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高島礼子さんが親の介護で得た教訓「塞ぎがちな心を解放する」方法とは?

2025.05.03

女優の高島礼子さんは、忙しい仕事の傍らで、病に倒れたお父様の介護を十数年間続けてきました。その介護を通して学んだのが「ストレスをためない自然体の生き方」。今の暮らしの礎になっています。誰もがぶつかるこの壁を、どうやって乗り越えてきたのでしょうか。今回のティータイムトークで語っていただきました。

【高島礼子のMe Time, Tea Time】
第5回 介護を通して感じた大切なこと

「高島礼子のMe Time, Tea Time」記事一覧はこちら

食べることができなくなった父の姿を直近で見て

今、年齢的にも大切だと思っていることが、「食べる力」です。健康を意識した食事も以前より考えるようになりました。体にいいと評判の食材を取り寄せたり、食事+運動+睡眠の向上をはかったり。といっても、「これを食べなければいけない」って自分を追い込むと続かないので、そこはゆるめに。ストレスなく食べたいものを食べるようにしています。

姉妹、従姉妹とスイーツ女子会。

こういった食についての考えは、長年の父の介護から学んだことです。食べることができなくなった父の姿を間近で見て、飲み込む力を維持することの大事さや、好きなものを食べて健康でいられることの喜び、何よりも心身ともにストレスフリーでいることの大切さを、身をもって学びました。

両親の田舎の昔ながらのスイーツ「干し芋」。愛猫の癒しも脱ストレスに貢献。

子供の頃、家族で争奪戦だった御前山饅頭。思い出の逸品。

親の介護にどこまで時間やお金を費やせる?

私の生活の中に「介護」という言葉が入り込んできたのは、父が80歳ちょっと手前になった頃から。前屈みでヨロヨロと歩くようになって、最初は年齢のせいだと思っていました。ところがだんだん言動もおかしくなり、数か所の病院で検査を受けたんです。結果、最終的に下された診断が、パーキンソン病でした。

それから十数年続く介護生活。それはもう自分自身との戦いでした。女優という仕事柄、周りに迷惑をかけられないので休むことはできないし、仕事を断ることも難しい。かといって、大切な人をないがしろにはできない。親の介護にどこまで時間やお金を費やせるのか、そのプライオリティー(優先順位)の葛藤で頭の中がいっぱいでした。

私自身20歳で母を亡くし親孝行できなかった後悔があります。そのトラウマもあって、当初は何でもかんでも自分たちだけで父親を看病しようと、気をはって必死に頑張っていました。父が転倒して入院した時は、どんなに忙しかろうが毎日、仕事の合間をぬって病院に通って看病したり。結局は看病疲れから精神的に塞ぎ込んだ時期もありました。

そんなとき、ドラマで共演していた女優の戸田恵子さんが、収録の合間に暗い顔をしている私に気づいて、「どうしたの? 元気ないじゃない」って声をかけてくださったんです。それまでは自分の不幸を人に話すのに抵抗があって、介護のことは誰にも言っていなかったんです。だけどこのときは勇気をもって、「実は父が…」って話をしました。すると戸田さんが「あら、私は介護のプロよ。何でも聞きなさい」と、あっさり。彼女も長年、お母様の介護をされてきた経験から、たくさんアドバイスをしてくださって、私の塞がれていた心が一気に解放されました。

舞台稽古でひとりボイストレーニング。声を出すこともストレス発散法のひとつ。

限界だと思ったら素直に「助けて」と言おう

以来、私は気持ちが塞ぎそうになると、積極的に人に話すようになりました。すると意外にも自分の周りで介護をされている方が多くてびっくり。色々な経験談を聞いたりアドバイスをいただきながら、介護について学ぶことができたんです。

その後、父が他界するまでの間、ヘルパーさんや家政婦さん、病院の先生や看護師さんなど多くの方に助けていただきました。できる限りヘルパーさんたちとコミュニケーションをはかって、お互いの役割を担うことで、仕事と介護を両立できたのだと思います。

初めて経験することを、ない知識でどんなに頑張ったって空回りするだけです。それを知った今は、こう考えるようになりました。

「自分一人でやろうとしない。無理をしすぎない。時々人に相談する。甘えられるところは甘える。自分が限界だと思ったら素直に、『助けて』と言おう」

この父の介護の教訓は、今の暮らしの中にも生かされています。心がけているのはストレスをためないこと。若い頃は仕事にのめり込む一方で、自分の殻に閉じ籠りがちだったのだけど、今は時間があれば積極的にお友達とゴルフに出かけたり、食事に行ったり、人との会話を楽しむようになりました。

最近ハマっているゴルフ女子会。

ストレスを感じることがあれば、女子会のヌン活(アフタヌーンティー活動)などで発散します。大好きなスイーツを食べながらのおしゃべりは、私の大きな活力になっています。

ストレスをためず仕事に励み、美味しいものを食べ、そしてよく歩き、よく眠る。このストレスフリーなセカンドステージを、日々楽しみながら暮らしています。

ウエスティンホテル横浜、最上階のロビーラウンジにて恒例の女子会「ヌン活(アフタヌーンティー会)」を楽しむ。
https://lobbylounge.westinyokohama.com

神奈川県鎌倉にある料理屋「月と松」で、姉妹、従姉妹と食事会。思い出話に花が咲きます。
https://whaves.co.jp/tsukitomatsu/

 

高島礼子(たかしま・れいこ)
1964年、神奈川県生まれ。1988年『暴れん坊将軍Ⅲ』でデビュー。以後、ドラマ、時代劇はもちろん、舞台、CMなど、多岐にわたって活躍。2001年3月、映画『長崎ぶらぶら節』で、第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。現在テレビ朝日系列「天久鷹央の推理カルテ」に出演中。本年8月30日から9月21日まで大阪・新歌舞伎座で上演される、『石井ふく子白寿記念公演「かたき同志」』(橋田壽賀子脚本、石井ふく子演出)では、お鶴役として藤山直美と共演する。

Instagram:@reico.official

構成/松浦裕子

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