
■連載/ゴン川野のPC Audio Lab
イヤホンの主流はワイヤレスなのだが、高性能なモデルになるほど、これは有線接続したら、もっと高音質で聞けるのではと思うことがある。できることなら無線と有線の2Wayで接続できるイヤホンが欲しい。そんな願いを形にしたのが日本のイヤホンブランドLIFEEARが製品化した「LIFEEAR Duo」である。
iPhoneとの相性がいい2Way方式
ドライバーはダイナミック型+BA型のハイブリッド構成で、LIFEEARが最初に製品化した1日で完成するカスタムイヤモニター「LIFEEAR Flow」と同じである。価格は2万7800円とハイコスパだ。BluetoothのコーデックはSBC、AAC、aptX、aptX Adaptive、Opusに対応。有線接続端子はMMCXでケーブルは別売となる。タッチ操作対応で、2時間充電で12時間連続再生できる。通話時はANC機能が働き、外音取り込み機能もある。ボディカラーは現在6色から選択可能、プラス2000円で左右別色にもできる。フェイスプレートは着脱式で別色が左右1枚ずつプレゼントされる。今回はグリーンとブルーの左右別色バージョンをお借りして試聴した。
ボディカラーを選択すると約1週間で製品が届く。デフォルトのフェイスプレートに加えて別色が左右で2枚付いてくる
ケースに入っているのはUSB-Cの充電ケーブル、イヤーピース3サイズ、MMCXケーブル外しで、ケーブルは付属しない
本体のLR表示は見づらいが左右の色を変えれば間違う心配は激減。カッチリとロックできるMMCX端子を採用。充電端子も兼用している
ハウジング内に白色LEDを内蔵、ペアリングモードではゆっくり点滅する
オンラインショップで100種類以上のフェイスプレートをペア500円から購入できる。これでカスタムイヤモニ気分が味わえる
有線に迫る高解像度のBluetooth接続に驚く
最初に接続したのはBluetoothを使って「iPhone11Pro」でAmazon Musicを再生した。中低域に厚みがあってバランスのいい音だ。人によっては低域過多と思えるほど量感たっぷりだ。コーデックはAACなので解像度は望めないがウォームな音色を聞かせてくれた。FiiO「M15」のaptXによるワイヤレス接続で中低域はタイトになり、高域寄りのバランスに変化した。音色はややクールだが、これはFiiOのDAPによるものかもしれない。さらにCreative「BT-W5」というアダプターを使ってaptX Adaptiveで接続。さすがに解像度は上がって低音の量感も出た。この接続で聞くのがベストだ。
MMCX端子による有線接続では4.4mmバランス接続でDAPとヘッドホンアンプS.M.S.L「SH-X」に接続した。当然ながら、低域から高域までの解像度が上がり、音の輪郭もクッキリ描かれた。しかし、低域はややタイトでワイヤレス接続に比較すると控えめになる。高域を担当するBA型の繊細な音を邪魔しないためのセッティングなのだろうか。私はaptX Adaptiveの帯域バランスの方が好ましかった。もっとも楽曲によっても違いがあり、マイルス・デイビス「Kind of Blue」の即興演奏が醸し出す統一感、クールな金管の響き、エッジの立った音は、有線接続の方がマッチしていた。
有線と無線で、音の味付けが違うことから、2つの音が楽しめるイヤホンとしても注目したい。面倒な点としては一般的なワイヤレスイヤホンであれば専用ケースに収納しただけで自動的に充電されるが、「LIFEEAR Duo」は専用ケーブルに接続してUSB充電する必要があることだ。
Creativeのアダプターを使ってaptX Adaptiveで接続した
写真・文/ゴン川野