
気候が暖かくなり、お出かけにピッタリな季節がやってきました。バイク乗りにとってもそれは同じ。ツーリングに出かけて春の風と共に駆け抜けた~い!
…と、その前に。バイクシーズンのスタートを知らせるイベント『モーターサイクルショー』のレポートをお届けしましょう。
最新のバイクが集まり、大いに盛り上がった今年のモーターサイクルショー。身長156cmの筆者が、話題の新型車両にまたがって足つきをチェックしてみましたよ!
スズキ『DR-Z4S』
まずはオフロード好きが待ち望んだスズキの『DR-Z4S』から。2008年に生産終了して以降、なんと15年ぶりに発売された400ccクラスのオフロードバイクです。
車両重量151kgと非常に軽く、パワフルな走りで街乗りから本格的なオフロードまで幅広い遊び方ができるだけでなく、機能美の際立つスタイリッシュなデザインも大好評。スズキインテリジェントライドシステム(S.I.R.S.)やトラクションコントロール、ABS解除モードといった現代ならではの技術も搭載されており、多くのバイク好きが注目している1台です。
さて、そんなDR-Z4Sですが、オフロード車ということもあって足つきはお世辞にもよいとは言えません。
冒頭に書いた通り、筆者の身長は156cm。おまけにそれほど足が長くもないため、DR-Z4Sの足つきはお尻をズラしてようやく片足のつま先がつく程度。車体が軽いため底の厚いライディングブーツを履けば十分乗れますが、ひとつ大きな問題点がありました。
それが、こちら。筆者が跨った車両は「ローシート装着車(シート高890mm)」だったのです…!
つまりノーマルの状態の車両ではシート高920mmと、さらに足つきが悪いということ。純正でローシートが用意されているのは有難いことですが、ノーマルで乗るには身長が165cmはあった方がよいかもしれませんね。
スズキ『DR-Z4SM』
先ほどのDR-Z4Sと同様にスズキで注目を浴びていたのが、兄弟車である『DR-Z4SM』。ブースでは正面の一番目立つところに展示されており、自信を持って世に送り出されていることが伝わってくる1台です。
DR-Z4SとDR-Z4SMの違いは、前者が砂利道などの未舗装路をアクティブに走るためのオフロードバイクであるのに対して、後者は舗装路をスポーティに走るためのスーパーモタードバイクである点。タイヤが21インチ(フロント)と18インチ(リア)のブロックタイヤだったのが、両側17インチのオンロードタイヤとなるのに加え、サスペンションやシート高など車体設計の違いがあるのです。
ということで、モタード車であるDR-Z4SMにまたがってみると…ノーマルシート(シート高890mm)ということもあって足つきはかなりシビアです。
お尻を少しズラしても、片足でつま先の先端しか地面につきませんでした。車体が軽いため乗れなくありませんが、とっさの瞬間で踏ん張り切れずにこけてしまうリスクは避けられません。
ハンドル回りは非常にシンプルで、モノクロの電子メーターが搭載されています。
左手側に付いているスイッチは、スズキインテリジェントライドシステムの操作ボタン。パワーモードやトラクションコントロールなどが選択できるそうで、気軽なツーリングから本格スポーツ走行まで、あらゆる場面で心強い相棒となりそうです。
ヤマハ『MT-09 Y-AMT』
ヤマハが開発したオートマチックシステム『Y-AMT』を搭載していることで話題となっているのが『MT-09 Y-AMT』です。
MT-09のスポーツライディングを受け継ぎながら、クラッチレバーとシフトペダルを取り除いた思い切りのよさが最大の特徴。誰でも快適にツーリングを楽しめる完全ATモードを搭載しながら、手元のボタンを使ってギアチェンジをするMTモードも備えています。
元々足つきがそれほど良くないイメージのあるMT-09ですが、今回跨ってみたところ、意外にもお尻をズラすことなくつま先が地面につきました。
シート高は825mmとそれなりにあるのですが、スリムな車体のおかげで数値以上に足つきよく感じます。バイクの取り扱いに慣れている人であれば、身長160cm以下の低身長者でも乗りこなせそうだと感じました。
ハンドルまわりを見てみると、今どきのバイクらしくたくさんの機能が搭載されています。
5インチTFTディスプレイはスピードメーターとして使用するだけでなく、スマートフォンと連携をしてナビ画面を表示したり、走行モードの選択画面として使ったりと多機能です。
また左手側にクラッチレバーが付いていない点は、こうして改めて見ることでギャップを感じるポイントでした。操作に慣れるまでは、無意識のうちに左手が空を掴んでしまうかも…!?
ヤマハ『TRACER9 GT+』
先ほどのMT-09 Y-AMTよりも、さらに長距離走行にピッタリなツアラーとして登場したのが『TRACER9 GT+』です。
MT-09 Y-AMTと同様にヤマハのオートマチックシステムY-AMTを搭載。それに加えてアダプティブクルーズコントロール(ACC)や電子制御サスペンションなどの最新技術が詰め込まれ、長距離走行を楽しみながらも、スポーティな走行性能を味わえる1台なのです。
しかし、多くのツアラーバイクにおいてネックとなるのが足つきの悪さ。「ダメでもともと」と跨ってみたところ…なんということでしょう! 少し背伸びをしただけで片足がしっかりと地面を掴め、かなり余裕があるではないですか !!
実はTRACER9 GT+には、シート高を820~835mmの範囲で調整する機構が備わっているのです! 身長150cm台の筆者にはツアラーバイクは乗れないと思い込んでいたため、嬉しい大発見でした。
ハンドルまわりには、ギアやACCなどを操作するためのボタンがたくさん設置されています。
ヤマハの最新技術が詰まったハイエンドツアラーバイク、TRACER9 GT+。いつかロングツーリングで乗ってみたいですね!