
PayPayは3月31日まで『PayPayスクラッチくじ』というポイント還元イベントを開催していた。
これはPayPayとPayPayカードで200円以上の支払いを実施すると1枚与えられるもので、1等は100%還元、そして何と付与上限は10万ポイント/回および期間(PayPayスクラッチくじ、PayPayカードスクラッチくじそれぞれ)という久々の太っ腹設定だ。
ところが、スクラッチくじという性質上これをもらったら銀の部分を自分で削って(タップして)結果を確認しないといけないという手間がある。くじには有効期限があり、30日後の23時59分までに削らないと無効になってしまう。そして、今回の企画を静岡市の公営住宅の室内で思い立った時点で、筆者は94枚ものくじを溜めていたのだ。
これを一気に削ってみたら、果たしてどのくらいのポイントが付与されるのか……というのが今回の試みである。
溜まりに溜まったスクラッチくじ
考えてみれば、今の筆者は東京都千代田区紀尾井町のPayPay株式会社に財布を握られているような生活をしている。
地元の静岡市にいるときは、専らPayPayとiPhoneに内蔵したPayPayカードであらゆる買い物をしている。通信費はau PAYカードで支払い、仕事で上京した時はモバイルSuicaも使うが、普段の買い物は皆PayPay。なぜそのようなライフスタイルになったのかは、自分でも分からない。いつの間にかそうなってしまった、というのが本当のところである。
そんなわけだから、スクラッチくじは溜まっていく一方だった。
さて、筆者は@DIMEで記事を書く際、編集部に対して「記事の提案」というものをしている。この記事も筆者の思いつきによるものだが、企画案を練っていた当時筆者が抱えていたくじは94枚だったはずだ。
それが編集部から記事執筆の許可をもらい、よしこれからくじを削るぞ! となった時にはさらに20枚ほど増えていた。つまり、筆者はおよそ110枚にも及ぶ枚数のくじに直面してしまったのだ。
しかも、その中には万単位の買い物で発生したくじも。こ、これなら期限内上限の10万ポイントも夢じゃねぇぞ!?
ハズレか3等ばかりだったぞ!
というわけで、くじを一気に削ってみた。
「一気に」とはいっても、何とこのPayPayスクラッチくじには「複数枚を一括で削る」という機能はない。1枚1枚指でタップしなければならず、このあたりはだいぶ骨が折れた。そりゃそうだ!
もしも本当に10万ポイントが手に入ったら、何を買おうか。てか、10万ポイントの大型還元イベントなんてサービス開始間もない頃のPayPayを思い出すよなぁ。10万ポイントが天から降ってきたら、まずは新しいブーツを買おう……。
そんな夢を脳内で巡らせつつ、筆者はくじを削っていく。ハズレ、ハズレ、ハズレ、 3等、ハズレ、3等、3等、ハズレ―—。
結果、約110枚のうち当たったのは39枚。そして39枚すべてが3等(0.5%還元)だった。還元ポイントは合計270ポイント。えぇぇぇぇぇぇ……。
1等当選者もいるが……
PayPayスクラッチくじのこの「渋さ」は、Xでも報告が相次いでいた。
「3等以上に当選した人を見たことがない」「2等なんて本当にあるの?」「ハズレばっかり!」というポストが多く、PayPayの公式がアナウンスしている当選確率を疑う声も。ただし、2等以上が存在しないというわけではない。1等に当選したことを画像付きでポストする人もいる。
が、1等当選者の獲得ポイントはいずれも多くて2,000円程度、多くは数百円ほどという具合である。期間内上限の10万ポイントを得るに至った……という人のポストは筆者の検索の仕方が悪いのか、未だ見たことがない。
残念ながら、この還元イベントで極端な幸運に恵まれた人は「ほぼ皆無」のようだ。
数百円のご褒美
こうして筆者の夢は破れたわけだが、それでも学んだことはある。
「還元イベントに過度な期待をかけてはいけない」ということだ。元も子もないような教訓だが、これは「キャッシュレス決済サービスの還元イベントとは、日常のちょっとしたラッキーを創出するためにある」と言い換えられる。
還元イベントで最も得をするのは、日々の生活の中でそのキャッシュレス決済サービスを使い続け、自覚のないうちにポイントが貯まっていた……というような先天的な欲のない人である。毎日PayPayもしくはPayPayカードを使ってくれている人のための、数百円分のご褒美。それが此度のスクラッチくじだったのだ。
数百円を馬鹿にしてはいけない。たとえば、カルディで売られている海外の缶詰は1缶500円という具合である。それを還元ポイントで購入できると思えば、確かにこれはちょっとしたご褒美ではないか。
ただ、それでもPayPayに対して不満がないわけでもない。「くじを1枚1枚削らなければならない」という仕様は、もう少しどうにかならなかったのかと思う。数十枚を一括で削れる機能があれば、それがユーザーの期待や興奮神経を大いに刺激してやれたはずではないか。
というわけで、もう一度スクラッチくじイベントやってくれPayPay!
文/澤田真一
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