制定されたきっかけは？5月17日が「大谷翔平の日」になった理由

日本では著名人が記念日になることはまれだが、アメリカでは偉人の業績を称える目的で記念日が制定されるケースが多い。もっとも有名なのはマーティン・ルーサー・キング・デー（キング牧師の日※毎年1月の第三月曜日の祝日）だろう。その他にも、州ごとの祝日や祝日にはならない記念日なども合わせれば、より数は多くなり、偉人への敬意の表し方として一般的な方法と言える。

2024年にアメリカのロサンゼルスで「大谷翔平の日」が制定されたことを知っているだろうか。日本でもニュースとして報道されたが、今年は大谷翔平選手の第一子誕生もあって日本のファンの間でも「大谷翔平の日」への関心が高まっている。

本記事では、大谷翔平の日はいつか、記念日として制定された理由や意味について解説する。

大谷翔平の日はいつ？なぜ決まったの？

まずは「大谷翔平の日」の日付や制定理由など基礎的な知識から見ていこう。

■大谷翔平の日は5月17日

大谷翔平の日は、毎年5月17日。2024年に制定されたばかりの新しい記念日で、大谷選手がドジャースに在籍する期間は記念日も存続する。なお、祝日ではないため会社や学校は休みにはならない。

■大谷翔平の功績を祝福しロサンゼルス市が制定

大谷翔平の日（Shohei Ohtani Day）は、アメリカのロサンゼルス市議会によって制定された。2024年の制定当日は、市議会で決議文が読み上げられ、大谷選手に手渡されるなど、祝福の催しがおこなわれた。

■大谷翔平の日「5月」と「17日」のそれぞれの意味は？

大谷翔平の日が5月17日に決まったのは、大谷選手の背番号17番にあやかったもの。

また、5月はアメリカにおいてアジアやハワイ、太平洋の島々にルーツを持つアメリカ人の歴史・文化や功績をたたえる月間となっている。

アジア人である大谷翔平選手の功績を称えるための日付設定と言えるだろう。

■大谷翔平の日は日本でもお祝いイベントがある？

大谷翔平の日はドジャース本拠地のロサンゼルス市が独自に制定した記念日のため、日本では記念日としては登録されていない。

しかし、今年の4月19日（日本時間20日）に大谷選手の第一子が誕生したこともあり、日本のファンや企業によって何らかのイベントが企画されるかもしれない。

「大谷翔平の日」だけじゃない？5月17日の主な記念日

5月17日は、大谷翔平の日以外にも様々な記念日が制定されている。代表的なものを見てみよう。

■大谷翔平の日以外の5月17日の記念日1：世界情報社会・電気通信日

世界情報社会・電気通信日は、国際機関によって制定された国際デーの一つ。国際電気通信連合（ITU）が1968年に制定した「世界電気通信日」と、国連総会によって2005年に採択された「世界情報社会の日」が合わり、インターネットや情報技術がもたらす社会的な変化に意識を向ける日とされる。

■大谷翔平の日以外の5月17日の記念日2：世界高血圧デー（高血圧の日）

世界高血圧デーは、高血圧への適切な知識や高血圧への自覚を高めるため、世界高血圧リーグにより2006年に制定された。これにより、日本高血圧学会およびと日本高血圧協会でも同日を「高血圧の日」に制定し、主要都市で市民講座などを開催している。

■大谷翔平の日以外の5月17日の記念日3：国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日

世界保健機関（WHO）が同性愛を国際疾病分類から除外したことを記念して、国際連合経済社会理事会の承認により定められた国際デー。

LGBTの権利の侵害に対する認識・関心を広めることを目的としている。

これを受けて、日本では「多様な性にYESの日」が日本記念日協会に登録されている。

■大谷翔平の日以外の5月17日の記念日4：生命・きずなの日（日本）

生命・きずなの日は、臓器提供をしたドナーの家族が作る日本ドナー家族クラブが2002年に制定した記念日。新緑の季節である5月と、10（とお＝ド）、7（なな＝ナー）の語呂合わせが由来となっている。

■5月17日に憲法制定や戦勝を祝う国も

5月17日は、憲法の制定や戦争の勝利といった重要な記念日となっている国もある。

ノルウェー王国では1814年にノルウェー憲法が調印されたことを記念して、また、ナウル共和国では1968年のこの日に憲法が制定された記念として、いずれも5月17日が憲法記念日となっている。

また、コンゴ民主共和国では、第一次コンゴ戦争において1997年にコンゴ・ザイール解放民主勢力が勝利宣言をした記念日として制定されている。

日本の記念日は企業・団体・個人が有料で登録することも可能

大谷翔平の日は、ロサンゼルス市が議会での採決を元に制定した公的なものだが、日本でも「いい夫婦の日（11月22日）」や「猫の日（2月22日）」といった「〇〇の日」を聞く機会は多いだろう。

これらの記念日は、登録・管理している団体があり、審査を通過することで個人でも記念日を新しく制定できることは意外に知られていない。

■日本国内の記念日を管理する「日本記念日協会」

一般社団法人日本記念日協会では、従来からある記念日のほか、新たに周知された記念日、宣伝目的などで新しい記念日を制定したい企業・団体などのために記念日の登録と管理をおこなっている。

■マイ記念日を登録できる？記念日の申請方法と費用

日本記念日協会に記念日を登録したい場合は、協会のホームページにアクセスし、「記念日登録申請書」に必要事項を記入した上でオンライン・郵送・宅配便のいずれかの方法で提出する。

記念日の登録には審査があり、以下に該当する場合は登録不可となる。

・他者の権利（商標権など）を侵害するもの及び権利者が公表を拒むもの

・記念日の名称、日付、由来、目的、活動、申請者などが不明瞭のもの

・既に登録されている記念日と同名、同音、同日（内容の近似性）など錯誤の恐れがあるもの

・特定の政党及びその政治活動、特定の宗教団体及びその宗教活動

・反社会的な活動の要素がみられるもの

・記念日文化の発展を損なう恐れがあり、記念日の登録に馴染まないと当協会が判断したもの

・当協会の信用を傷つけるおそれがあると判断したもの

また、一度記念日登録されたものでも、以下に該当することが発覚した場合は登録が取り消される場合がある。

・登録後に前記と同様の判断が当協会によってなされたもの

・記念日についての活動が行われていないと当協会が判断したもの

・記念日登録者とすぐに連絡が取れなくなったもの

※引用：記念日登録制度の概要（一般社団法人 日本記念日協会）

審査に通過し、記念日登録が可能となった場合は、記念日登録料として1件あたり15万円（税別）の費用とともに申請する。

登録料がかかる点や、制定した記念日の広報活動が必要になる点などいくつかの注意点はあるが、「大谷翔平の日」をきっかけに記念日に興味が出てきた人は、チェックしてみてはいかがだろう。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文／編集部