
人手不足などを背景に初任給が上がり、生成AIが普及してきた昨今、出世欲や貯蓄の目標額など、社会人1年目と2年目の仕事に関する意識はどの様になっているのだろうか。
このたび、ソニー生命保険は、2025年2月28日~3月10日の11日間、2025年春(4月)から働き始める社会人1年生、または、就職してから1年が経つ社会人2年生で20~29歳の男女に対し、今年で12回目となる「社会人1年目と2年目の意識調査」を実施し集計したので、注目のポイントをピックアップして紹介しよう。(調査協力会社:ネットエイジア)
初任給の使いみちTOP3は「貯蓄」「生活費」「自分にちょっと良い物を買う」
2025年春(4月)から働き始める社会人1年生500名と、就職してから1年が経つ社会人2年生500名に、社会人1年目のお金の使い方について質問した。
はじめに、社会人1年生(500名)に、初任給はどのようなことに使いたいか聞いたところ、「貯蓄に回す」(35.8%)が最も高くなり、「生活費(食費など)に充てる」(26.8%)、「自分にちょっと良い物を買う」(23.4%)、「親をご馳走につれていく」(22.8%)、「親への贈り物を買う」(21.0%)という結果に。
次に、社会人2年生(500名)に、初任給はどのようなことに使ったか聞いたところ、「貯蓄に回す」(29.2%)が最も高くなり、「生活費(食費など)に充てる」(25.6%)、「自分にちょっと良い物を買う」(20.6%)、「親をご馳走につれていく」(19.6%)、「美容・ファッションに使う」(19.0%)と続いた。
社会人1年生と2年生の回答を比較すると、「貯蓄に回す」(社会人1年生35.8%、社会人2年生29.2%)、「新生活で必要なものを買う」(社会人1年生19.0%、社会人2年生12.4%)では、社会人2年生が経験した実際の使いみちより社会人1年生が考える希望の使いみちのほうが5ポイント以上高くなっている。
社会人1年目に貯蓄した金額は平均52万円、昨年調査から3万円増加!30歳時点の目標貯蓄額 社会人1年生では平均963万円
社会人2年生(500名)に、社会人1年目の生活で貯蓄した金額を聞いたところ、「100万円以上」(26.0%)に最も多くの回答が集まったほか、「0円」(16.0%)、「10万円未満」(19.8%)、「50万円~100万円未満」(16.2%)に回答が分かれ、平均は52万円であった。
昨年の調査結果と比較すると、社会人1年目の生活で貯蓄した金額の平均は2024年49万円→2025年52万円と3万円増加した。消費支出を減らし貯蓄を増やそうとする貯蓄志向の高まりが見て取れる。
次に、全回答者(1,000名)に、30歳時点の目標貯蓄額を聞いたところ、社会人1年生では「500万円~600万円未満」(17.0%)や「1000万円~2000万円未満」(15.6%)に回答が集まり、平均は963万円、社会人2年生では「100万円未満」(19.0%)や「500万円~600万円未満」(19.4%)、「1000万円~2000万円未満」(16.2%)に回答が分かれ、平均は1012万円となった。
社会人2年生の30歳時点の目標貯蓄額について、昨年の調査結果と比較すると、目標貯蓄額の平均は、2024年986万円→2025年1012万円と26万円増加している。
社会人1年生・2年生が出世したいと思わない理由 1位「責任が増える」2位「ストレスを抱えたくない」3位「自分には向いていない」
全回答者(1,000名)に、将来、どの役職まで出世したいか聞いたところ、「課長」が13.3%、「部長」が20.5%、「役員」が13.3%、「社長」が7.4%で、合計した『出世したい(計)』は54.5%となり、「出世したいと思わない」は45.5%であった。
年次別にみると、『出世したい(計)』は社会人1年生58.8%、社会人2年生50.2%、「出世したいと思わない」は社会人1年生41.2%、社会人2年生49.8%という結果に。
また、男女・年次別にみると、社会人1年生の男性では『出世したい(計)』(71.2%)が7割を超え、社会人2年生の女性では『出世したい(計)』(36.8%)が4割を下回った。
出世したいと思わない人(455名)に、出世したいと思わない理由を聞いたところ、「責任が増える」(33.2%)が最も高くなり、「ストレスを抱えたくない」(32.7%)、「自分には向いていない」(30.8%)、「プライベートの時間が減る」(29.5%)、「プレッシャーが重い」(27.0%)が続く。
男女別にみると、女性では「責任が増える」(35.6%)や「ストレスを抱えたくない」(36.3%)、「自分には向いていない」(33.2%)、「プレッシャーが重い」(30.8%)が3割を上回り、男性では「プライベートの時間が減る」(29.4%)が最も高くなった。
男女・年次別にみると、社会人1年生の女性では、TOP2は「責任が増える」(42.5%)と「プレッシャーが重い」(37.3%)となり、責任の重さや周囲から受ける重圧などを理由に、管理職への昇格を敬遠したいと考える人が多いことが明らかに。
また、社会人2年生の女性では、TOP2は「ストレスを抱えたくない」(37.3%)と「自分には向いていない」(30.4%)となった。
社会人2年生の女性の63.2%が「出世したいと思わない」と回答しており、管理職に就くことによる精神的負荷の大きさや、自身の管理職の適性について懸念する人が多いのではないだろうか。
社会人2年生が、社会人1年目のときに職場でドン引きしたこと1位「社内の人間関係がギクシャクしていた」
社会人2年生(500名)に、社会人1年目に職場でドン引きしたことを聞いたところ、「社内の人間関係がギクシャクしていた」(16.2%)が最も高くなり、「ハラスメントを受けた・見聞きした」(13.8%)が続いた。
次いで高くなったのは、「仕事内容が事前に聞いていたことと違った」(11.8%)、「必要のない残業をしている人がいた」「仕事をしていない人がいた」(いずれも11.4%)であった。
男女別にみると、「仕事内容が事前に聞いていたことと違った」(男性15.2%、女性8.4%)や「仕事をしていない人がいた」(男性14.4%、女性8.4%)、「会社の飲み会で上司・先輩が泥酔していた」(男性12.8%、女性6.8%)は、女性と比べて男性のほうが5ポイント以上高くなっている。
“生成AIによる生成物をそのまま使用する” 社会人1年生・2年生の約6割が「ナシ」と回答、一方男性では約5割が「アリ」
全回答者(1,000名)に、職場での行動について、それぞれ社会人として「アリ」だと思うか、「ナシ」だと思うかを聞いた。
≪メモをスマホやタブレットでとる≫では「アリ」は70.7%、「ナシ」は29.3%、≪遅刻・欠勤連絡をメールやLINEでする≫では「アリ」は68.0%、「ナシ」は32.0%、≪メールで伝えたことを電話でフォローする≫では「アリ」は67.4%、「ナシ」は32.6%となった。
≪生成AIによる生成物をそのまま使用する≫では、「アリ」は41.5%、「ナシ」は58.5%という結果に。
男女別にみると、男性では「アリ」は49.2%と、半数近くが生成AIによる生成物をそのまま使用することを問題視していないことが判明。一方、女性では「アリ」は33.8%であった。
「完全テレワーク」と「完全出社」、どちらか一方を選ぶなら?社会人1年生・2年生の6割が「完全出社」を希望
全回答者(1,000名)に、「完全出社」か「完全テレワーク」か、どちらか一方の働き方を選ぶならどちらを選ぶか聞いたところ、「完全出社」は60.3%、「完全テレワーク」は39.7%となった。
男女別にみると、「完全出社」と回答した人の割合は、男性では65.4%と、女性(55.2%)と比べて10ポイント以上高くなっている。
昨年の調査結果と比較すると、「完全出社」と回答した人の割合は、2024年51.9%→2025年60.3%と8.4ポイント上昇した。
社会人1年生・2年生の生きがいTOP3は、「趣味・レジャー」「友人との交流」「貯金・資産運用」
全回答者(1,000名)に、自身にとっての“生きがい”を聞いたところ、「趣味・レジャー」(43.6%)が最も高くなった。次いで高くなったのは、「友人との交流」(30.4%)、「貯金・資産運用」(25.4%)、「自分磨き」(21.1%)、「家族・ペット」(20.9%)。
男女別にみると、女性では「趣味・レジャー」が49.2%と約半数を占めた。男性では2位は「貯金・資産運用」(26.0%)。また、「友人との交流」(男性23.4%、女性37.4%)は男性と比べて女性のほうが14.0ポイント高くなっている。
目標にしたい先輩のイメージに合う男性有名人、男性回答1位は「大谷翔平さん」、女性回答1位「櫻井翔さん」、女性有名人は男性・女性ともに1位「天海祐希さん」
全回答者(1,000名)に、目標にしたい先輩のイメージに合う有名人を聞いたところ、男性有名人では1位「大谷翔平さん」、2位「櫻井翔さん」、3位「木村拓哉さん」という結果に。
ドジャースに移籍後メジャー史上初の“50−50”を達成するなど、前人未到の偉業を成し遂げた大谷翔平さんがトップであった。
女性有名人では1位「天海祐希さん」、2位「水卜麻美さん」、3位「有村架純さん」「石原さとみさん」「北川景子さん」「橋本環奈さん」という結果に。凛とした強い女性のイメージがある天海祐希さんに憧れる人が多いのではないだろうか。
調査概要
調査タイトル:社会人1年目と2年目の意識調査2025
調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする2025年春(4月)から働き始める社会人1年生、または、就職してから1年が経つ社会人2年生で20~29歳の男女
調査期間:2025年2月28日~3月10日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル(有効回答から社会人1年目と2年目を均等に抽出)
※ソニー生命調べ
※本調査レポートの百分率表示は小数点第2位で四捨五入の丸め計算を行っているため、合計しても100%とならない場合がある。また、属性別集計において抜粋して表示している場合は、n数を合計しても全体と一致しないことがある。
関連情報
https://www.sonylife.co.jp/company/news/report.html
構成/Ara