裁判所の判断
▼ 愛人になるか発言
裁判所は「愛人になるか?発言はセクハラだ」と判断。
Yは「そんな発言をしていない」と主張しましたが、裁判所はザックリ「Xさんが社長に送信したLINEに具体性・迫真性があるので信用できる」と判断。
★セクハラを受けたら【すぐ】誰かにLINEをしておきましょう。送信する際【されたことを具体的】に入力してください。小説家のように臨場感たっぷり記載して下さい。裁判官が信用してくれるかは出たとこ勝負ですが、今回の裁判官のように信用してくれるケースもあります。
★セクハラ直後のLINEが決め手となったケース
駅のホームで「肩を触られた」というセクハラ。電車に入ってすぐ同僚にLINE。裁判所「このLINEの内容は信用できる」と判断(東京地裁 R2.3.3)
▼ ホテルの部屋で
裁判所はセクハラ認定しました。具体的には「別室を希望するXさんの意向を拒み,一時的であれ同室で過ごすことをやむを得ない状況に置き、さらに入室後には早々にシャワーを浴びるという行動に出ているのであり、これらのYによる言動及び対応は、Xさんに対し、意に沿わない性的関係等を要求される危惧を抱かせるものであった」と判断し、セクハラ認定。
▼ 認められた金額
慰謝料 50万円
さいごに
出張はオッサンの気が緩むのでしょう。出張の際のセクハラ裁判例をチラホラみかけます。
たとえば出張中に酒で気の緩んだ上司が「ホテルに遊びに行っていいか」「今日は●●(Xさん)を抱いちゃおうかな」とLINE送信した事件(人材派遣業A社ほか事件:札幌地裁 R3. 6.23)。
会社飲み会でもハメを外しやすいので注意しましょう。「この中で付き合うなら誰だ?」というしょーもない質問、よく聞きますが【オマエじゃない】ことは確かなのでヤメておきましょう。女性社員の皆さまは常時録音で宴会に臨むのも手です。
今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
「ムズイ法律を、おもしろく」をモットーにコンテンツを作成している弁護士
YouTube:https://www.youtube.com/@saiban_LABO
「今日は抱いちゃおうかな」キモいLINEを送ってくるセクハラ上司に裁判所が下した鉄槌
こんにちは。 弁護士の林 孝匡です。 宇宙イチわかりやすい法律解説を目指しています。 ホントウにあったセクハラ事件を解説します。 ――どんなセクハラをされたんで...