話
もっとも多いのが、スマートフォンや自宅の電話にNTTファイナンスを名乗る業者からかかってくるケース。自宅の留守番電話にメッセージが入力されている場合もある。
特に番号が国際電話(+18等から始まる着信)の場合は詐欺を疑おう。NTTファイナンスでは国際電話からの電話連絡はおこなっていないと明言している。
※参考:国際電話からNTTファイナンスを名乗る電話がかかってきた。(NTTファイナンス・よくある質問)
また、自動音声ガイダンスを使った契約状況の確認や回線の利用停止通知もおこなっていないため、これらの電話は出ずに切るのが基本だ。
※参考:NTTファイナンスから自動音声ガイダンスによる電話がかかってきた。(NTTファイナンス・よくある質問)
かかってきた電話の番号が本当にNTTファイナンスの番号かを調べたい場合は、以下のページの検索ボックスに電話番号を入力すると確認できる。
※参考:NTTファイナンスを名乗る電話がかかってきたが、かかってきた番号が本当にNTTファイナンスの番号か調べたい。(NTTファイナンス・よくある質問)
■NTTファイナンス詐欺の手口2:メールやSMS
主流となる自動音声ガイダンスによる電話のほか、メールやSMSを利用して利用停止・料金未納などの脅迫を送りつけてくる場合もある。NTTでは料金未納の転落にメールやSMSを使うことはないと回答しており、これらの連絡手段も詐欺の疑いが濃厚だ。
※参考:
NTTファイナンスから不審なメールが届いた。(NTTファイナンス・よくある質問)
NTTファイナンスから不審なSMSが届いた。(NTTファイナンス・よくある質問)
■NTTファイナンス詐欺の手口3:不審なハガキが届くケースも
NTTファイナンスからハガキが届く場合がある。これらも詐欺の手口としての可能性があるが、国際電話ではない電話番号からの電話やハガキでの連絡についてはNTTファイナンスが実際に行うケースもある。
本物の電話・ハガキ連絡か、偽物かの判断がつかない場合は、NTTファイナンスのホームページにアクセスして確認しよう。
※参考:NTTファイナンスから支払いに関する電話がかかってきた。(NTTファイナンス・よくある質問)
■NTTファイナンス詐欺の手口4:社員を名乗る人物が訪問
電話やSMSと比較すると数は少ないものの、NTTファイナンスの社員を名乗る人物が自宅を訪問し、未納料金を徴収しようとする被害も報告されている。NTTファイナンスでは利用者の自宅を訪問することはないため、これも詐欺と判断して対応しないようにしよう。
※参考:NTTファイナンスの社員が訪問してきて料金の支払いを求めてきた。(NTTファイナンス・よくある質問)
NTTファイナンスを名乗る詐欺への対処法は?
きちんと知識を持っていれば防げるNTTのファイナンス詐欺だが、高齢者世帯などでインターネット上の注意喚起が届かないケースもあるだろう。また、突然の停止連絡にあわてて、つい電話してしまった、という人も少なくないはずだ。
もしも詐欺電話に対応してしまった場合はどうすればいいか、対応策を確認しておこう。
■NTTファイナンス詐欺への対処法1:電話してしまったら?
自動音声ガイダンスに沿って番号を押し、個人情報などを伝えてしまった場合は、すぐに警察や国民生活センターに通報・連絡をしよう。連絡先は以下の通りだ。
・警察相談専用窓口 局番なし「#9110」
・消費者ホットライン 局番なし「188」
■NTTファイナンス詐欺への対処法2:お金や電子マネーetc.を払ってしまったら?
もしも詐欺電話の指示に従って金銭や電子マネーなどで支払ってしまった場合も、すぐに上記の警察およびと国民生活センターに通報・連絡したい。
特に住所や氏名・クレジットカード番号といった個人情報を伝えている場合は要注意。詐欺集団に渡った個人情報は共有され、別の詐欺の標的になる可能性が高いことが知られている。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部