株価下落時におすすめのETF3選
ETFは、投資信託で証券取引所に上場しているもので、株式のように売買することができる。
私が株式下落時にこそ勧めたいETFは、以下の通りだ。
(1)iシェアーズゴールドETF(証券コード:314A)【NISA可】
ロンドンにおける金価格であるLBMA金価格に連動している。
金価格は、紛争時、株価下落時、米国の利下げ時に上昇しやすい。
このETFは、2025年に上場したばかりだが、保有期間中にかかる信託報酬(価格に含まれている)が0.2%と他の金に連動するETFに比べて低く、取引の出来高も多い。
LBMAの金価格に連動し、この価格は米ドル建てであるため、円高になってしまうと金価格が上がっていたとしても為替で下がってしまうこともあることに注意。ETFの場合、為替ヘッジをしている投資信託がないため、為替ヘッジを選択する場合はETFではなく、投資信託に投資した方がよいだろう。
(2)NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信(2510)【NISA可】
国内の公社債に投資するETFで、主に2年~10年の国債に投資している。国内債券は円高になっても下がらないため、株価が大きく下がり、為替が円高になっても下がらない。
ただ、債券は金利の変動で価格が変動するため、金利上昇局面では債券価格が下がる。現在、日本は今金利上昇局面であり、債券価格は今後も下がり続けそうだ。
日銀が不景気を認識し、利上げをストップしたり、利下げし始めたら、ETF価格の値上がりが見込めそうだ。
(3)日経平均ベア2倍上場投信(1360)【NISA不可】
ベアとは、くまが手を下にひっかいていることを指し、証券用語で値下がりを指す。このETFは日経平均が値下がりすると逆に2倍上昇し、逆に値上がりすると2倍下がる。2倍とレバレッジが効いているため、日経平均が値上がりしたときは2倍値下がりしリスクが非常に高いことに注意が必要で、あまり長期投資に向かない。
株価下落に備えて全て現金にしておき、下落した時に割安になった株式を購入するのも手だろう。一方で、今回紹介した株価下落時をチャンスととらえて値上がり益を狙うのもありだ。
リーマンショックでは、2008年に大きく下げ、さらに2009年に2番底をつけて2012年まで日経平均は12,000円さえもなかなか超えらない状況が4年間も続いた。一度大きく下がればなかなか不況を簡単に脱するのは難しい。今のうちに備えておこう。
文/大堀貴子