
iPhoneの最新廉価モデルiPhone 16eは2眼や3眼カメラが主流となりつつある昨今のスマホの中で、あえてシングルカメラで登場しました。その性能はいかがでしょうか? 使い方を検証してみます。
目次
iPhoneシリーズ待望の廉価モデルとして、iPhone 16eが発売されました。命名ルールこそ変わり、iPhone 16ファミリーの一員という立ち位置ですが、スタンダードモデルと同じチップセットを搭載し、旧筐体のボディデザインを基本踏襲するといった特徴から、iPhone SEシリーズの系譜と考えられるモデルです。
iPhone 16eは、公式サイトでの販売価格が9万9800円~と、現行モデルとしては唯一、10万円以下で購入できるiPhoneとして注目。iPhone SEユーザーだけでなく、iPhone 11やiPhone 12といったモデルを使っている人の中にも、乗り換えを検討している人がいるでしょう。
iPhone 16eの登場で、賛否両論が巻き起こったのが、カメラの構成。近年はミドルレンジスマホでも、2眼以上のカメラを搭載することが多い中、iPhone 16eはシングルカメラを搭載しています。では、実際の使用感として問題はあるのでしょうか。
iPhone 16eのカメラスペックとカメラ機能を確認
まずはiPhone 16eのカメラスペックについてチェックしていきます。作例は記事後半で確認するので、スペックを把握しているという方は、下部まで飛ばしてもOKですよ。
【参照】iPhone 16e 仕様
■iPhone 16eのカメラは48MPのシングルレンズ
iPhone 16eのカメラは、48MP(4800万画素) Fusionのシングルカメラ。焦点距離26mmで、F値1.6、光学式手ぶれ補正も搭載しています。
シングルレンズではありますが、12MPで光学2倍ズーム撮影も可能。焦点距離は52mmとなります。デジタルズームは、最大10倍になります。
シングルカメラでも、ポートレートモードやナイトモード、パノラマ撮影といった多数の撮影パターンが利用できます。
■動画撮影機能も豊富
動画撮影機能としては、4Kドルビービジョンでの撮影にも対応(最大60fps)。4K動画撮影中には、8MPの静止画も撮影できます。手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオや、ナイトモードのタイムラプスも撮影できます。
動画撮影時のデジタルズームは最大6倍で、オーディオズーム機能も利用可能。空間オーディオとステレオ録音や、オーディオミックスといった機能も利用できます。
■同じ48MPでもiPhone 16やiPhone 16 Proと比較すると違いがある?
iPhone 16eに搭載される48MP Fusionは、iPhone 16やiPhone 16 Proの仕様にも同様の記載がありますが、実は細かく違いがあるとされています。
違いがわかりやすいのがiPhone 16 Pro。こちらは焦点距離が24mmで、F値1.78、第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正を搭載しており、iPhone 16eのカメラとは別物だということがわかります。
また、iPhone 16eには、「Hybrid Focus Pixels」と記載されているのに対し、iPhone 16、iPhone 16 Proには、「100% Focus Pixels」と記載があります。
iPhone 16eとiPhone 16でも、カメラのイメージセンサーサイズには違いがあると、一部では指摘されており、このような細かな仕様の変更で、10万円切りまでのコストカットを実現したと考えられます。
スマホケースを装着しないならうれしい、出っ張りの少ないデザイン
直接的なカメラ機能というわけではありませんが、シングルレンズのiPhone 16eは、iPhone 16やiPhone 16 Proと比較すると、カメラ部分の出っ張りが控えめになっています。そのため、普段、iPhoneにあまりケースを着けないという人には、おさまりがよく、気に入るポイントかもしれません。
個人的にも、シンプルにまとめられたiPhone 16eのデザインは大変気に入っています。背面の手触りもさらさらしており、コンパクトなサイズ感も魅力なので、ケースを着けずに利用するのもおすすめです。
iPhone 16eのカメラレビュー! いろいろな場所で撮影してみた
それではここからが本題。iPhone 16eのカメラを使って、様々な場所で撮影を行ったので、作例とともに紹介していきましょう。
なお、掲載写真はすべて、掲載用にサイズの調整を行ったのみで、その他の編集は加えていないものとなります。
■メインの広角カメラは上位モデルとそん色ない仕上がり
シングルカメラではありますが、48MPの広角カメラでは、上位モデルとそん色ない、きれいな写真が撮影できます。被写体へのAF追従も速く、使い勝手のいい、スマホカメラらしい魅力があります。
色味はAIの補正が強く入るため、肉眼で見るよりも色合いがパキっとしている印象です。全体的に、暖色系が強く出るので、食事を撮影しても、つや感があり、おいしそうな写真に仕上がります。
■ポートレートや夜景撮影も満足のいく性能
センサーサイズの違いや、Proモデルに搭載されるLiDARスキャナが非搭載といった観点から、ポートレート撮影は、上位モデルに比べると、弱さが出るとも考えられますが、AIのパワーか、被写体を認識し、背景を強くぼかすことができています。ポートレートモードも、かなり実用的なレベルになっています。
同様に、ナイトモードも弱さが出る部分かと思いましたが、比較的明るく撮影ができました。もちろん、上位モデルに比べると、若干暗さを感じる部分もあり、暖色が強すぎる気もしますが、明暗のコントラストをしっかりと表現できている印象です。
■望遠カメラなしでも2倍ズームの使い勝手がいい
望遠カメラは非搭載ですが、2倍ズームで撮影ができるため、こちらの使い勝手も満足感が高くなっています。画質の劣化はほぼ見られず、きれいに撮影できているでしょう。
等倍
2倍
デジタルズームは最大10倍で、それなりに画質の劣化も見られますが、AI補正のおかげで、何を撮影しているのか程度は、しっかりと認識できるレベルになります。
10倍
■超広角カメラ、マクロ非対応はやはり不満
先にも触れた通り、iPhone 16eには、超広角カメラが搭載されておらず、マクロ撮影にも非対応となっています。
特に超広角カメラは、集合写真を撮る際や、景色を広い画角で撮影する際などに重宝します。シングルレンズになったことで、撮影パターンが減ったのは、使っていると、やはり残念に感じることがあります。
超広角カメラの必要性は、スマホカメラをどのように使うかによって異なるので、人によるとしかいえませんが、物理的に「ないものはできない」と押さえておく必要はあるでしょう。
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※データは2025年4月上旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦