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アイロボットが「ルンバ」の新世代6モデルを一斉発売、同社史上初となるフルリニューアルの全貌

2025.04.24

2025年4月18日、アイロボットジャパンは、ロボット掃除機ルンバの新モデル全6機種を発売した。ほぼ全ての現行機種が置き換えられる今回の新製品発売は、アイロボット史上最大規模の製品リニューアルとなる。

発売に先駆けて16日に開催された同社の発表会には、アイロボット・コーポレーションのCEOを務めるゲイリー・コーエンさんが登壇。新製品に込めた想いや、アイロボットの今後の戦略について熱弁した。本稿では、新製品の概要や、発表会の模様についてレポートする。

エントリーモデルにもLiDARセンサーを搭載。マッピング能力が向上

今回発表された6機種のなかで、最も進化が著しいのが、エントリーモデルの3機種「Roomba 105 Combo ロボット」「Roomba 105 Combo ロボット + AutoEmpty充電ステーション」「Roomba 205 DustCompactor Combo ロボット」だ。これらに共通する特徴として、従来はハイエンドモデルにしか搭載されていなかった、LiDARセンサーを装備していることが挙げられる。

「Roomba 105 Combo ロボット」(左)と「Roomba 105 Combo ロボット + AutoEmpty充電ステーション」。後者のごみ収集ステーションは、従来機より小型化されている

LiDARセンサーとは、レーザー光線を照射して、その反射によって対象物までの距離を計測する機器。これを搭載しているロボット掃除機は、部屋の間取りを認識できるため、キッチンや廊下などを部分的に掃除したいなどの細かなニーズに応えることが可能になる。

アイロボットの製品担当ディレクター、山内 洋さんによると「近年LiDARセンサーの価格が安くなり、エントリーモデルでも搭載可能になった」という。同社のエントリーモデルといえば「Roomba Combo Essential ロボット」が人気を博したが、これはLiDARセンサーを搭載しておらず、地図を記憶する機能もなかった。その意味で、今回の進化は非常に大きいといえるだろう。

また新発売の3機種は、同社のエントリーモデルとしては初めて「スマートスクラブ」機能にも対応。この機能は、汚れが多い箇所を検知した際、掃除機が前後に動いて念入りに拭き掃除するというもの。LiDARセンサーの搭載と合わせて、ハイエンドモデルとの壁が薄くなった。

エントリーモデルのなかでも最も安価な「Roomba 105 Combo ロボット」(税込3万9400円)は、機能はシンプルながらコスパ抜群のモデル。マイクロファイバーモップパッドが付属しており、拭き掃除にも対応する。また「Roomba 105 Combo ロボット + AutoEmpty充電ステーション」(税込5万9200円・オンライン限定販売)は、「Roomba 105 Combo ロボット」の充電ステーションに、ごみを自動収集する機能が付加されたモデルだ。

「Roomba 105 Combo ロボット」の底面。カーペットなど拭き掃除のできないところを検知してモップをリフトアップする機能は備わっていないので、注意が必要

「Roomba 205 DustCompactor Combo ロボット」(税込5万9200円)は、今回の新製品のなかでも最もユニークな機能を搭載したモデル。それは、本体のダストボックスに60日分のごみを圧縮・収納できるようにしたというもの。多くのごみを収納するため、本体のサイズがやや大きめになっているのは気になるが、ごみ収集ステーションが大きくて邪魔、という方にはうってつけといえるだろう。また、掃除機本体からごみを収集ステーションに吸い上げる際の音は小さくないので、その騒音がないのもメリットだ。

「Roomba 205 DustCompactor Combo ロボット」のダストボックス(左)と、そこに収納できる綿の量。ダストボックスのフタについている緑色のハネが左右に回転し、ごみを物理的に圧縮する

「Roomba 105 Combo ロボット」(左)と「Roomba 205 DustCompactor Combo ロボット」。後者の方が大きいのがわかる

税込10万円以下の全自動ルンバが初登場

ミドルエンドにあたる「Roomba Plus」シリーズには、新たに2機種が仲間入り。両モデルとも水拭きに対応し、ごみ収集やモップの洗浄・乾燥まで全てオートでおこなう全自動ロボット掃除機だ。

エントリーモデルとの差は、全自動化のほかに、モップが大型の円形回転モップになっていることが挙げられる。また、カーペットなどを掃除する際にモップを自動でリフトアップする機能がついているので、床面の環境を気にせず、掃除の全てを任せっきりにできる。

2機種の底面。円形のモップが2つ装着されています

「Roomba Plus 405 Combo ロボット + AutoWash充電ステーション」(税込9万8800円・オンライン限定販売)は、全自動に対応したルンバとしては、初めて10万円を切る価格を実現。全体的に高価な全自動ルンバだが、コスパの高いモデルが登場した。

その上位モデルに当たる「Roomba Plus 505 Combo ロボット + AutoWash充電ステーション」(税込12万8400円)は、LiDARセンサーに加えてカメラセンサーを搭載し、マッピング性能や障害物を検知する能力をより向上させている。さらに、拭き掃除時に右側のモップを本体より横に広くせり出す機構を備え、壁際までしっかり掃除できるのも特徴。また、モップ洗浄後の乾燥には温風乾燥を採用している。

「Roomba Plus 505 Combo ロボット + AutoWash充電ステーション」の前面に備え付けられたカメラセンサー。これのおかげで、コードのような小さな物体もしっかり認識、回避できる

清掃中の「Roomba Plus 505 Combo ロボット + AutoWash充電ステーション」。モップが壁際にせり出し、隅まで拭き掃除しているのが見える

ステーションに戻った状態の「Roomba Plus 505 Combo ロボット + AutoWash充電ステーション」。充電・ごみ収集・給水・汚水の貯蔵の機能を兼ね備えるステーションは大型だ

従来比180倍のハイパワー! 吸引に特化したハイエンドモデル

ハイエンドの「Roomba Max」シリーズからは、吸引に特化した「Roomba Max 705 Vac ロボット + AutoEmpty充電ステーション」(税込9万8800円)が登場した。本機は、今回発売された新機種のなかで唯一水拭き機能を搭載せず、吸引に特化したモデルだ。

「Roomba Max 705 Vac ロボット + AutoEmpty充電ステーション」の本体とステーション。外見はエントリーモデルと大差ありませんが、パワーに大きな差がある

特筆すべきは、その吸引力の高さ。本機の吸引力は、ルンバ史上最多の国内累計出荷台数を記録した「Roomba 600」シリーズと比較して、なんと180倍にも及ぶ。このパワーは今回発売された他機種の2倍以上であり、ルンバ史上最強である。

なお、ハイエンドモデルの名に恥じず、カメラセンサーを搭載し、ごみ収集ステーションも付属。毛の長いペットを飼っている家庭には、特にぴったりなモデルとなっている。

アイロボットCEOと日本法人社長が語るフルリニューアルの狙い

今回の新製品発表のために来日した、アイロボット・コーポレーションのCEO、ゲイリー・コーエンさんによると、今回の新製品発売は「アイロボットのグローバルタグラインである『Made for this』を実現するため」とのこと。この言葉には「消費者の生活のあらゆるシーンにルンバがあり、ルンバはそのために作られた」という意味が込められているという。また、幅広い価格帯で新製品をリリースしたことで「全ての消費者に、“マイベストルンバ”がある」とも語った。

発表会に登壇したアイロボット・コーポレーションのCEO、ゲイリー・コーエンさん

発表会の最後、同社の日本法人社長、挽野 元さんは「国内のクリーナー市場におけるアイロボットの出荷台数ベースのシェアを、2030年までに20%にしたい」と野望を語った。「クリーナー市場」とは、ロボット掃除機だけでなく、スティック型やキャニスター型など全ての掃除機を含んだ市場のことを指す。日本における同社のロボット掃除機の家庭普及率は、2024年時点で10%とのことなので、同社の目標はかなり野心的であるといえるだろう。

新たに発売されたものを含む、現在売られている機種の一覧表。ほとんどの従来モデルは終売になりますが、「Roomba Max」シリーズの2機種のみ、継続して販売される

アイロボット史上最大の製品リニューアルは、高い目標に向けての布石として説得力のあるものだった。特にエントリーモデルの進化には著しいものがあり、初めてロボット掃除機を使うという人だけでなく、従来品から買い替えるユーザーをも、十分に満足させるだけの性能を持っている。これらは、同社製品のシェア拡大に寄与するものとなりそうだ。

取材・文/畑野壮太
新卒で学研ホールディングスに入社。アイテム情報誌「GetNavi」や電子書籍の編集に従事。その後IT企業への勤務を経て、2018年にフリーのライター・編集者として独立。現在は、製品レビューやメーカー取材などを中心に雑誌・Webの各媒体へ寄稿中。

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