〝日々の快適〟と〝万が一〟の絶妙なバランス、賃貸型シニアレジデンス「ヘーベルVillage」という選択肢
2025.04.28
住み替えを考える元気なシニアのための選択肢が増えてきています。これまでの生活のしやすさを変えることなく、日々の暮らしを楽しみ、いつまでも安全安心に過ごせる住まい選びとは? 首都圏の便利な立地に続々とオープンする「ヘーベルVillage」は、旭化成ホームズが展開するシニア向けの賃貸住宅です。2025年3月には186棟目となる用賀玉川台の物件がオープン。「ヘーベルVillage」の特徴を2回にわたってレポートします。
「シニアレジデンス」に興味はあるけれど、テレビCMやSNSで目にする物件はシニア版 超高級マンションの印象が強く、自分が入居するイメージがまったくわかないという方は少なくないと思います。筆者もそのひとり。リタイア後、まるでリゾートホテルで暮らすが如く、快適で上質な暮らしが約束されるのは理想ではあるけれど、そのためには入居時に何千万円と納め、かつ毎月ウン十万円の月額利用料+管理費ウン十万円を支払い続ける財力が必要らしい。そんな現実を突きつけられると、シニアレジデンスで快適に暮らし続けるなんて一握りのキラキラした富裕層だけに許される夢のステージだと気づき、端から検討する余地などなかった、というのが実感に近いところです。
高齢になった親の住まいに加え、自分たち夫婦の未来の住まいについても考える機会が増えてきた今日この頃、「シニア向けの賃貸住宅」なるものがあると聞き、訪ねてみることにしました。
駅から近く、日常生活に困らない住環境
訪れたのは、「ヘーベルVillage 用賀玉川台」。2025年3月にできたばかりの「ヘーベルVillage」最新の物件です。
「ヘーベルVillage」とは、ヘーベルハウスでお馴染みの旭化成ホームズが手がけるシニア向け賃貸住宅のシリーズで、1都3県(千葉・神奈川・埼玉)に展開し、すでに20年(2025年3月末時点で186棟)の実績があります。
日常生活に必要な買い物ができるスーパーや、散歩に適した公園などが近くにあり、最寄り駅が徒歩圏内(約10分以内)にあることなど、外出したくなる立地を選定していることが、大きな特徴です。
東急田園都市線・用賀駅から徒歩約7分、賑やかな駅前、おしゃれな飲食店などを抜けた閑静な住宅街の中に「ヘーベルVillage 用賀玉川台」はありました。外観はモダンな新築マンションと変わりなく、周囲の建物と馴染んでいるため、言われなければシニア専用だとは思わないでしょう。
エントランスに足を踏み入れると、広めの内廊下の両側には手すりがあり、ここがシニア向けである所以がうかがえました。エントランス付近には共有スペース「コミュニティラウンジ」があり、半年に一度程度、入居者同士の交流イベントを行なっているそうです。
コミュニティラウンジ。茶話会が開催されるほか、入居者参加型の企画がテレビ画面で配信され、入居者同士の交流のきっかけになっている。
シニアに優しく便利な仕様があちこちに
見学したのは2LDKのモデルルーム。生活空間はいたってシンプルな印象ですが、扉が引き戸である、床がフラットで段差がない、寝室の近くにトイレがある、玄関に備え付けベンチがある……など、さりげなくシニアの身体機能を考慮した配慮がなされていました。
6.0帖の寝室。2.0帖のウォークインクローゼットも隣接している。
掃除のしやすい洗面台。お風呂の扉も引き戸。車椅子でも移動できる。
コンセントの位置は通常より高めに設置され、しゃがまずに使える。
自身で料理ができるよう、機能的なキッチンが付いているのも特徴的です。これは、元気なうちは自分で自分のことができるよう考慮しているからだそうです。
調理台はやや低めの設定。吊り棚も、転倒防止のため、踏み台を利用しなくても手が届く高さに設計されている。
先に述べたとおり、歩いて数分の場所にはスーパーマーケットやコンビニエンスストアがあるので、買い物に困ることはなさそうです。
この点はかなり大事。歳を取るにつれ、日々の買い物や外出が加速度的に負担になってしまった一人暮らしの父を見ているせいでしょうか。介護が必要でないまでも、日常生活を“ふつうに”続けることの難しさは痛感しています。
若い頃からアクティブで、趣味で登山や釣りなどを楽しんでいた父は、何十年も欠かさずに毎日10kmほどの散歩を続けてきました。しかし、コロナ禍あたりに腰の痛みを覚えてからというもの、歩行距離が徐々に減って筋力も低下し、今では駅まで徒歩15分程度(健脚な場合)の距離を、車移動(マイカーかタクシー利用)するように。
そう、郊外や地方暮らしの場合、「ちょっとそこまで買い物に」「ちょっと役所まで」も歩いて行ける場所にないケースが多く、車移動が必要になり、高齢ドライバーが免許を返納したくてもできない大きな原因になっています。ましてや、公共交通機関が少ない地域で暮らすことを考えると、「首都圏内」にあり「暮らしやすく、出かけたくなる立地」は、やはりありがたいものだと実感します。
見守りサービス、万が一のための設備も充実
次に、入居者へのサポート体制についてご紹介しましょう。
ここでは、いわゆる介護士やヘルパーさんが常駐しているわけではありません。月に1回、相談員が入居者と面談し、暮らしと健康状態を確認するシステムです。相談員は、毎回入居者の「活動量・食事・交流」の3要素をチェックし、健康につながる行動を増やすようアドバイスをし、必要に応じて各種サービスや地域資源の利用を勧めたりしてくれます。話し相手がいる、というだけでも孤立・孤独を避けられるので、相談員はありがたい存在でしょう。
室内のほぼ中央にある「シニアステーション」は、情報を一元管理するためのコーナー。書類の保管やお薬カレンダー、メモ等を貼るマグネット版があり、雑多な連絡事項や注意事項をこのコーナーにまとめることで、ToDoリスト的な役割を果たしています。
同コーナーにはALSOKへの緊急通報システムのコントローラーもあり、体調が急変したときなどに「緊急」ボタン押すと、ガードマンが駆けつけてくれます(24時間365日対応)。「相談」ボタンを押すと、警備会社に常駐している看護師にいつでも健康相談ができるとのこと。
また、玄関やトイレには「ライフリズムセンサー」が付いており、一定時間検知がないとALSOKに自動通知し、ガードマンが駆けつけてくれます。
とくにひとりで暮らす場合、こうした見守りサービスは大きな安心材料になるはずです。
筆者の周辺には、独身者、子どものいない家庭、親の面倒を見ながら仕事を続ける女性、高齢の親とのふたり暮らしを考えている人、子どもに迷惑をかけたくない人など、誰かを頼りにすることなく暮らしたい・暮らさざるを得ないという人は多く、今後も増え続けると思います。賃貸型シニアレジデンスは、こうした人々の受け皿として、ますますニーズが高まることでしょう。
「ヘーベルVillage 用賀玉川台」
賃貸戸数:12戸
住戸タイプ:1LDK〜3LDK
占有面積:44.33平米〜80.58平米
モデルルームの参考費用(2LDK /60.68平米)
家賃:267,000円
管理費:29,000円
諸費用:契約時 敷金2か月、礼金2か月、仲介手数料1.1か月
※2025年3月末時点(取材時)
取材・文/大津恭子 撮影/横田紋子(小学館)