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改札は「顔パス」の時代へ!Osaka MetroとJR東日本が導入する顔認証改札のしくみ

2025.04.15

キャッシュレス決済や鉄道の自動改札機の在り方が、大きく変わろうとしている。

我々人類には「顔」という唯一無二の鍵を生まれながらに持っている。その顔を使えば、交通系ICカードやクレジットカードなどは携帯する必要はないはずだ。

顔認証システムは、既に我々の身近にある。iPhoneの現行ラインナップは、どれもFace ID搭載機種。画面ロックを解除するのには所有者の顔を使う。

このような仕組みが、21世紀も中葉を迎えようとする現代文明に定着しつつあるのだ。

Osaka Metroが顔認証改札を一般開放

3月25日、Osaka Metroがこのようなプレスリリースを配信した。

『2025年3月25日(火曜日)からウォークスルー型顔認証改札サービスを開始します』という題の記事である。

Osaka Metro は、2025年大阪・関西万博に向けたキャッシュレス・チケットレス改札の取組みの一環として、2025年3月25日(火曜日)からウォークスルー型顔認証改札サービスを開始します。

顔認証改札機はOsaka Metro 全134駅中130駅に設置しており、e METROアプリで購入できるデジタル乗車券と事前にe METROアプリに登録した顔情報を紐づけることで、乗車券等を改札機にタッチすることなくウォークスルーで利用できます。

本サービスの導入により、万博開催時には「交通系ICカード」、「QRコードを活用したデジタル乗車券」、「クレジットカード等のタッチ決済」、「顔認証」の多様な改札機能がそろいます。

Osaka Metro は、今後も国内外のお客さまの多種多様なニーズにお応えし、より便利で快適な移動の実現を目指します。
Osaka Metro公式サイト

Osaka Metroのウォークスルー型顔認証改札は、2019年12月から段階的に実証実験が行われていた。最初は社員のみ対象、続いて一般モニターを予め募集して……という具合に、5年半かけて少しずつ実証実験の対象を拡大した経緯がある。もちろん、その間に改札システム自体の精度も向上した。

関西経済圏の真っ只中の鉄道で顔認証改札が導入された、という出来事はやはり大きなニュースバリューを含んでいる。

2024年11月12日のOsaka Metro御堂筋線梅田駅の乗降人員数は42万718人。自動改札機は、これだけの人数を滞留なくさばかなければならないのだ。「実証実験に5年半かけた」というのは一般の感覚では長いかもしれないが、テクノロジーライターと称して編集部から米を取っている筆者から見ると「かなりのハイペース」というのが正直な感想である。これまで大きなトラブルがなく、改善点のフィードバックも順調に行われたのだろう。

実証実験の舞台は上越新幹線

その一方、JR東日本もついに顔認証改札の導入を公表した。

4月8日付のプレスリリースで、上越新幹線の新潟駅と長岡駅を舞台とした新型改札の実証実験を行うと明記したのだ。新潟駅新幹線東改札、長岡駅新幹線改札の各駅に1通路だけ新型機器を設置し、2025年秋頃から2026年春頃までの期間を設定するという。対象は「新潟駅と長岡駅の間の新幹線定期券(Suica FREXまたはSuica FREXパル)をお持ちのお客さまを対象にモニター参加者を募集」とある。

条件を設定した上でのモニター募集のため、万人に門戸を開いているわけではない点に注意が必要だ。

JR東日本のプレスリリースには「主な評価項目」という説明も記載されている。

(1)改札機における顔認証技術そのものの精度確認
(2)機器設置環境(照度、カメラ角度、温湿度環境等)に関する実証確認
(3)改札機を通過する「歩行者の速度」「カメラと歩行者の距離」や改札機と顔認証センサーの連動確認等

この3点の実証を、これから行う予定だという。

やはり、最初のうちということもあり実証内容は基本的な性能の評価と改善に焦点が当てられるようだ。各メディア(NHK、地方紙も含む)はこの話題について大きく報じてはいるが、実際にはかなり地味で地道な実証実験になるのではないか。

ただし、此度のJR東日本のプレスリリースが「日本の次世代改札の在り方」に関する分かれ道になったことは間違いないだろう。

JALの業務用自動運転バスにも!

顔認証システムは、鉄道の自動改札機のみならず業務用車両でも導入されつつある。

日本航空(JAL)は3月、NECと共同の業務用自動運転バス(レベル2)の実証実験を開始した。これはグループ社員が施設間の移動に使う車両だが、乗車の際には顔認証システムを利用して身元をパスする仕組みだ。こうすることにより、「ドライバーが利用者の社員証を確認する」という過程を省くことができる。

商業用車両にも、同様の仕組みがいずれ導入されるに違いない。

我々が未来を見据える上で、顔認証システムは決して見逃すわけにはいかないものだ。もちろん、顔認証システムを実用化するには課題もある。顔とは「究極の個人情報」であり、それに関わる情報が適切に管理されるのか……というのは誰しもが不安に感じる部分だ。

それをどう乗り越えるのか。セキュリティー面での検証にも、相応の時間を要するだろう。

その先にあるのは、日本列島を丸ごと包み込む「認証システム革命」の嵐である。

【参考】
2025年3月25日(火曜日)からウォークスルー型顔認証改札サービスを開始します-Osaka Metro
路線別乗降人員-Osaka Metro
「Suica Renaissance」実現に向け上越新幹線で顔認証改札機の実証実験を行います-JR東日本
JALとNEC、自動運転バスの活用に向けた実証実験を開始-JAL

文/澤田真一

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