
すでにスマホではデバイス内への実装が進む生成AI。2025年は大画面テレビの分野でも導入が加速しそうだ。
生成AI搭載テレビが登場!?
「これまでにもAIの活用自体は進められてきました。EPG(電子番組表)に埋め込まれている番組情報に基づいて『コンテンツごとに最適な高画質処理を行なう』『キーワードに適合する番組をおすすめしたり自動録画したりできる』のはそのためです。これに対して生成AIの活用で想定されているのは、番組情報が埋め込まれていないコンテンツでも理解すること。導入が進めば、YouTubeの動画を含め、見たい映像を今よりも高精度に探せるようになります」
そう話すのは、テレビやAIなどの技術に造詣が深いジャーナリストの西田宗千佳さん。生成AIの技術開発は『レグザ』を展開しているTVS REGZAが意欲的。2025年1月に米国ラスベガスで行なわれた『CES 2025』で、関連技術を大々的に披露した。同イベントではGoogleも同社生成AI「Gemini」を大画面テレビに積極投入していくと表明している。
「今後はユーザーの行動分析なども進み、テレビの前に座っただけで潜在的に見たい番組が表示されるようになるかもしれません」
【DIMEの読み】
潜在的に求めるコンテンツをいかにして提示できるのか。生成AIによる番組解析力やレコメンド精度が大画面テレビにおける今後の競争軸になる。「Fire TV」OSを提供するAmazonの動向も注目だ。
レグザは生成AI活用に加えて将来的には「視聴者プロファイル照合」に注力
TVS REGZAでは「AIボイスナビゲータ技術」(上記画面)を開発。今後はユーザーとの〝会話〟などをもとに見たいコンテンツをすぐ提示できるようになる模様。
「Google TV」搭載機では2025年内に「Gemini」が利用可能に
Googleが提供中の「Google TV」OSを搭載しているソニーやTCLなどのテレビでは、生成AI「Gemini」に対応予定。2025年2月末時点で詳細は明かされていない。
取材・文・編集/田尻健二郎