
寝不足、ストレス、飲み過ぎ食べ過ぎ、ドライアイに花粉症アレルギーなど、さまざまな理由で起きる疲れ目。よく見ると、白目の部分が赤くなっていないだろうか。それ、すでに「結膜充血」を起こしている。放っておくと、症状が悪化したり、老けて見られたりして、いいことは何もない。どんな解消法があるのか。市販されている結膜充血に効く目薬を試してみた。
目が充血している人は「不健康」に見られがち
4月17日、目薬「マイティアブランド」で知られる千寿製薬主催の「見落とし充血」発見セミナーに参加した。
講演した眼科医・佐藤香先生によると、多くの人が「結膜充血」を自覚せず、見落としていると言う。結膜とは、上下の瞼の裏側から白目の表面を覆っている半透明の膜のこと。異物が目の中に入るのを防ぐ重要な役目を果たしている。白目というが、血管やリンパ管がたくさん通っている。
結膜充血とは、白目周辺部が網目状に赤くなり、瞼の裏側も赤くなる症状。下の画像を見てほしい。どの目が「結膜充血」だろうか?
多くの人はイメージ図3から充血を認めるが、イメージ図2(左から2枚目)の状態ですでに軽度の結膜充血。
結膜充血の原因はさまざま。疲れ目や寝不足、ドライアイ、花粉症などのほか、コンタクトレンズ、アイメイク、まつエクも原因になる。メイク剤の細かい粒子が目の中に入って刺激を与えたり、メイクを落とすためにゴシゴシ強くこすったりすることが結膜にダメージを与える。このように結膜充血は誰にでも起こる身近な症状と言えるだろう。
身近なだけに放置しがちだが、悪化して痛みや目やにがひどくなったり、目以外にも症状を引き起こすケースもある。
さらに気になるのは、結膜充血は「見た目」に影響することだ。千寿製薬が行った調査によると、「充血のない目」と「充血のある目」ではその人の印象が異なる。
「充血のない目」に対しては73%の人が「健康的な印象」を持つのに対し、「結膜充血のある目」に対して「健康的な印象」を持つ人は14%に激減する。
「見落とし充血」発見セミナーで発表された「充血による印象の変化」。調査企画:千寿製薬。2025年3月インターネット調査。n=400(20~50代の女性、各年代n=100)
また、上の画像のイメージ図1の目に対して「疲れている印象」を持つ人は5%台なのに対し、ちょっと充血しているイメージ図2の目には46%の人が「疲れている印象」を持つという結果が出た。
さらに、イメージ図1のクリアな目を25歳の瞳とした場合、イメージ図4の結膜充血した目は38.9歳と、大きな年齢差が生じた。
目が充血していれば疲れて見えるのは致し方ないところと思うが、こんなに老けて見られるとは。かなりソンをしていることになる。
結膜充血はセルフケアできる。即効性のある目薬も
千寿製薬が3月に発売した「マイティアルミファイ」は、充血除去成分ブリモニジン酒石酸塩を配合した日本初の目薬だ。
「マイティアルミファイ」は要指導医薬品。ドラッグストアなどで薬剤師の指導を受けて購入する。2.5ml入り 2,178円/5ml入り3,828円(いずれもメーカー希望小売価格、税込)
ブリモニジン酒石酸塩とは、2017年にアメリカで承認されたダイレクトOTC(医療用を経ずに一般用医薬品に直接承認された成分)。主に結膜血管の静脈と細動脈に作用して充血を除去する。これまでも目の充血を軽減する目薬はあったが、それらとは作用機序が異なる。酸素や栄養分の細胞への運搬に大きな影響を及ぼすことなく、充血を軽減できるのが特長だ。
筆者はコンタクトレンズを常用し、ふだんはほぼ上のイメージ図2の状態。さっそく1滴差してみたところ、5分後には本当に白目が白くなり、気分が上がった。
結膜充血のセルフケア策も紹介しよう。即効性が高いのは、目を冷やすことだ。冷たいタオルで目の周りを冷やすことで血管が収縮し、充血が軽減される。
充血が起きやすい人には、小手先の対策だけでなく、疲れ目を軽減する生活習慣の見直しが求められる。スマホやパソコンの長時間見っぱなしを避け、ドライアイに気をつける。食生活で言えば、ビタミン類を多く摂取することを心がけたい。特にビタミンB2には細胞の再生を促し、結膜などの粘膜を保護する働きがある。牛や豚、鶏のレバーや牛乳、卵、納豆、葉物野菜などに豊富に含まれている。
あまり充血が気にならない人も、ぜひ一度、鏡で自分の目を見つめてみてほしい。白目に赤いものが混ざっていないか? 目は口ほどに物を言うのである。
「マイティアルミファイ」CM出演中の中条あやみさんは、「相手の目を見て挨拶することを心がけています。『マイティアルミファイ』は初めての人に会う前に使いたい」と話す。
取材・文/佐藤恵菜