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1戸あたり最大200万円の補助金も!今すぐ「窓リノベ」をするべき理由をYKK APに聞いてみた

2025.04.19
住まいをリノベーションする際、多くの人が重点的に予算を投入するのが、リビングやキッチンであり、「窓のリノベーション(以下「窓リノベ」)は検討の対象にものぼらないことが多い。だが令和6年度の補正予算で政府が1,350億円を「窓リノベ」促進の施策として計上しており、窓リノベ工事に1戸あたり最大200万円の補助金を支給するというビッグなキャンペーンを行っているのをご存じだろうか。

国が、窓リノベ工事に1戸あたり最大200万円の補助金を支給

しかも2023年から3年間続いたこのキャンペーンは今年が最後になる可能性が高く、予算を使い切ったところで終了。つまり早い者勝ちなのだ。

最大200万円の補助金が支給されるのは、国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携による住宅の省エネか強化策「先進的窓リノベ2025事業(正式名称:断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業)」。公式サイトの事業概要によると重要な目的はいろいろとあるようだが、しかし窓とはいえ、リノベーションはおおごとだ。

工事費用や日数はどれくらいかかるのか。そもそも窓リノベによって、生活の何がどう変わるのか。疑問は尽きない。窓といえばYKK AP。というわけで、YKK AP株式会社(以下「YKK AP」)に詳しく話を聞いた。

品川にあるYKK APの「体感ショールーム」で取材に協力してくれたYKK AP株式会社 コーポレートコミュニケーション統括部の古賀茉莉氏

疑問(1)…窓って、断熱にそこまで影響ある?

「住宅省エネキャンペーン」は窓や給湯器や水回りなど、省エネに繋がる設備の導入に対して補助金が出る。中でも最高200万円と、特に補助額が大きいのが、「先進的窓リノベ事業」。その理由は何か。

「住宅の断熱効率を高めるには壁や屋根、床などさまざまなリノベの方法があります。でも実は、家の中で熱の出入りが一番多いのは窓なのです。夏に室内に流入する熱を100%とした場合、窓からが約74%。冬に流出する熱の割合は窓からが約50%にもなるのです。ですから夏涼しく冬暖かい快適な住まいを実現するためにお金をかけるのなら、窓のリノベーションが最も効率的と言えます」(YKK AP 株式会社の古賀茉莉氏)

夏に室内に流入する熱を100%とした場合、窓からが約74%。冬に流出する熱の割合は窓からが約50%にもなる ※画像提供/YKK AP

お金をかけるなら、窓のリノベーションが最も効率的だという ※画像提供/YKK AP

疑問(2)…窓リノベって、費用も時間もかかるのでは?

窓のリノベーションというと「お金も時間もかかる」「工事前に、部屋の荷物を全部別の部屋に移して空けないといけないのが大変」というイメージがある。だが古賀氏によると、最近の窓リノベは窓の周囲のスペースだけを空ければ可能であり、ごく短時間で終わるのだという。

「最も採用が多いのは、今ある窓の内側に、断熱性能の高い窓をもう1個つける『内窓』という施工方法です。大きな窓でも1枚60分あればついてしまいますので、設置枚数にもよりますが、家中の窓をリノベしても、1日で終わるのでは。出入りが多く窓が2枚になるのが不便な場合、窓そのものを交換することもできますが、これも1枚あたり半日程度で完成します。どちらも窓周りだけ片付けていただければ室内から簡単につけられますので皆さんがイメージされているより簡単です」(古賀氏)

断熱効果の高い樹脂製の窓枠を上からかぶせる「窓交換(カーバー工法)」の断面(白い部分が樹脂製の窓枠で、下のグレーの部分が元のアルミ製の窓枠)。上からかぶせるだけなので、工事が短時間で完了する

短時間で簡単に取り付けられるとなると、気になるのは費用だ。施工会社や窓のメーカーによっても異なるが、古賀氏によると、YKK AP商品の場合の参考価格(施工費込み)は、ベランダに出るような大きな窓の内窓工事で15万から20万円ぐらい。腰から上くらいの窓で10万~15万円だという。さらに補助により、この金額の約半額が施工会社経由で戻ってくる

「この時の重要ポイントが、より性能が高い窓にしたほうが、補助金の額が多くなるということです。商品価格が上がっても、補助金を差し引くとその方がお得になる場合があります」(古賀氏)。

内窓を取り付けるタイプと、窓を交換するタイプの工事費用の目安 ※画像提供/YKK AP

疑問(3)…窓リノベって、具体的に何をどうするの?

窓はガラスとサッシ(窓枠)で構成されているので、その2種類で窓全体の性能が決まる。サッシといえば「アルミサッシ」 という言葉浮かぶように、窓枠で最も普及している素材がアルミだが、それを樹脂製の「樹脂窓」に変えることで飛躍的に断熱性が高まるという。

「高度成長期で住宅の新築需要が高かった時代にはアルミサッシが主流だったのですが、ただアルミはフライパンに使われるように、熱伝導率が非常に高い素材です。そのため、断熱先進国では今、樹脂製窓が主流となっています。ただ戸建てですと樹脂窓が問題なく使用できますが、マンションの高層階になりますと強度などの問題で樹脂100%の窓枠が使用できないため、アルミと樹脂のいいとこ取りをしたような『アルミ樹脂複合窓』を使用します。こちらも十分に断熱窓と言える窓になります」(古賀氏)

樹脂にもさまざまな種類があるが、窓枠に使用されるのは自動車部品や排水溝など、耐久性に優れた素材が求められる場所に使用される塩ビ(PVC)が採用されている

ガラスで重要なのは枚数だ。1枚より2枚、2枚より3枚と多くなるほど、ダウンだけジャケットのように空気層ができるので、断熱性能がどんどん上がる。また表面に特殊な金属コーティングされガラスだと、さらに断熱性能がぐっとアップするという。

「内窓を設置して窓を二重にすることで断熱性だけでなく、遮音性も高まります。コロナ禍でリモートワークが広まった時、騒音が気になって仕事に集中できないので内窓リフォームをする方が増えたのですが、『防音のために窓リノベしたら、冬暖かくて一石二鳥だった』という声もありました。また最近、問題になっている闇バイトによる犯罪ですが、窓が二重になるとそれだけ侵入しにくくなりますので、防犯の視点でも内窓は効果的です」(古賀氏)

内窓リフォームによるメリット ※画像提供/YKK AP

疑問(4)…そもそもなぜ国が、ここまで窓リノベに力を入れているの?

政府は2050年までカーボンニュートラルを目指すことを宣言していて、そこから逆算する形でさまざまな仕組み作りを行ってきた。日本の場合は2013年度比の温室効果ガス排出削減目標が、産業部門が約13%~約43%なのに対し、家庭部門の目標が約66%。あまりに高い目標値なので、このままでは達成できないのではという政府の試算もあり、GX(グリーントランスフォーメーション)戦略として、2023年から2025年の3年間、断熱窓導入に集中的に投資するという方針が掲げられたのだという。

温室効果ガス排出削減目標は家庭部門が最も高い ※国交省HP(21年改訂)を元に作成

そもそも日本の住宅の断熱基準は、海外と比較して大変遅れている状況なんです。WHO(世界保健機構)では、『住宅と健康のガイドライン』として18℃未満はリスクがあるとし、冬季最低室温を18℃以上にすることを強く勧告しています。しかし日本では、冬季の朝の室温が10度以下の家が多いのが現実です。

カーボンニュートラルを実現するには、日本でもこうした世界的な基準に近づける必要があり、そのために2023年にスタートしたのが『住宅省エネキャンペーン』です。国交省、経産省、環境省の連携施策となっていますが、この3省庁が連携するとのことで、業界的にも非常に驚いたキャンペーンです」(古賀氏)。
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つまり今、日本は住宅の断熱性能が大きく変わる過渡期にさしかかっているということ。少子化が進み建築資材の価格が高騰している日本では今後、新築の家が少なくなる。そこですでにある家の窓のリノベーションに、集中的に予算を投下しているというわけだ。

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