
ヒョンデは、韓国のソウルモビリティショーで開催されたグローバルローンチイベントにおいて、最先端のミッドサイズSUVである新型水素電気自動車(FCEV)「NEXO(ネッソ)」を発表した。
この第2世代となる新型ネッソは、5分間の水素充填で航続距離700km以上を目標としつつ、開発では当然のことながら安全性にも重点が置かれている。ネッソの包括的な安全装備は、ドライバーと同乗者の安心を確保し、トップクラスの安全性評価を目標としている。
そして第2世代のネッソには、水素モビリティにおけるヒョンデのリーダーシップと、27年にわたる燃料電池技術における経験とが大いに活かされている。またこの新モデルは、バッテリー電気自動車(BEV)やハイブリッド車だけでなく、水素電気自動車(FCEV)も含む多様な車両電動化戦略への同社のコミットメントを強調するものであり、消費者にとっても幅広い選択肢を提供するものとなっている。
「アート・オブ・スティール」のエクステリアデザインと充実したインテリア
2024年10月に発表されたINITIUMコンセプトをベースにした新型ネッソは、ヒョンデの新しいデザイン言語「アート・オブ・スティール」を体現しており、素材本来の強さと自然な造形性を反映している。そのデザインでは、スチールの耐久性と汎用性が緊張感と力強さをもたらし、芸術的な形状が誕生した。
無骨さを感じさせる大胆なラインと堅固な構造に、アーチ型の断面によって力強さが加えられた頑丈で洗練されたデザイン。ドアに施された水平の溝パターンは、車両の耐久性を強調しており、全体的に都市とアウトドアの両方のライフスタイルに適合する仕上がりになっている。
そしてエクステリアは、「HTWO」ランプを特徴とする大胆さと洗練さを融合させたFCEV特有のデザインで、ヒョンデグループの水素ブランド「HTWO」と「Hydrogen for Humanity(人類のための水素)」のメッセージを巧みに表現している。4つのドットランプにより、夜間でもヒョンデブランドを際立たせてくれる。
新型ネッソのカラー展開は、Creamy White Pearl、Phantom Black Pearl、Amazon Gray Metallic、Ocean Indigo Matte、Ecotronic Gray Pearl、Goyo Copper Pearlの6色となる。中でもGoyo Copper Pearlは、韓国の自然と文化からインスパイアされたもので、「コリアニズム」のエッセンスを体現している。
韓国語で「静謐」を意味する「ゴヨ」にちなんで名付けられたこのカラーは、深みのある豊かな色調によって、韓国の伝統美と現代的な美意識を融合させた独特の魅力を生み出している。また光の角度や環境によって変化する多次元的な効果が生まれる3層コート塗装が、クルマの存在感を高めている。
一方車内は、乗客の快適性と利便性を高めるために広々とした空間に設計されている。インテリアには、家の中にいるような暖かさと快適さを連想させるパターンの、ソフトで贅沢なパッドが使用されている。ドライバー中心の湾曲したディスプレイ、直感的なコントロール、収納スペースに優れたアイランド型センターコンソールなども主な特徴。さらにデジタルサイドミラーディスプレイは、ダッシュボードの一部としてシームレスに統合され、開放感と実用性を最大限に高めている。ハイテク感にあふれる「家具付き空間」を作り出すデザインが、魅力的な体験を提供。
そして新型ネッソは、先代モデルよりも車内空間が長く、広く、高くなったことで乗員の快適性が向上し、リアの荷室容量も増量した。最大993リットルの空間を確保し、ゴルフバッグを4個収納可能。ラゲッジエリアに新たに導入されたプラットフォームは、ユーザーがニーズに合わせて自由にアクセサリーを選べるように設計されている。
そのインテリアには、1列目のプレミアムリラックスシート(レッグレスト付き)も装備。1列目シートの背もたれはスリムになり、2列目シートのニークリアランスとレッグルームが改善された。2列目シートの快適性は、ベンチレーションシートによってさらに向上し、リクライニング角度も従来のネッソより大きくなっている。また、2列目乗員のヘッドルームとショルダールームもリニューアルされている。リヤドアは先代車より大きく開き、乗り降りがしやすくなったため、家族連れにも理想的。
さらにセンターコンソール、ダッシュボードエリア、ドアトリムなど、キャビンのいたるところにスマートな収納ソリューションを備えたことでより実用性がアップし、利便性を向上させている。道路速度制限アラートと連動したアンビエントムードライトがネッソのプレミアム感を演出し、ビジョンルーフが車内空間の魅力を高めている。
なおインテリアには、バイオプロセスレザー、バイオPUレザー、リサイクルPETファブリック、リネンファブリック、バイオプラスチック、バイオTPOスキン、バイオ塗料、バイオPUスラブフォーム、リサイクル自動車用プラスチック廃材など、サステイナブル素材が全体に使用されている。
【主要諸元】
関連情報:https://www.hyundai.com/worldwide/en/eco/nexo/highlights
構成/土屋嘉久