DIME MAGAZINE
劇場版のヒットに伴って〝聖地〟では経済効果が生まれている。2024年は劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星（みちしるべ）』の公開後に北海道函館市の観光客が増加。過去に舞台となった八丈島やシンガポールでも効果が表われている。
〝名場面の舞台〟函館山の観光客は32.2％増に！
もともと函館は、異国情緒あふれる街並みの見物などを目当てに、多くの観光客が訪れている。劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』は、そんな函館への旅行意欲をさらに高揚させた。函館市観光部観光誘致課によれば、劇場版公開後となる2024年4～9月までの半年間、函館へ訪れた観光客数は前年同期比で10％アップとなる約31万4000人も増え、総勢約345万3000人となったという。スタンプを設置した施設の入館者・利用者数も大きく増加し、函館市観光案内所（JR函館駅内）では、前年同期比で約178.8％の増となる、13万4238人を記録した。
日本三大夜景のひとつとして有名な函館山も例外ではない。特に劇中のクライマックスで、平次と和葉に関する超重要な舞台として印象的に描かれたこともあり、美しい景色を見ようと昼夜問わず、観光客が押し寄せた。函館山ロープウェイの利用者は前年同期比で約32.2％も増えたという。五稜郭タワーは約24％増、函館奉行所は約28.8％増と、主要な名所は例年以上の観光客が訪れ、大きな賑わいを見せたのである。
舞台・函館市の観光案内所は入館・利用者数が178.8％増！
2024年公開
劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』
異国情緒のある旧函館区公会堂は、劇場版において剣道の大会が行なわれた会場として描かれた。同所で遭遇した居合の達人・福城聖と平次は終盤まで終始対立する。
満開の桜が咲き乱れる季節は特に美しい五稜郭は、謎を解く大きなカギに。
JR函館駅にある函館観光案内所は、スタンプラリーの実施場所として、コナンファンたちによる長い列が作られることもあったという。劇場版の影響力の大きさは函館の至るところで見られた。
〈 映画の内容をおさらい！〉
北海道・函館を舞台に、かつて日本の敗色濃厚だった戦時中の状況を一変させるほどの強力な兵器ともウワサされる〝お宝〟を巡り、争奪戦が繰り広げられる。劇場版ならではのダイナミックな映像に加え、ラブコメの要素も詰まった内容で、多くの観客を魅了。興行収入はシリーズ歴代1位となる約158億円を記録した。
2023年の夏シーズンは3か月連続で2000人超
劇中では、八丈島近海に建設された架空の海洋施設「パシフィック・ブイ」が主な舞台となり、コナンや灰原たちが八丈島のホテルに宿泊するシーンも描かれる。そのような物語に影響され、2023年には八丈島へと足を運ぶコナンファンが増加。アクセスする手段のひとつである東海汽船の乗船人数を劇場版の公開前後で比べてみると、2022年4月からの1年間に比べて、2023年4月からの1年間は約1.2倍となる、1万8984人を記録。特に劇場版の公開年は、東海汽船で八丈島へ渡る人が7月から9月までの3か月間連続で2000人を超えた。
舞台・八丈島行きの東海汽船では映画直後も通年でも前年比約1.2倍に！
2023年公開
劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影（サブマリン）』
ダイビング目的で訪れる観光客も多い八丈島。観光の大きな目玉として有名なのがホエールウオッチングで、劇中では少年探偵団たちが楽しむ様子が描かれている。
〈 映画の内容をおさらい！〉
海洋施設「パシフィック・ブイ」が本格稼働に向けて動き出そうとする中、女性エンジニアが黒ずくめの組織に誘拐される。八丈島近海の美しい景色とは裏腹のスリリングな演出の連続と、コナン、灰原、蘭のハラハラさせられる終盤の展開が話題に。興行収入は138.8億円を記録した。
舞台・シンガポールでは2019年上期の観光客が前年比124%に！
2019年公開
劇場版『名探偵コナン 紺青の拳（フィスト）』
※写真提供：シンガポール政府観光局
シンガポールへの渡航客増にも大きく貢献！
シンガポールが舞台の劇場版が公開されるのに合わせて、旅行会社HISではシンガポール政府観光局やシンガポール航空とともに『名探偵コナン』に関する大きなタイアップ企画を実施。劇中でも描かれる高級リゾート「マリーナベイ・サンズ」に泊まる公式ツアーの集客は計3800人を記録した。コナンラッピングバスや店頭ディスプレイの実施のほか、プレゼント企画も後押しとなり、2019年上期におけるHISのシンガポール送客者数は対前年比で124％に。『名探偵コナン』の影響力の大きさは、海外渡航でも変わらないことを立証した。
〈 映画の内容をおさらい！〉
空手のトーナメントが開催されることから現地を訪れていた京極真と、世界最大のブルーサファイア「紺青の拳（フィスト）」を狙う怪盗キッドが対峙することに。物語のクライマックスでは、実在する高級リゾート「マリーナベイ・サンズ」で、実写のアクション映画さながらの手に汗握るド派手なシーンが繰り広げられる。
取材・文・編集／田尻健二郎 Ⓒ青山剛昌／小学館
DIME最新号は「名探偵コナン」の大特集、スペシャルコラボ付録は〝長野県警トリオ〟のトリプルジッパーバッグセット
2024年、連載開始から30周年を迎えた「名探偵コナン」。
TVアニメや劇場版も人気を博し、今や国民的な作品となっています。関連イベントや商品も充実し、物語の舞台やUSJでのイベントなど、コラボ企業は多岐にわたり、その集客力はとどまるところを知りません。今回の特集では、そんな広がり続ける〝コナンワールド〟について徹底取材、コナン人気の〝真実〟に迫ります！
※表紙以外は通常版と同じです。
※特別付録「名探偵コナン トリプルジッパーバッグセット」はDIME2025年6・7月合併号通常版・スペシャル版共通です。
【特別付録】
「名探偵コナン」トリプルジッパーバッグセット
劇場版最新作でも大活躍する〝長野県警トリオ〟をあしらったスペシャルコラボ付録を制作！充電ケーブルや筆記具など持ち物の仕分けに便利なサイズ違いの3点セットです。
※通常版・スペシャル版ともに付録は同じです。
※表紙以外のコンテンツ、付録は通常版、スペシャル版で同じ内容になります。
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■DIME SPECIAL1
編集者、声優、地方自治体、コラボ企業に聞くコナン人気の深層とは!?
『名探偵コナン』熱狂の舞台裏
長野県警全面協力！劇場版最新作の舞台、長野の新聖地とは？見学のポイント、撮影にベストなスポットなどマップ付きで詳しく紹介！青山先生が取材時に食べたカツ定食も!?
- 青山先生の故郷「鳥取砂丘コナン空港」全フロア撮影スポットガイド
- 函館、八丈島、シンガポール、劇場版作品が生んだ驚異の集客力
- 約10年続くユニバーサル・スタジオ・ジャパンとコナンの熱い関係
- JR西日本の「名探偵コナンミステリーツアー」の謎を解く！
- 商品コラボ企業に取材したコナン消費の深層
- サンデー編集部担当編集に聞く、青山先生のファンサービス精神
- 名探偵コナンカードゲームが出荷枚数2000万枚を実現できた理由
など全40ページで大特集！
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