
国や自治体では、電気自動車補助金の申請を毎年受け付けている。この記事では、電気自動車補助金の概要や、2025年度の電気自動車補助金の申請について解説する。
目次
走行時に二酸化炭素を排出しないため、環境に優しい車として注目されている電気自動車。購入の際は補助金を活用できるものの、対象車種や補助額といった詳細について、詳しく知らない人もいるはずだ。
この記事では、電気自動車補助金の概要や対象車種、補助額などについて詳しくまとめている。電気自動車を購入する際に使える補助金について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてほしい。
電気自動車補助金(CEV補助金)の概要
電気自動車補助金には、国が交付するものと自治体が交付するものの2種類がある。ここでは、国が交付する電気自動車補助金の概要を詳しく解説しよう。自治体が交付する電気自動車補助金については、後に解説する。
■電気自動車補助金の目的
電気自動車補助金の交付目的は、2050年までの実現を目指す「カーボンニュートラル」が関係している。カーボンニュートラルとは、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすること。
一般社団法人 次世代自動車振興センターによれば、運輸部門の二酸化炭素排出量は全体の約2割、その中で自動車は約9割を占めている。
電気自動車は二酸化炭素排出の低減に役立つとされており、今後の普及が期待されている。そこで、補助金を交付することで購入のハードルを下げ、電気自動車の需要を高めることが目的だ。
■電気自動車補助金の対象車種
電気自動車補助金の対象車種は次の通り。
- 電気自動車(EV)
- プラグインハイブリッド自動車(PHEV)
- 燃料電池車(FCV)
- 超小型モビリティ
- ミニカー
- 側車付二輪自動車・原動機付自転車
なお、中古車や事業用車両、手形で購入した車両は対象外だ。
■電気自動車補助金の補助額
電気自動車補助金の補助額には上限額が定められている。普通自動車のEV車両は85万円、小型・軽自動車のEV車両とPHEV車両は55万円、FCV車両は255万円だ。
また、具体的な補助額は対象車種によってすでに定められている。2024年12月17日~2025年3月31日に車両登録された車と、2025年4月1日以降に車両登録された車で補助額が異なることもあるため、確認しておこう。
対象車種ごとの具体的な補助額は、一般社団法人次世代自動車振興センターのWebサイトで確認が可能だ。
電気自動車補助金(CEV補助金)はいつから始まる?
2025年度の電気自動車補助金は、すでに申請受付が始まっている。ここでは、電気自動車補助金の最新情報をチェックしておこう。
■2025年度の電気自動車補助金の最新情報
冒頭でも触れた通り、2025年3月31日より、令和6年度(2024年度)補正予算分の電気自動車補助金の申請受付がスタートした。
申請書類の提出期限は、車両の登録時期や支払い完了時期によって異なるため、必ず確認しておこう。
2024年12月17日~2024年3月31日までに登録した車両
→支払い方法を問わず2025年5月31日まで消印有効
2025年4月1日~2025年4月30日までに登録した車両
→車両登録日までに支払い(またはリース契約の締結)が全額完了している場合は2025年5月31日まで消印有効
→車両登録日より後に支払い(またはリース契約の締結)が完了した場合は2025年6月30日まで 消印有効
2025年5月1日以降に登録した車両
→車両登録日までに支払い(または支払い手続き・リース契約の締結)が完了した場合は登録日の翌月の前日まで消印有効
→車両登録日より後に支払い(または支払い手続き・リース契約の締結)が完了した場合は登録日の翌々月の末日まで消印有効
なお、申請書類は一般社団法人次世代自動車振興センターの公式サイトからダウンロードできる。申請自体も同社あてに提出することになるため、詳細は同社の案内ページをチェックしておこう。
■2023年度補正予算分の申請受付は終了
令和5年度(2023年度)補正予算分の申請受付は、2025年2月13日をもって受付を終了している。2024年12月17日以降に車両登録を行った電気自動車がある場合は、先述した令和6年度補正予算分の電気自動車補助金にて申請しよう。
自治体の電気自動車補助金一覧
ここまで紹介した国の電気自動車補助金以外に、自治体が管轄する電気自動車補助金も存在する。いくつかの地域の電気自動車補助金の例をピックアップしたため、該当地域に住んでいる人は参考にしてみよう。
■【東京都】電気自動車の普及促進事業
東京都で実施されている電気自動車補助金。2025年4月1日以降に車両登録をしたEV・PHEV・FCV車両を対象として、最大60万(EV・PHEV)~最大190万円(FCV)の補助金を受けることが可能だ。再生可能エネルギーや充放電設備などを導入した場合は、さらに25万~最大40万円の補助額が上乗せされる。
2025年度の申請は、2025年4月28日(月)よりスタート予定だ。
参照:クール・ネット東京
■【埼玉県】電気自動車等導入費補助金事業
埼玉県では、2024年度に引き続き、2025年度の電気自動車補助金の申請も受付開始予定だ。詳細は執筆時点で公開されていない。
参考までに、2024年度の電気自動車補助金では、個人事業主やリース事業者などを対象に、EV・PHEV車両や外部給電器、V2H充放電設備に対する購入費用の補助金を交付していた。補助額は電気自動車で最大40万円だ。
参照:埼玉県ホームページ
■【神奈川県】家庭用電気自動車等導入者奨励金事業
神奈川県横須賀市では、2024年度にEVまたはV2H充放電設備を導入する者に対し、5万円の交付金を交付していた。交付件数は50件までと定められており、2024年度の申請受付はすでに終了している。2025年度の同補助金に関する情報はまだ明らかになっていない。
参照:横須賀市ホームページ
■【大阪府】堺市スマートハウス化等支援事業
大阪府堺市では、2024年度に引き続き、2025年度も電気自動車補助金の申請受付を開始予定だ。市内の戸建て・集合住宅、地域会館、集会所に太陽光発電システムや、電気自動車を導入した場合に、導入に要した費用の一部が補助される。
参考までに、2024年度の同補助金では電気自動車で一律5万円、燃料電池自動車で一律20万円、充電設備の導入で最大20万円が交付されていた。
参照:堺市ホームページ
■【愛知県】ゼロエミッション車の購入補助金
愛知県名古屋市で実施されている電気自動車補助金。2025年度分は2025年6月2日(月)より申請受付が始まる。新車購入したEV・PHEV・FCV車両や、個人で4年以上のリース契約を行った同車両が対象だ。
予算額は7,800万円。補助額はEV車両で10万円、PHEV車両で5万円、FCV車両で20万円となっている。詳細は2025年5月中旬頃にお知らせ予定のためチェックしておこう。
参照:名古屋市ホームページ
電気自動車補助金に関するQ&A
電気自動車補助金に関するよくある疑問と回答をいくつかまとめた。気になる項目があれば参考にしてみよう。
■電気自動車補助金は中古車も対象になる?
国が交付する2025年度(2024年度補正予算分)の電気自動車補助金においては、新古車や中古車は対象外となる。
■電気自動車補助金を申請するにはどうするの?
補助金を管轄する団体の公式サイトより申請書類をダウンロードし、所定の送付先へ郵送しよう。例えば、国が交付する2025年度の電気自動車補助金が目的の場合は、一般社団法人次世代自動車振興センターが管轄しているため、同社へ申請書類を送付する。
自治体の自動車補助金が目的の場合は、自身が住んでいる自治体のホームページを確認しよう。
■補助金を受け取ったら確定申告は必要?
個人が電気自動車補助金を受け取った場合、その補助金は「一時所得」に該当するため、課税対象となる。ただし、一時所得はその他の一時所得との合計額が年間50万円を超えなければ、確定申告の必要はない。給与所得者の場合、給与以外の所得が経費を差し引いて20万円を超えなければ確定申告は不要だ。
また、国が交付する電気自動車補助金の場合「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付した確定申告書を提出することで、総収入額に算入しないようにできる。詳細は国税庁のWebサイトを確認しよう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部