ロート製薬「再生医療が身近になった2050年ミライ社会」を疑似体験
ロート製薬は、「再生医療が身近になった2050年ミライ社会」をテーマとして、「再生医療」と「アイケア」の2つの領域から事業に基づく体験展示を行っている。大型ビジョンを通して再生医療が日常に浸透した都市生活を疑似体験できるなど、ただ見るだけでない記憶に残る展示を楽しめる。
同社は2013年より再生医療の研究に着手し、比較的安全性が高いといわれる間葉系幹細胞を用いた細胞治療の研究とともに、再生医療の実装に向けて自動培養装置の開発も重ねている。展示では、より再生医療が身近になり、より多くの病院で再生医療が受けられるようになる“ミライ”を見据えて、小型化された次世代の自動培養装置を展示。人体から採取した組織から幹細胞を取り出し、細胞培養までを一気通貫で完全自動化することができる装置だ。
また展示全体を通じて、PHR(パーソナルヘルスレコード/個人健康情報管理)をもとにした状態把握やAIによる未来予測で「パーソナライズド化」が進むことが期待される中、再生医療も選択肢の一つとなる未来を体験できる。
同社の広報・CSV推進部 岡田氏は、こだわった点について次のようにコメントする。
「当社の展示ブースでは、テーマである『再生医療が身近になった2050年のミライ社会』を来場者に具体的に体感いただけることを最優先に設計しました。
特に、大型ビジョンを活用したシナリオ体験にこだわり、再生医療が日常生活にどう浸透し、個々の健康を支えるかをリアルに描いています。
また、次世代の自動培養装置を間近でご覧いただける展示を通じて、再生医療技術の発展がどのように医療のアクセスを変えるかを伝える点にも力を入れています。
細部に至るまで、最先端技術と未来社会の姿を融合させた工夫を凝らしました」
来場者に伝えたいメッセージとして、岡田氏は次のように話す。
「本展示を通じて、医療が個々の健康状態に合わせてパーソナライズされる未来や、これまで治療法がなかった疾患への可能性が広がることを実感いただきたいです。
また技術革新だけでなく、医療が日常生活に自然と溶け込み、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて共に歩んでいきたいというメッセージを込めています」
再生医療はまだ遠い未来の治療法のイメージが強かったが、万博でここまでリアルに展示されていることを知り、近い将来、確かに治療の一選択肢となるのだと実感できた。
「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」および「ミライの都市」、今回紹介した2社のブースには、他にも見どころが豊富にある。ぜひ足を運び、明るい未来を感じたい。
取材・文/石原亜香利